…すっ、すみません。「動物ドッキリクイズ・その1コラア編」と同じ出だしになってしまいました。笑
今回はカンガルーにまつわるクイズ4問です!
なぜ私がカンガルーになってみたいかというと…こちらをご覧ください。
まるでロダンの彫刻「カンガルー人」、もとい「考える人」のようだと一瞬勘違いしそうになりますが。
はい、ピョンピョンと元気に飛び回っているイメージのあるカンガルーたちですが、じつはこんなふうに寝そべっていることも多いのです。
休みの日に子どもたちから「パパ、どっかに連れて行ってよ~」とせがまれようが泣かれようが、テレビの前で日がな一日ダラダラとスポーツ中継なんか見ながらうたた寝なんかしちゃったりする古き良き昭和のオヤジ、そっくりの姿。
それでいて奥さんからの「粗大ゴミ…」と嫌味が聞こえてくることも、中高生になった娘からも「おとうさんの服といっしょに洗濯しないで」なんて毛嫌いされることもない。これぞ中年オヤジの理想の姿じゃないですか!
でも、とある「衝撃の事実」にハタと気づいて、「いやいやいや、カンガルーだけにはなりたくない」と宗旨替えしました(あっ、前回は「コアラにだけはなりたくない」って書いたな。笑)。その衝撃の事実とは!?
こんにちは、オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。今回はコアラ編に続きカンガルーのあれこれをクイズ形式でお伝えします。
第1問 カンガルーの一番の天敵はワニ? ディンゴ? それとも?
オーストラリアにいる唯一の大型の肉食獣と言えばワニ。そのうちイリエワニという種類は特に獰猛で、体長も6~7メートルになることがあります。
ただワニたちは熱帯とか暑いところに住んでいるのに対して、カンガルーたちがいるのは温帯がほとんど。生息域はあまり重なっていないので天敵にはなりません(小型のカンガルーであるワラビーというのは熱帯にもいます)。
カンガルーが主に住む温帯には、地域によっては野生化したディンゴという中型犬が生息。彼らは野生動物を襲いますが、生息する場所も個体数も少ないので天敵というほどではありません。
では何がカンガルーたちのいちばんの天敵かというと…じつは「人間」なのです! というか人間が運転する「自動車」です。
あるオーストラリアの大手保険会社の発表によると、年間で8000件ほどカンガルーをひくことによる保険金請求があったそう。保険会社は1社だけではありませんし、また「カンガルーをひいたけど、バンパーがずれたくらいで車本体に損傷はない」といった場合、修理や保険金請求をしないこともあるでしょうから、実際にはもっと多くのカンガルーたちがひかれているはずです。
ちなみにオーストラリアで車に衝突する動物の80パーセント以上がカンガルーとのこと。
なぜカンガルーたちがそれほど交通事故に遭うのか。それは彼らの動きが早く、また道路脇で立ち止まったりせずに、草むらからいきなり飛び出して来るからです。
そしてオーストラリアではハイウェイ(速度制限が「ハイ」の「高速道路」と思われがちですが、じつは交通量が「ハイ」、つまり多い「幹線道路」のこと)でも、日本の高速道路のような側壁などはないので侵入し放題なのです。
ちなみに、カンガルーの動きが一日でいちばん活発になるのは明け方や薄暮のころ。このころの運転は特に注意が必要です。
第2問 カンガルーはどのくらいジャンプできる?
かわいくピョンピョンと飛び跳ねるイメージのあるカンガルー。放し飼い系の動物園ではそうした姿もよく目にします。でもその実力はじつは「かわいくピョンピョン」どころではないのです。
種類によっても能力は異なりますが、最大級のアカカンガルーだと1回で飛ぶ距離は8メートル以上(最大で13メートルという記述もあります)!高さも2メートル以上!
すみません。先ほど「オーストラリアのハイウェイには側壁がないからカンガルーも飛び出し放題」みたいに書きましたが、これだけ高く飛ぶのであれば通常の側壁があっても足りないですね。汗
ちなみに走るスピードは時速70キロ。時速110キロという地上で最速のチーターには遠く及びませんが、ライオンやダチョウくらいの速さだとか。その速度で2キロも走りつづけられるのです!
(このあたりの数値は資料によって多少誤差があります)
でもここでふと疑問が。オーストラリア大陸には天敵らしき天敵がいません。カンガルーも草食動物なので獲物を追いかける必要はない。どうしてそんなに速く走り、遠く高く飛べるようになったのか、考えると不思議ですね。
第3問 カンガルー肉って食べられるの?
イエスかノーかの単純な設問なのですぐに正解をお知らせしましょう。答えはイエスです!
赤身の肉ですが、牛肉と比べて脂肪分もコレステロールも少なくてヘルシーだそう。このところ普通のスーパーマーケットでも「Game meat」(狩猟した野生動物の肉)のコーナーで売られるようになりました。とはいえ私は買ったことはなく、観光地の旅行客向けレストランで「味見」するくらいのものです。
ちなみに「コアラ」の肉が食用として提供されるのを見たことはありません。前回の「コアラ編」で書いたように、毒性の強いユーカリばかり食べているからおいしくないのかもしれませんね。
オーストラリアでカンガルー以外の変わった肉というと、クロコダイル(ワニ)とエミュー(ダチョウのような姿かたちの鳥)。ワニは意外や意外、チキンのような歯ごたえと味わいです。
第4問 カンガルーの袋の中は強烈に「○い」。○に入る漢字は何?
「有袋類」はその名のとおり、メスのおなかに子育て用のポケット状の袋「育児嚢(のう)」があるのが特徴。好奇心旺盛に外を出歩いていた子どもカンガルーが「でもやっぱりママのおなかがいい」とでも言いたげに育児嚢にもどってくる姿は本当にかわいらしいものです。
さてその育児嚢。じつは強烈な特徴があるのです。暖かい? それもまあ確かでしょうが今回の設問は「○い」の○に入る漢字一文字。みなさん、なんだと思いますか?
じつは「臭い」です! それも「ケモノ臭さと排せつ物がまじりあったようなすさまじい匂い」だそうですが、赤ちゃんカンガルーにとっては「安心できるママの匂い」のようです。
まあ人間の幼児でも唾液などで汚れ切った毛布やぬいぐるみをかたときも手放せない子がいますが、それと近いのかもしれませんね。
クイズは以上ですが、じつはかわいいカンガルー、農作物や牧草を食い荒らす「害獣」でもあるんです。
日本の農作物を荒らすシカやイノシシといった害獣たち同様、本人たちは悪気がなく、ただ生きるためなのかもしれませんが、やられたほうにしたらやっぱり腹は立ちますよね。
参考資料
サンシャイン水族館「カンガルーの袋ってどうなってるの?気になる疑問を詳しく解説!」
https://onlineshop.sunshinecity.jp/blog/post-1104/