安達太良山は、1900年に規模の大きい水蒸気爆発を起こしている活火山。その火口から発せられる火山ガスと地質は、周囲の植物の生態系に大きく影響をあたえ、標高1,700mという低山にもかかわらずいわゆる“森林限界”に達しています。
その山頂は圧巻の絶景で、思わず息を呑んでしまうほど。見晴らしのきくその場所は、超大迫力の火口から、まるでアルプスのような稜線まで見ることができてしまいます。
今回は、そんな安達太良山を山頂の景色を中心にご紹介。人生で一度は見ておきたい絶景です。
安達太良山とは
安達太良山は、福島県二本松市・福島市・猪苗代町に位置する標高1,700mの山です。
日本百名山としても名高い安達太良山は、登山客の絶えない人気の山。人気の理由は、やはり山頂の絶景に尽きますが、そのほかにもロープウェイで大幅にコースタイムを削れる点も大きな理由。
また、ここは紅葉の名所だけではなく、冬にはスキーの名所としても知られています。季節問わずさまざまな遊びを提供してくれる、優れた山です。
ロープウェイを使えば、山頂までは約1時間半ほどで、初心者にもおすすめできる山です。日本百名山のなかでも難易度が比較的低く、初めての人にも優しい山といえるでしょう。
圧巻の山頂景色!一度は見たい絶景がある!
安達太良山の最大の特徴は、山頂からの景色です。
1,700mの山とは思えないほど、魅力が詰まった絶景となっています。特に大迫力の火口は超有名で、私も初めて足を運んだ際は、涙を浮かべるほど感動しました。
超大迫力の爆裂火口!感動の絶景がここに
長い自然の歴史で、安達太良山はその姿を度々変えながら現在の姿になりました。
80万年前から激しく活動を繰り返している安達太良山は、活火山として登録されています。
火口は迫力満点。直径1.2kmで深さ150mのその場所は、一面白色と黄色のグラデーションのような色合いに染められています。これは硫黄が大きく影響しており、噴火口から硫黄の噴出を確認できることがわかっています。
実際に、19世紀にはこの付近に硫黄採掘所がありました。しかし、1900年の中規模な水蒸気噴火によりその採掘所は全壊。作業員含め、72名の死者を出した噴火の歴史があります。※参考「安達太良山 有史以降の火山活動」(気象庁)https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/sendai/214_Adatarayama/214_history.html
ちなみに、火口までは山頂から歩いて15分~20分ほどです。
本当に1,700mなのかここは!?
先述したように、火山ガスと地質の影響で、山頂付近は高い木の生えない“森林限界”に達しています。森林限界とは、高山などの特殊な環境で、森林が成立できなくなる境界線のことです。
標高1,700mでの森林限界は稀です。森林限界のため山頂から火口まで進む道は、まるでアルプスの高山帯に来たかのような稜線を見ることができます。難易度がそこまで高くない山で、この稜線を見ることができる場所はなかなかありません。
初心者におすすめできる難易度
初心者向けのコースを選べば山頂までも約1時間半で到着でき、危険箇所もほぼ1か所に留まります。
そんな安達太良山は日本百名山のなかでも登りやすい、初心者におすすめの山です。
標高1,350mまで行けるロープウェイ
ロープウェイを使えばタイムを大幅に削減でき、山頂までは1時間15分。火口までは1時間半で登ることができます。
ロープウェイから二本松市を見ることができるなど、ロープウェイに乗った時点ですでに絶景です。
危険箇所は一か所を除きほぼ無し
山道もかなり整備されており、山頂付近の岩場以外は危険箇所はほとんどありません。山道のほとんどは2mほどの植物で囲まれており滑落の恐れはないのと、整備も行き届いており、山頂まで分岐は無いため道迷いの心配もありません。
しかし、山頂にあたる岩場は、てっぺんに行くまでに手を使って登る箇所もあるなど注意が必要です。安達太良山唯一の危険箇所です。
そのほかの注意点としては、かなり開けた山頂のため、強風の影響を受けやすいこと。
天候や季節によっては初心者を寄せ付けない山と化してしまいます。しっかりと事前に天気の情報を見て、計画をもって登りましょう。
人生で一度は訪れるべき安達太良山
初めてあの火口の迫力に圧倒され涙した経験は、今でも覚えています。
それほど圧巻の美しさと迫力に満ちた安達太良山は、必ず登ってほしい日本百名山です。
今度のお休みに、安達太良山に訪れてみてはいかがですか?