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SOTOってどんなメーカー?
進化を続ける燃焼器具ブランド
1990年に開発した、100円ライターを燃料にして使うポケットサイズのバーナー、「ポケトーチ」。工作用として開発されたツールだが、これがキャンパーの手によってアウトドアツールとして認識されるようになり、これをきっかけにSOTOブランドを立ち上げた。その後、世界初の「マントルのないランタン」、燻製器「いぶし処」、ステンレス製ダッチオーブンなどを次々と発表。
そして、2008年にマイクロレギュレーターを搭載した、CB缶仕様の「レギュレーターストーブ」を発売。じわじわと脚光を浴び、’09年には欧米でも販売が開始された。昨今は「防災」と「火育」に力を入れ、アウトドアイベントでは子供たちが安全に火を使うことができるワークショップなども開催。火を通して「どんなところでも生きられる力」を育んでいる。
2020年に建てられた新工場には、創業以来積み重ねてきたモノ作りのノウハウがすべて込められており、流路(ガスや灯油など燃料の通る場所)はすべてこの工場で内製している。
▼参考記事
個性豊かなギアを次々に生み出す!日本が誇る12のアウトドアブランドヒストリー【P~Z編】
大人気ブランド「SOTO」の工場見学!アウトドアギアの傑作はここから生まれていた
大人気の小型ガスランタン「Hinoto(ひのと)」
SOTO
Hinoto(ひのと)
付属のガス充填式タンクのほか、OD缶に直結可能。本体下にスタビライザー(※別売り)を取り付けることで安定感が増す。専用の収納ケースもあり、持ち運びにも便利。連続燃焼時間は、充てん式専用タンクで1~2時間程度(タンク充てん状況や火力により変動する) 。
●サイズ:直径3.8×高さ15.6cm(別売専用スタビライザー/直径11.5×2.3cm)
●素材:アルミニウム、真鍮、ステンレス、ガラス、樹脂
●重量:232g
ライターガス、CB缶、OD缶から燃料を専用タンクに充填して使用するほか、OD缶に直接取り付けて使うことも可能。コンパクトなサイズで、癒しの灯が楽しめる。点火装置は装備していないのでライター等で点火すること。ボンベは別売り。OD缶からの充てんには別売の「フィルアダプター SOD-450」が必要。
▼関連記事
SOTO(ソト)/Hinoto(収納ケース付き)
「Hinoto(ひのと)」をレビュー!使い方も解説
フリーランスのライター、編集者。主なテーマはアウトドア、旅行で、ときどきキャンピングカーや料理の記事を書いています。https://twitter.com/utahiro7
ウインドマスター、ストームブレイカーなど風にも負けない元気な青い炎が印象的なSOTO(新富士バーナー)の、小型ランタン「Hinoto(ひのと)」。
「Hinoto(ひのと)」はマントルのない揺れる赤い炎が特徴だ。赤い炎は不完全燃焼で不安定だからと避けてきたSOTOがあえて取り組んだランタンを試してみた。
廃盤になったG-ランプソリッド(4.7×6×H13.8cm)に似た円筒形だが、G-ランプに比べてずいぶんスリムになり、デザインもスッキリ洗練されているのが今どきっぽい。スリムだがタンク部分がズッシリ重く、重心が低いため簡単には倒れそうにない。
燃料はOD缶、CB缶、ライター用のガスから充填可能
CB缶とライター用のガス缶は先端が細長いけれど、OD缶は接続部分の径が太い。そのためOD缶からタンクに充填するには、別売のアダプターが必要となる。そのまま充填できないのは残念だが、あと少しだけ残ったガスを利用できるのでSOTOユーザーは利用価値が高い。
タンクの底と側面はつなぎ目のないアルミ製で、上側は真鍮製。さすがにていねいな作りで安心できる。
Hinoto(ひのと)の使い方
ガスを充填して着火
タンクへの充填は驚くほど原始的だ。CB缶の先端をタンクの穴に差し込んで真上からまっすぐ押し込むだけ。インジケーターなどはなく、脇の切れ目からガスが吹き出せばそれが満タンになった合図なのだから。
当然だけれど焚き火脇など火を扱っている場所では避けるべき作業だ。空っぽから満タンまでの時間は約8秒。
オンオフ切り替えと炎の高さ調節は黒いリングで。リングを回せばガスが出るので、そうしたらマッチなどで火を付けるというこちらもシンプルな仕組みとなっている。
気をつけたいのが、黒いリングを回しきったように思えても、さらに回せるということ。少し引っかかりを感じる場所があるが、そこでリングを止めてもうまく着火できないので注意したい。とはいえ、保管時にうっかりリングが回ってもガスがもれないという安全面に配慮した仕様なのだろう。
OD缶を直接取り付けられるのは大きな進歩だ。タンクでは1~2時間の点灯だが、OD缶取り付け時は容量が増えるので105g缶で約9時間、250g缶なら約20時間使えるそう。また、OD缶を取り付けると寒い日でも安定した高い炎が上がる。
キャンプでランタンが必要な時間を考えてみると、夏で4時間程度、冬なら6~7時間程度。自宅で充填しておき、キャンプ場ではバーナーの燃料を借りて1回充填すれば十分な計算だが、寒い時期は炎が頼りなく感じることもある。タンクを握ってしばらくすれば復活するが、冬はOD缶を取り付けることを前提としたほうがいいかもしれない。
安定した炎の秘密は“コイル”
Hinoto(ひのと)の炎の吹出口はコイル状だ。SOTOによると「理屈はうまくいえないけれど、コイルにすることで炎が安定する」。確かに、寒い日や風の強い日など炎があまり大きくはならないことがあるのだが、それでも消えることなくチロチロと輝いていた。
キャンドルのような炎のHinoto(ひのと)は、メインの明かりには物足りないが、卓上で手元を照らすのには十分だ。マントルの予備を持たなくていいし、自宅で使ったカセットガスを充填して持っていき、キャンプ場でガスがなくなったらストーブのOD缶から燃料をもらう。そんな柔軟な使い方ができるのがいい。
▼参考記事
SOTOの小さい新作ランタン「Hinoto」を使えば、ガスを最後まで無駄なく使える!
オプションやカスタムで「Hinoto(ひのと)」をさらに快適&楽しく
便利なスタビライザー
取り付けることで安定感が増す「Hinoto スタビライザー」(別売り)は、収納すると7×1.5×1.5cmと超コンパクト。
付属の収納ケースには、フィルアダプター(タンクにOD缶からガスを注入するアクセサリー)とスタビライザーを収納できるスペースを設けている。また、ホヤとタンクを切り離して収納するため、保管スペーサーを付けなくても済むのも特徴だ。
全3種類のオーナメント
ゆらぐ炎にアクセントを加えてくれるのが、新製品のオーナメント。柄は3種類ある。
▼参考記事
【新作スクープ】SOTOの新ガスストーブとホットサンドメーカー!
灯りの質と多様性がポイント! 編集部員の気分を上げた最良のランタン8選