発売は「クロスオーバー」を皮切りに、現在までに「セダン」と「スポーツ」まで揃っています。
アウトドア派にとって一番気になる「エステート」の発売は2024年中頃になりますが、実はクーペSUVの「スポーツ」もソト遊びに向いているんです。
かっこいいアウトドアライフを夢見るパパにおすすめ
初めて実車を目の当たりにしたとき、素直にカッコいいと直感しました。「スタイルこそ、最大のセールスポイント」とメーカーの開発責任者が断言する車体は、大きく張り出したリアフェンダーと、後方に向かってどんどん絞り込まれていくキャビンとで構成されるグラマラスなリアスタイルがみどころ。
横へと回れば、ウエストライン(ガラスの下のライン)から下がたくましく、上にクーペのようなルーフラインを持った小ぶりなキャビンが載っています。この組み合わせにより、下半身のたくましさと安定感が強調され、グッと踏ん張りのきいたアスリート的佇まいを実現しているのです。
アウトドアフィールドでも絵になるクルマですが、実用性において気になる点がひとつ。実はこの「スポーツ」、クラウンシリーズの中でもっとも全長やホイールベースが短いのです。
ホイールベースは短いもののラゲッジはさすがの広さ
「スポーツ」の寸法は全長4,720mm、全幅が1,880mm、全高は1,565mm。幅広ぺったんこなサイズ感です。全幅さえ許すなら都心部の機械式でも駐車可能のところもあるでしょう。一方、ホイールベースは2,770mmで、「クロスオーバー」の2,850mm、「セダン」の3,000mmと比べると最も短くなっています。
そのため車内空間において前後のゆとりは少しスポイルされています。実際に後席に大人が2人座った場合、窮屈な印象はありませんが、足元のスペースは少し狭いかなという印象。とはいえ、それはあくまでもボディサイズに対する感覚。リラックスできないようなレベルではありませんが、後席に乗車する機会が多いユーザーは、他のクラウンシリーズとのサイズ感の違いを把握しておいたほうが後悔はないと思います。
ラゲッジスペースは5人乗車時の奥行きが959mm、左右幅が987mm(最大幅1,439mm)、高さが632mmと十分な広さです。
カローラに匹敵する小回り性能を実現
今回、ステアリングを握ったのは590万円のHEV(ハイブリッド)・Zグレードですが、走り出してすぐに感じたのは、抜群の取り回しのよさ。それを実現しているのが、「DRS」(ダイナミックリアステアリング)という4輪操舵システムです。
これはステアリング操作と車速に応じてリアタイヤの切れる角度を制御する技術で、ほかのクラウンシリーズにも装備されていますが、ボディサイズの違う「スポーツ」用に最適チューニングを施してあり、小回りの良さや低速域での軽快感、さらに高速域での安定感に寄与しています。これにより、「スポーツ」の最小回転半径はクラウンシリーズ中もっとも小さく、カローラにも匹敵する5.4mを実現。障害物の多いフィールドでは大きなメリットとなります。
楽しさを実感できるクイックなハンドリングと、しっかりとしたタイヤの接地感、そして安定感のある走りは市街地から高速へ、そして郊外のゆったりした道路から、キャンプフィールドへと続くワインディングまで、どんなシーンにもピタリとはまる走りを見せてくれます。昭和のクラウンを知る世代には想像しにくいと思いますが、「スポーツ」はとても実用的で楽しいクルマ。シニアはもちろん、ファミキャン好きの若いパパにも、ぜひ楽しんでほしい一台です。
【クラウンスポーツ Z】
- ボディサイズ:全長×全幅×全高4,720:1,880×1,565mm
- ホイールベース:2,770mm
- 車両車重:1,810kg
- 最低地上高:160mm
- 駆動方式:4WD
- トランスミッション:電気式無段変速機
- エンジン:水冷直列4気筒DOHCガソリンエンジン 2,487cc
- 最高出力:137kW(186ps)/6,000rpm
- 最大トルク:221 N・m(22.5kgf・m)/3,600~5,200rpm
- フロントモーター最高出力:88kW(120ps)
- 同・最大トルク:202N・m(20.6kgf・m)
- リアモーター最高出力:40kW(54ps)
- 同・最大トルク:121N・m(12.3kgf・m)
- 燃費:21.3km/L(WLTCモード)
- 価格:590万円~(税込み)
お問い合わせ先:トヨタ自動車
TEL:0800-700-7700