雰囲気作りや食事まで、ポイントがいくつかありますので、雪中キャンプに挑戦するときはぜひ参考にしてみてください。
北欧ではアクティビティーのためにキャンプをする
北欧ではキャンプ自体が目的ではなく、何かのアクティビティーをするためにキャンプをすることが多いです。そのため、自分で持っていける小さめのテントを使うことが多いです。ただし、冬はとても寒くなるので、オーブンを入れる大きめのテントを使っている人も少なくありません。それでは、いかにしてテントの中に心地よい空間を作るか……。そのために必要なポイントを解説します。
トナカイ遊牧民・サーミの伝統的なテント「Lavvu」
スウェーデンでゆったり雪中キャンプを楽しめたい時には、北極圏に住むトナカイ遊牧民、サーミの伝統的なテント「Lavvu」(ラブー)が人気です。ネイティブ・アメリカンのティピーに似ていますが、それほど尖がってなくて、強風に耐えられるように作られています。設営するのに少し時間がかかりますが、その分伝統的な雰囲気が楽しめます。日本にはいろいろなタイプの大きいテントがあるので、この点は真似しやすいですね。
テントの中でも「Hygge」を大事にしましょう
「Hygge」(ヒュッゲ)は、日本で“居心地のいい空間”“楽しい時間”に相当する、北欧の人々にとって、とても大切な価値観。雪中キャンプの時も、心地よい空間を作ることを大事にしています。キャンプチェアを使わずに、床にトナカイの毛皮を何枚も敷くとHygge感が爆増します。トナカイの毛皮はとてもふかふかしていて暖かいので、その上に座ったり寝たりします。雰囲気作りにも、そして寒さ対策にも有効なので、北欧風・雪中キャンプを楽しむには一番おすすめのアイテムです。
あえて食事は簡単に済ませる
日本と比べて、北欧のキャンプでは食事に割く時間が少ないと思います。アクティビティーに時間をかけるので、ホットドッグなど簡単につくれるご飯が多いです。また、北極圏にたくさんいるトナカイの肉を使ったシチューやソーセージなどが名物で、ヘラジカのジビエのジャーキーやソーセージも大人気。日本では手に入れにくいかもしれませんが、スーパーマーケットやコンビニで売っているビーフジャーキーもとても美味しいので持っていきましょう。
アウトドアコーヒーでフィーカを楽しむ
北欧では、どの国でもフィーカが大事。フィーカとはコーヒーを逆さ読みにした言葉で、「甘いものをつまんで会話を楽しむコーヒータイム」の慣習を指します。北欧流のアウトドアコーヒーを楽しむなら、フィルターを使わず、荒めに挽いたコーヒーの粉を直に缶に入れて茹でます。濃いめのコーヒーが好きな方はそのままで飲んでもいいのですが、やっぱり甘いものと一緒に食べた方が、バランスがとれると思います。
夜には北欧のホットワイン「glögg」(グロッグ)で体を温めます。甘くて、そして体を温めるスパイスも入っていているので、雪中キャンプにぴったり! ホットワインのコップにレーズンと皮なしの薄く切ったアーモンドを入れて、ちびちびと飲むのが楽しいんです。
雪遊びも忘れずに!
冒頭で書いたように、北欧流のキャンプを楽しむには、何かのアクティビティーと一緒にするのが大事なポイント。皆さんもぜひ暖かいテントから出て、釣りやスノーシューなど、雪遊びも楽しんでください。体を動かしてから雪中キャンプをすれば、ぐっすりと眠れますよ。
写真:Christian Olsson