ファミリーに大人気の箱型ミニバンの歴史は、商用バンをベースに快適装備を充実させたことから始まった。乗用でありながら抜群の積載能力を誇るこのジャンルで、根強く支持されているのが「日産/セレナ」だ。
釣りをこよなく愛するBE-PALスタッフの高橋が、昨年モデルチェンジした最新版をテスト!
編集部 クルマ選びの基準は、やはり釣りやキャンプで機能的かどうか、という点ですか?
高橋 それもあるけど、ファミリーカーとしての要素も大事。ウチは毎年、家族で秋田まで行くから、長距離を走っても疲れないクルマがいいんだよね~。
編集部 運転はずっとひとりで?
高橋 もちろん。途中で休憩はするけど、距離は長いし、時期によっては渋滞もひどい。その点、セレナは疲れにくいのがいい。
編集部 高速道路でハンドル操作もアシストする運転支援技術、「プロパイロット」が搭載されていますからね。
高橋 今回、首都高速道路で試したけど、最初はおっかなびっくりだったのが、慣れてくると快適で! ブレーキのかかり具合やハンドルのアシストが自然で、安心して運転できましたよ。
編集部 セッティングがシンプルなのもいいですよね。
高橋 そう。どんなに優れた技術でも、操作が複雑だと使う気にならないでしょ? でもこの「プロパイロット」は指先の動きだけでセットできるからラク。
現行型のデザインは、都会的な雰囲気を強調しつつ、Aピラーを細くして広々した視界を確保。フィールドでも取り回ししやすい。
「プロパイロット」はハンドルの右側にスイッチがあり、手を離すことなく簡単にセットできる。設定状況はメーターパネルに表示される。
USBソケットが最大で6か所も付く(グレード、オプションで異なります)。
アレンジ多彩なラゲッジは居心地もGOOD!
編集部 では、ラゲッジのほうは? 3列目シートが跳ね上げ式なのを気にしていたようですが…。
高橋 床下に収納できたほうが広く使えていいと思っていたけど、そもそも室内が広いから、まったく気にならなかった。軽い力で収納できるし。2列目を一番前までスライドさせると、相当広い。車中泊はもちろん、ここで釣りの準備をしたり、自分の部屋にいる気分で過ごせるし。
編集部 リアゲートの上半分だけを開けられる「ハーフバックドア」も、便利な機能ですよね。
高橋 ミニバンのリアゲートは大きいから、狭い場所ではこれがあるとすごく助かる。それに、フル乗車のときは必然的に荷物が増えて縦に積むことになるけど、そんなときも上半分だけ開ければ崩れ落ちてこない。
編集部 いわゆる“雪崩”が防げますからね。ところで、不満な点とかはないんですか?
高橋 う~ん。とくにないかなあ。シートやラゲッジが防水で、掃除しやすければ最高だけど、それは自分でカバーを敷いたりすることで対処できるから。やっぱり、どんなにクルマが進化しても、DIYの楽しみは残しておいてほしいからね〜。
3列目を跳ね上げ、2列目を前にスライドさせれば、釣りやキャンプ道具を積んでもまだまだ余裕がある。釣り竿は2列目の真ん中を倒すことで、すんなり収納。
リアゲートの上半分を開けられる機能は、一部のステーションワゴンやSUVにしか付いていない。これは便利!
日産/
セレナ ハイウェイスター Vセレクション(2WD)
●全長×全幅×全高:4,770×1,740×1,865㎜
●車両重量:1,690㎏
●最低地上高:160㎜
●最小回転半径:5.7m
●乗車定員:8名
●総排気量:1,997cc
●エンジン:直列4気筒DOHC
●JC08モード燃費:16.6㎞ /ℓ
●価格:¥2,717,000
日産自動車 http://www.nissan.co.jp/
◎構成/櫻井 香 ◎撮影/見城 了、篠原晃一