CONTENTS
ウッドテイストの内装で居心地◎「MOBY DICK Beluga」
フレックス/MOBY DICK Beluga
北海道から九州エリアまで、全国にハイエースの専門店を32店舗も展開しているFLEX(フレックス)。現行ハイエースの販売台数はもちろんのこと、カスタムやメンテナンスなどハイエースのプロショップとしても知られている。「ベルーガ」は、同社では初めてハイエースのワイドミドルルーフのワゴンGLをベース車両に用い、モデル名は「シロイルカ」が由来。
ハイエースのボディバリエーションで室内の広さにゆとりがあるのは、スーパーロング・ワイドボディ・ハイルーフだが、ワイドミドルルーフのほうが取りまわしがしやすく、都市部や細い道など普段使いにも向いているというメリットがある。また、ワゴンは10人乗りが標準設定だが、こちらは家具などの架装により6人乗りの仕様になっている。
家具をひとつにまとめてスッキリとしたインテリア
セカンドシートにはキャンピングカー専用の1400mmFASPシート(イタリアFASP社のマルチモードシート)を採用し、横座りのサードソファに移動中も1人掛けできるようシートベルトなど保安部品を装備することで6名乗車が可能。フロントとセカンドシートで5人が前向きに座れ、普段使いにも配慮がされている。
荷室には左側にキッチンキャビネットと上部棚を装備。収納や調理といった機能がここにすっきりとまとめられ、家具類はウッドを基調に角部分にアルミ製コーナーパネルを用い、室内を広く見せつつ、移動の際に足をぶつけるといった危険性を軽減した作りが特徴になっている。
右側の内張りはウッド化しつつ小物入れも備わり、見た目と実用性を両立。中央動線部分は長さ約2mで長尺物の積載もでき、キャンプや趣味の道具も楽に持ち運べる。
2人旅プラス子どもやペットとの旅に「ちょうどイイ」
キッチンキャビネットには開け閉めの多いスライドドア側に上開き式冷蔵庫を配置。リア側にはシンクを搭載し、蛇口部分を引き出し式シャワーヘッドにすることで外へ伸ばしてペットの足を洗ったり、キャンプ道具などの汚れを落としたりと、使いやすさが光る設計になっている。
テーブル部分はリビングモードに展開時はもちろんのこと、前向き乗車時でもセカンドシートにセットできるので休憩時などに使えて便利だ。
ベッド展開はセカンドシートをフラットモードにし、サードソファの背もたれを通路にセットするだけ。最大で長さ2580mmのベッドは大人2人でゆったりと寝られ、小さな子どもやペットの就寝スペースも確保できるほど余裕があるのもベルーガならでは。
ファーストカーとして日常でも不便なく使え、遊びや旅でも頼りになる。そんなマルチに使いたいという人にお薦めのモデル。ウッドテイストでまとめられたインテリアは居心地もよく、2人旅なら空間の余裕もたっぷりあって快適に過ごせる内容だ。
●全長×全幅×全高:4880×1880×2105mm
●乗車人数:6人
●就寝人数:2人
問い合わせ先:フレックス
https://www.flexnet.co.jp/mobydick/
▼参考記事
新型キャンピングカー「ベルーガ」は普段使いもイケる!フレックスのハイエースがベース
ムクの木々に囲まれるDIY風「LAKE SIDE」
セドナ/LAKE SIDE
勢いを増す車中泊や車上生活の新スタイル「バンライフ」。
白を基調とした家具とムクの木々で囲まれた壁面で仕上げられた空間は「このクルマでこんな自由な旅がしてみたい」と思わせてくれるワクワク感がたっぷり。「湖のほとりでゆったり過ごせるプライベートスペース」というコンセプトがダイレクトに伝わりつつ、自分ならこの棚にこれを置いて~といった妄想がかき立てられる仕上がりだ。
バンライフをテーマにした車両を製造するキャンピングカービルダー「ワークヴォックス」の担当者・藤田さんにバンライフの魅力を伺った。ワークヴォックスの中でも、バンライフ専門ブランド「セドナ」を立ち上げた立役者のひとりだ。
「欧米の若者を中心に広がりをみせるバンライフ。窮屈な都市型生活から抜け出し、バン1台に必要な荷物を載せて遊牧民的な自由な生活をするという生き方は、日本でも老若男女問わず憧れがあると思うんです。
日本でいうキャンピングカーは装備にしても内装にしても至れり尽くせり。だけど、本当にそこまで必要なのかな?っていう部分がありました。セドナでは、便利さよりもちょっとの不便があってもワクワク感のある温か味のある空間作りを目指し、2017年末から開発をスタートさせました」
「ブランドはボクも含め20~30代の3人を中心に、どういうコンセプトで作っていくかを話し合いました。キャンピングカーでは道の駅やSA/PAを利用した旅をする人も多いですが、もっとキャンプ場やビーチサイドといったフィールド寄りのスタイルに仕上げていきたいと考えました。そこで、バンという限られた居住空間に、木材を使用してDIY感のあるラフさや温か味を持たせていこうと決まりました。主人公はあくまでユーザーで、車両はベースギアとして旅をサポートしていこうということです」
「デザインやコンセプトは若いボクらですが、製造は社の大先輩である50代の職人さんたち。それだけにDIY風ですがキャンピングカー製造のプロとしての緻密さを家具やデザインなどに注入し、細部に至るまで仕上げにはこだわりました。
実際、DIYで車中泊している人ならわかると思いますが、断熱施工や家具類の建付けなどをしっかり行なっていないと走行中の安全性や就寝時の快適性などが損なわれるので、こうした部分はメーカーならではの技術をしっかりと取り入れています。長期の車上生活でも、タフなギアとしてきちんと成立させておくことが当たり前ですが重要なんです」
問い合わせ先:セドナ
http://sedona-vanlife.com/
▼参考記事
「バンライフ」を楽しむのにピッタリな1台! 好きな空間に仕上げて車中泊を楽しむ
軽量性と見た目の美しさを両立した内装「Rakuneru Van Tour」
メティオ/Rakuneru Van Tour
この「Van Tour(バンツアー)」は、昨今話題のバンライフをモチーフに、独自の技術をたっぷり注入し製作。ベース車輌であるハイエースの標準ルーフ・標準ボディは同モデルの中でも最小の3サイズ(全長×全幅×全高)4695×1695×1980mmとなっており、都市部でも扱いやすいサイズ。
いちばんの特徴は家具フレームに木材では無くアルミのチャンネル材を使用していること。その利点は家具の軽量&高剛性化ができることだそう。
それでいながらも、3列目ソファ後方に間仕切りを設け、最後部をマルチルームにしているところが斬新。このマルチルームは左キャビネットにコンパクトキッチン、右キャビネットは電子レンジや温水器、トイレなどのオプションを用意し、旅のスタイルに合わせて搭載ができるようになっている。
基本的には2人旅仕様だが、マルチルームのキャビネット上にオプションでチャイルドベッドも装着できるため家族旅仕様にも対応する。
電装系についてもサブバッテリーに走行充電システム、500Wインバーターを標準装備。価格も338万円~とハイエースベースのキャンピングカーとしてはとてもリーズナブルだ。
●全長×全幅×全高:4695×1695×1980mm
●乗車定員:6人
●就寝定員:2人
問い合わせ先:メティオ
http://www.metio.jp/rakuneru/
▼参考記事
ハイエースベースで機動性もバツグン!キャンピングカー「Rakuneru Van Tour」の魅力
開放感が高くくつろげる内装「FOCS FIKA」
フジカーズ/FOCS FIKA
フジカーズジャパンといえば海外支店を含む全国18拠点、共有在庫5000台を誇る巨大カーディーラー。また広島と 茨城には自社工場を構えており、オリジナルブランド「FOCS(フォックス)」シリーズを製造するキャンピングカーメーカーとしても知られている。
フォックスシリーズの特徴は、カーテンやシートの縫製も含め、全てを自社で一貫生産しているところ。また神社やお寺を建設するときに宮大工が用いる日本の伝統的な大工工法「宮大工工法」を用いて家具類を製造。ホゾで組み付ける事により、強度を高めることができるという。
そんなフォックスシリーズに新たに追加された「FIKA(フィーカ)」は、ハイエースのワイドミドルルーフのワゴンGLがベース。セカンド&サードシートを廃して3人がけの二の字シートを採用しているのが特徴で、8名乗車を実現している。
フィーカはレイアウトも特徴的で前方にL字キャビネットを配し、後方の二の字シートはサイドウインドウよりも低い位置にすることで視覚的な圧迫感と見晴らしのよさ、採光性を両立させることに成功。家具類を極力減らし、シート下を収納スペースとすることも功を奏している。
ワイドミドルルーフベースのキャンピングカーは数多くあるが、それらに比べても開放感が高くゆったりとできる空間になっている。実際、身長179cmの筆者でも視界の広さも相まって、居心地よく車内でくつろげた。中央に動線があることで車内の移動もしやすく、後方の荷物を取るときにもいたってスムーズ。これはフロントキッチンレイアウトによる効果がはっきりと現れている。
●全長×全幅×全高:4840×1880×2100mm
●乗車定員:8人
●就寝定員:3人
問い合わせ先:フジカーズ
https://focs.campnofuji.jp/
▼参考記事
キャンピングカー「フィーカ」はハイエースの広さを生かした8人乗車・3人就寝仕様だ!
モダンな内装で快適な2人旅を「リコルソac」
アネックス/リコルソac
リコルソは2008年にデビューした2人旅に特化したモデル。コンセプトは「トラベルワゴンにモダンデザインを」を掲げ、左右に振り分けたロングソファーレイアウトにより抜群の開放感を実現。また、フロントにはL字カウンターのキッチンユニットを搭載。ベース車のハイエース同様、定番モデルだけに進化熟成を繰り返して現在に至っている。
新たに加わった「ac」はポータブルエアコンを標準装備したモデル。通常モデルでは冷蔵庫があった部分にエアコンが置かれたことで、冷蔵庫の位置などが変更されている。
特筆すべきは家具類の質感の高さ。ヒンジやシーリング、照明など、細部まで高い質感が感じられる作り。ソファーの座り心地も適度な硬さがあって疲れにくいのもうれしい。ほかにも室温センサー付きFFヒーターなど装備も充実している。
前方にあるL字のキッチンキャビネットは、コンパクトながらも使い勝手が高いのも特徴。フロントシート後部にあるカウンターは運転席部分とリビング空間の仕切りとなっているだけでなく、跳ね上げ式になっているのでウォークスルーもできとても便利。雨天時などは外に出ることなくリビングへのアクセスができるようになっている。
ベッド展開は超カンタン。おまけにリクライニング機構を搭載
左右にロングソファーを配したリビングは2人旅なら広すぎるほどの広さで、大人4~5人でのんびりくつろげる広さを確保。中央にはテーブルも備わり、ゆったりと食事が楽しめる。
また、「ちょっと横になりたいな」と思えばそのままソファーで横になることも可能。さらに、ベッド展開するのであれば背もたれのマットを中央にセットするだけ。余計なシート展開などもなく、ものの1~2分でベッドメイクができるのもポイントが高い。
ほかにもソファーの最後部は左右分割でリクライニングができ、好みの角度でくつろぐことができるのもリコルソならではの特徴と言えるだろう。
広々とした空間、落ち着きのあるモダンなインテリアの魅力はもちろん、室内レイアウトをあれこれと汗を流しながらする手間がまったくないのがリコルソの人気の理由だと実車に触れながら体感した。エアコンも含め快適な2人旅がしたいという人にはお薦めできる1台だ。
問い合わせ先:アネックス
https://annex-rv.co.jp/
▼参考記事
キャンピングカーの達人が解説!クイーンサイズのベッドが付くハイエース「リコルソac」
ロングカウンターが効果的な内装!ポップアップルーフ付き「UTONE500-ER」
アネックス/UTONE500-ER
数多くの人気キャンピングカーを有する老舗のキャンピングカービルダー「アネックス」。バンライフスタイルが特徴の「RIW(リュウ)」シリーズが、素材や装備などをすべて見直し「UTONE(ウトネ)」シリーズへとフルモデルチェンジされた。
シリーズで1番ボディサイズの大きい「UTONE500」から、ポップアップルーフを搭載した「UTONE500-ER」を紹介。ちなみにUTONEとは「ウゴク・トドマル・ネル」の頭文字から「ウ・ト・ネ」と名付けられている。
UTONE500はハイエースバンS-GLロングワイドミドルボディがベース。RIWの魅力だった、クルマとアウトドアの「ソトとナカ」という垣根をなくしたいというコンセプトはしっかりと受け継がれており、土足のまま車内に上がることができるようになっている。
フロアには標準ですべりにくい縞鋼板を採用し、取材車両のようにオプションで耐久性の高いヒッコリー天然ムク材のリアルウッドをも用意。
レイアウトは運転席後方からリヤにかけてロングカウンターを配置しているのがポイント。このロングカウンター内にキッチンや電装システム、収納スペースなどを集約することで、車内全体をスッキリさせつつ居住性に余裕を持たせることに成功している。
さらにこのカウンターはフレームにアルミを採用しており、軽量かつ高強度、耐腐食性やリサイクル性も実現。カウンターの天板やテーブルには北海道産シラカバ間伐材を利用。断面の仕上がりが美しいのはもちろん、ホルムアルデヒドのないノンホルマリン接着剤を使用しシックハウス症候群対策にも抜かりない。
セカンドとサードシートにはキャンピングカー専用のバタフライタイプの900mm幅REVOシートを搭載。このシートは簡単にフラットモードにできるのはもちろん、バタフライタイプだけに座面も跳ね上げてたたむことが可能で、どちらのシートもロングスライドレール上にセットされているため、シートを跳ね上げたまま前方に移動させれば広大な荷室空間を作り出せるようになっている。
ポップアップルーフにより室内は超・開放的。シートアレンジも豊富
食事やくつろぐときはフロントシートの背もたれ背面を活かしてセカンドシートと対座できるリビングモードと、セカンドシートを反転させてサードシートと対面できるモードも用意。利用人数や荷物などに合わせて展開できるのはこのモデルならでは。
またポップアップルーフが搭載されていることにより車内での移動が楽に行えるのはもちろん、ワンボックスカーとは思えない開放感が得られるのも注目ポイント。
就寝はセカンドシートとサードシートをフラットにしてフロアベッド、付属のマットを使い荷室部分に上段ベッド、さらにポップアルーフ内でも就寝できるので、大人数での利用ができるのもこのモデルならでは。
●全長×全幅×全高:4840×1880×2105mm
●乗車人数:6人
●就寝人数:4人+子ども3人
問い合わせ先:アネックス
https://annex-rv.co.jp/
▼参考記事
アネックスのポップアップルーフ付きキャンピングカー「UTONE(ウトネ)500-ER」はハイエースで多人数就寝を実現!
温もりある内装が◎トータルコーディネートも魅力的な「ウッド・ヴィレッジ」
フレックス/ウッド・ヴィレッジ
ベース車はハイエースの中でもいちばんコンパクトな標準ボディDX5ドアを採用。ミニバンライクに運転ができ普段使いに優れているほか、6人乗車できて左右にスライドドアが備わるなど、使いやすさが魅力でキャンピングカー初心者にも乗りやすい1台。さらにシリーズでもっともリーズナブルなのもうれしいポイントとなっている。
室内はセカンドシートに海外のキャンピングカーにも多く採用されるFASPシート(形状を変えられるマルチシート)を採用し、荷室のマットを自由に組み合わせてダイネット展開が可能。右側にシンク付きロングカウンターを備え、左側にはベンチをレイアウト。ベンチは一部カセットコンロ置き場としても使える設計で、下部分は電装システムと収納庫になっている。
デザインは天井のウッド張りをはじめスライドドアやバックドアの内張りのウッド化、ウッド柄重歩行フロアなどインテリア全体がウッド調でまとめられており、温もりある空間なのが印象的。
前後に装着されるシートカバーもベージュ系のアースカラーで組み合わせられておりトータルできちんとコーディネートされている。
●乗車定員:6人
●就寝人数:3人
問い合わせ先:フレックス
http://www.flexnet.co.jp/
▼参考記事
丸目仕様にもできるキャンピングカー「ウッド・ヴィレッジ」を詳細レビュー!
エアコン付きで快適仕様!家具の作り込みも◎「リークIIIエボライト」
ナッツRV/リークIIIエボライト
国内大手のキャンピングカービルダーであるナッツRVから、ハイエースのなかでも最大サイズのスーパーロングワイドハイルーフをベースにした「リーク3」が登場。家庭用エアコンが標準装備、さらに断熱材には「エアフォリア」と呼ばれる素材を採用することで従来以上の断熱性を実現している。
また、エボライトと呼ばれる同社オリジナルの充電システムを搭載することでサブバッテリーへ短時間で充電が行えるようになっている点も見逃せない。車内で使う電気についてもストレスフリーかつ、エアコンによる快適性も抜群。家具の作り込みの高さも同社ならではとなっている。
●乗車定員:7人
●就寝定員:4人
問い合わせ先:ナッツRV
https://nutsrv.co.jp/