今回はコアラにまつわるクイズ4問です!
こんにちは、オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。今回はそのオーストラリアを代表する動物の一つであるコアラにまつわるあれこれをクイズ形式でお伝えします。ちなみにコアラはオーストラリアを代表する動物ですが、「国獣」ではないんです。
国獣は2種類いるのですが、なんとカンガルーとエミュー(ダチョウに似た感じの鳥です)! 「いやいや、カンガルーはわかるけど、エミューに負けたか〜。コラア参った」というコアラの嘆きが聞こえてきそうです。はい、オヤジギャグだとわかっていながら我慢できないのがオヤジたるゆえんです。
ええ、これもまたビックリなのですが、第1問の答えこそが私を主旨替えさせた「衝撃の事実」です。
第1問 コアラの食べ物はなに?
クイズの鉄則通り、最初はサービス問題からスタート。すぐにわかった方も多いと思いますが、「ユーカリの葉」です。正解された方にはユーカリの葉1年分をプレゼント…されてもうれしくないですよね。笑
そうなんです、コアラはユーカリの葉しか食べないんです。しかもオーストラリアにはユーカリの木は600種類もあるというのに、コアラが食べるのはほんの数種類のみ!
はい、良く言えば「食にこだわるグルメ」、普通の言い方をすれば「偏食にもほどがある」! だけどそれで元気に生きているのだから非難すべきことではないですが。
ただ私がコアラにだけはなりたくないと思った「衝撃の事実」がこれです。今日もユーカリ、明日もユーカリ。一生ユーカリ。…はい、絶対に飽きます、私なら。
ちなみに子どもたちの人気をコアラと二分している(かどうか正式にはわかりませんが)ジャイアントパンダも、「笹しか食べない」と思われたりしていますが、「上野動物園のジャイアントパンダ情報サイト」によると本来は食肉目クマ科に属するので「肉食性の強い雑食動物」なのだそう。実際上野動物園でもトウモロコシ粉の団子やミルクがゆ、リンゴやカキやサツマイモやニンジンといった果物や野菜も与えていたそう。
コアラの偏食が際立ちますね。
第2問 コアラの平均睡眠時間は?
私が「コアラになりたい」と気の迷いを起こしたポイントがここ。なんとコアラ先生、一日に18~20時間も眠ります! 逆に言うと起きているのが4~6時間。…よくよく考えたらそれはそれでつまらないかな?
さて、コアラがまるで2晩連続の徹夜明けの昭和の広告屋(は~い、私です)のように爆睡する理由。それは「ユーカリにアルコールが含まれているから酔っているのだ」と言われたりしますが、実はこれは俗説で間違いなのだそう。
コアラが食べるユーカリには繊維質が多く含まれていて、かつ毒素も強く、栄養価も低いので、消化するのにエネルギーがかります。そのためあまり活動せずに睡眠でエネルギーを蓄えるのです。我々が風邪などで体調が悪いときには寝るのがいちばんというのと同じですね。
……っていうかコアラ先生、なぜそんなユーカリを食べる?謎すぎる習性ですね。まあ飲みすぎないほうがいいとわかっていながらアルコールをやめられない私は偉そうには言えませんが。
第3問 野生のコアラをカンタンな見つける方法は?
幹から枝分かれする部分にちょこんと座っていることが多いコアラ。でもすごく高いところにいることも多く、また毛皮はユーカリの木と保護色状態になっています。というわけですごく見つけにくい。
ある日、一生懸命木の上のほうを見て探してそろそろ首が痛くなりかけていた私に、コアラの保護などをしている自然保護官が近寄ってきてこう耳打ちをしたのです。
「コアラを見つけるのに木の上のほうを見るよりも、根元を見るといいですよ~」
当然のことながら怪訝な顔になりましたよ。この人、自然保護官まさか私に「上見ろ、下見ろ、ざまあみろ」をしかけてきたのではないか、と(ううっ、わからない方すみません。昭和にガキンチョだった人に訊いてください)。
でもその自然保護官はこう説明してくれました。「木の根元を見てできたてホヤホヤのウンチが見つかれば、その木の上にコアラがいる証拠。その木の上には必ずコアラがいます!」
なるほどやみくもに探すよりも合理的ですね。
第4問 コアラの子どもを背負うのはママ、パパ、それとも?
母親だけが育児をして父親は知らんぷりの動物もいれば、両親協力して育児をする動物もいます。父親だけの動物も…いるのかな?
さてコアラというと子ども(カンガルーなども含めて有袋類の子どものことをジョーイと呼びます)が大人のコアラの背中に乗った写真を見たことがある方も多いと思いますが、あれはママとパパのどっちに乗っているのでしょうか? はたまたどっちにも乗るのでしょうか?
以前飼育係の人に聞いたところによると、じつは全然血縁関係のない大人が背負っていることもあるそう。というか子どもたちが勝手に背中に乗ってきて、乗られたほうも別に気にしないというパターン。
日本では男性の育児参加なんてことがようやく叫ばれるようになってきましたが(実は私がオーストラリアに移住したのも、当時の日本では難しかった男の育児を楽しむためです)、コアラの社会はもしかしたらずっと進んでいるのかもしれませんね。
さて今回のコアラクイズ、いかがだったでしょうか? きっとコアラに会いにオーストラリアに行きたい、いやいやコアラを抱っこしたいと思った方も多いでしょう。ぜひぜひ来てください!
ただ一つ注意があります。じつはオーストラリアでは州ごとに法律が違っていて、「コアラ抱っこ」ができる州と、できない州があります。2024年現在できるのは、クイーンズランド州(州都ブリスベン。他にケアンズやゴールドコースト)、南オーストラリア州(州都アデレード)、西オーストラリア州(州都パース)の3つのみ。逆にシドニーが州都のニューサウスウェールズ州やメルボルンが州都のビクトリア州では、たとえ動物園でもNGなのです。
また許可されている州でも、いつもつかまっているユーカリの木ではなく、人間に抱っこされるのはコアラにとってはストレスになるとのこと。というわけで動物園の飼育係の人たちは各個体のその日の調子を見ながら抱っこされて大丈夫か判断したり、一日に抱っこされる時間を制限したりしているそうですよ。
コアラでいるのもラクじゃないのかもしれませんね。
参考サイト:
・Australian Koala Foundation(オーストラリアコアラ基金)https://www.savethekoala.com/japan/jpkoalasfacts
・日本の動物園でも「親でない大人の背中に子どもコアラが乗る」という神戸新聞の記事
https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/omoshiro/202302/0016019386.shtml
・上野動物園のジャイアントパンダ情報サイト
https://www.ueno-panda.jp/dictionary/answer04.html