ハッカ油の虫除け効果と持続性
わずらわしい虫を追い払うためには、ハッカ油が効果的です。いったいどういう作用で虫除けができるのでしょうか。その効果と持続性について、見ていきましょう。
ミントの香りを虫が嫌がる
ミントの爽やかな香りは人間にとっては心地よいものですが、ゴキブリ・カメムシ・アブといった、いわゆる『害虫』にとっては避けたい香りの一つとされています。
ハッカ油には、害虫が不快だと感じるにおい成分が入っているため、ハッカ油の香りがする場所には近づこうとしません。化学物質を使用しない、自然派の虫除け対策として有効です。
しかし、ハッカ油に殺虫効果はないため、あくまで虫が嫌がる『虫除け』であることは念頭に置いておきましょう。
1週間を目安に使い切ろう
ハッカ油を使った虫除けは、作ったその日から徐々に香りが薄れていきます。薬剤による虫除けのように、何十日も効果が持続するわけではありません。
一般的に、ハッカの香りを感じられる期間は約1週間です。香りがなくなると虫除け効果もなくなるため、定期的に新しいものに入れ換える必要があります。
一度に大量の虫除け剤を作っても、使い切れずに余らせてしまいます。無駄なくハッカ油を利用できるよう、1週間で使い切れる量を把握しておきましょう。
ハッカ油虫除けの種類と作り方
ハッカ油を使った虫除けは、自宅で簡単に作れて、香りを楽しみながら虫から身を守ることができます。ここでは、ハッカ油を使用した虫除けの種類とその作り方を紹介します。
虫除けスプレー
虫除けスプレーを作る手順は、以下の通りです。
- スプレー容器を用意する
- 水・無水エタノール・ハッカ油を用意する
- 容器に無水エタノールを約10mL入れる
- 容器にハッカ油5~10滴と水約90mLを入れる
水・無水エタノール・ハッカ油を混ぜ合わせるだけで、簡単に作れます。外出時にも携帯しやすいため、一つ作っておくととても便利です。
肌に吹きかけるだけでなく、衣類や寝具にも使用できます。しかし、原液での使用は避け、必ず希釈してから使うようにしましょう。
初めて作る場合は、ハッカ油の濃度を低めに設定し、肌への影響を様子見ながら調整していくことをおすすめします。
ハッカ油バーム
ハッカ油バームを作る手順は、以下の通りです。
- 密封容器・ハッカ油・ワセリンを用意する
- 容器にワセリン約10gを入れる
- ハッカ油を3~4滴入れてよく混ぜる
ハッカ油バームは、汗ばむ夏のアウトドアに最適です。汗や水で落ちにくいため、長時間の外出でも効果を発揮します。スプレーよりもいくらか揮発しにいため、ハッカの香りを比較的長く楽しめるでしょう。
バーム状になっているため、肌の特定の部分にピンポイントで塗布できます。手首・足首・首元など、肌が露出する部分にすり込んでおくと効果的です。
虫除けキャンドル
虫除けキャンドルを作る手順は、以下の通りです。
- キャンドル用の容器・紙コップ・鍋・ロウソク・ハッカ油を用意する
- カッターで削ったロウソクを紙コップに入れる
- ロウソクの芯は取っておく
- 鍋を火にかけ、弱火の湯煎でロウを溶かす
- ハッカ油を約10滴加えて混ぜる
- 容器の中央にロウソクの芯をセットし、ロウを流し入れる
- 固まるまで放置する
溶かしたロウにハッカ油を数滴加えるだけで、ハッカの香りのアロマキャンドルになります。虫除けキャンドルは、夏の夜のリラックスタイムにぴったりなアイテムです。
ゆらめく炎は、キャンプサイトのデコレーションにも一役買ってくれます。泊まりがけのキャンプに持っていくと、虫除けにインテリアにと大活躍するでしょう。
置き型防虫剤
置き型防虫剤を作る手順は、以下の通りです。
- 容器・重曹・ハッカ油・ガーゼ・輪ゴムを用意する
- 容器に重曹約100gとハッカ油約10滴を加えて振り混ぜる
- 容器の口にガーゼを当てて輪ゴムで留める
虫除け効果を長時間持続させたい場合は、置き型防虫剤がおすすめです。作り方が簡単で、場所を選ばずどこにでも置くことができます。
虫が侵入しやすい窓際やベランダのほか、玄関・トイレに置けば消臭効果も期待できるでしょう。香りが弱まったら、ハッカ油を追加すると再び効果を発揮します。
ハッカ油の虫除け作りにおすすめの商品
天然成分で虫除けを作るのであれば、素材の品質にも注目したいところです。ハッカ油を使用した虫除け作りに適した、おすすめの商品を2点紹介します。
株式会社 北見ハッカ通商「ハッカ油 ボトル」
直接肌に触れるスプレーや、寝具・マスクなどに使用する場合は、天然成分がおすすめです。こちらの商品は、品質の良さに定評がある、北海道北見産のハッカ油を使用しています。
北見地方は国内有数のハッカの産地であり、その土壌と気候によって高品質のハッカが育てられます。天然成分100%にこだわり、化学的に合成された成分は一切含まれていません。
食品に加えても問題ないため、お菓子や紅茶の香り付けにも利用できます。
- 商品名:株式会社 北見ハッカ通商「ハッカ油 ボトル」
- 公式オンラインストア:商品はこちら
生活の木「青色ガラススプレー」
ハッカ油の虫除けスプレーには無水エタノールを使用するため、容器選びには注意が必要です。こちらの容器はガラス製で、ガラスは無水エタノールの影響を受けません。
50mL・100mLの2サイズから選べます。コロンやフレグランス用として販売されているもので、吐出量は約0.15mLと控えめです。携帯しやすく、小まめな使用に適しています。
青色のガラスには遮光性能もあるため、透明ボトルに比べて中身の劣化を抑えられるでしょう。
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- 商品名:生活の木「青色ガラススプレー」
- 公式オンラインストア:商品はこちら
ハッカ油の使用に関する疑問
ハッカ油を使用する際、いくつか気にかけておきたいことがあります。安全・快適にハッカ油を使用するため、注意点についても目を通しておきましょう。
子どもやペットへの影響は?
ハッカ油は、小動物に対して有害であることが知られています。特に猫はハッカ油の香りに敏感で、摂取した成分を分解できないといわれています。ペットの健康を考えると、使用を控えるのが賢明です。
子どもに対する影響については、ハッカ油を薄めて使用すれば大きな問題はないとされています。ただし、念のため使用前にパッチテストを行うことをおすすめします。
なお、原液は刺激が強いため注意が必要です。特に乳幼児や妊婦は肌が敏感なので、十分に希釈してから使用しましょう。
使用できない場面や材質は?
ハッカ油の虫除けスプレーに使用される無水エタノールには、触れると変質させてしまう素材があります。使用できる素材と、使用できない素材を確認しておきましょう。
- 使用OK:ガラス・PP(ポリプロピレン)・PE(ポリエチレン)
- 使用NG:PS(ポリスチレン)・PVA(ポリビニルアルコール)・PET(ポリエチレンテレフタレート)・AS樹脂・ABS樹脂・アクリル樹脂・ナイロン・革
場合によっては、無水エタノールによって容器が破損したり、中身が変質したりする可能性があります。ガラス製品以外のボトルを購入する際は、ボトル本体とスプレー部分に使用不可の素材が使われていないか、必ず確認しておきましょう。
ハッカ油に代用できるものはある?
「天然成分で虫除けを作りたいけれど、ハッカの香りが苦手」という場合は、ハッカ油の代わりに次のような精油が使えます。
- レモングラス
- ゼラニウム
- ヒノキ
これらの香りも、ハッカ油と同様に虫除け効果が期待できます。レモングラスはレモンの爽やかな香りがする精油で、すっきり爽快な気分になれるでしょう。
バラを思わせるフローラルな香りのゼラニウムは、浮き沈みする気分のサポートに効果的です。ヒノキはくせのない爽やかな香りで、抗菌効果もあります。
まとめ
ハッカ油はミントの香りを利用して、効果的な虫除けとして活用できる精油です。ハッカ油を使った虫除けは、簡単に自作できます。
手軽に使うならスプレータイプ、しっかり付けたいならバーム、アロマのようにくゆらせるならキャンドル、家のあちこちに配置するなら置き型が便利です。
ただし、容器の素材や、ペット・子ども・妊婦への影響などは、十分な注意が必要です。環境に問題がないことを確認した上で、ハッカ油の虫除けを取り入れてみましょう。