30年楽しめる冒険ギア!キャンプや山でガソリンストーブを使ってみませんか?
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    2024.06.08

    30年楽しめる冒険ギア!キャンプや山でガソリンストーブを使ってみませんか?

    30年楽しめる冒険ギア!キャンプや山でガソリンストーブを使ってみませんか?
    ソロキャンプの必携アイテムのひとつがシングルバーナーです。静かな炎を楽しむならアルコールストーブ。利便性を考えるなら迷わずOD缶またはCB缶を使ったガス式のシングルバーナーを選びます。でも、シングルバーナーには、もうひとつ「ガソリンストーブ(バーナー)」という存在があります。最近では冬山登山などの極所以外ではなかなか使われなくなってきて存在感が薄くなりつつあるアイテムですが、実はもの凄く魅力的なギアなんです!
    今回は、ソロキャンパーの方達にもぜひ使ってもらいたいガソリンストーブ(バーナー)について語りたいと思います。

    ガソリンストーブって何?

    ガソリンストーブは、簡単にいうと「ホワイトガソリン」という液体燃料を使うストーブです。ギアによってはジェット燃料や灯油(ケロシン)など、パーツを変えれば燃焼する液体ならほとんど何でも使えるという冒険臭がプンプンする魅力的なギアもあります。もちろん、ガソリン専用、ケロシン専用のものなど実に様々なタイプが世の中にはあります。

    大きな特徴は、OD缶やCB缶といったガス燃料の代わりに、液体燃料を入れる燃料ボトルと、バーナーヘッド、そしてボトル内に取り付けるフューエルポンプ(燃料ポンプ)の3つで構成されていることです。

    ホワイトガソリンなどの液体燃料は燃料ボトルに入れて使用します。メーカーによってボトルの口径が違う場合があり、またメーカーを合わせることが推奨されているため、ストーブのメーカーごとに専用の燃料ボトルを合わせる必要があります。

    専用ボトルは燃料を運ぶための携行缶にもなります。 予備燃料も考えて、僕はボトルを2本持っていくことが多いです。

    燃料ボトルには、専用のフューエルポンプ(燃料ポンプ)をねじ込んで使用します。 このパーツもまた機能重視感があって素敵だなって思いませんか?

    ガソリンストーブの魅力っていったいなに?

    ガソリンストーブの特徴をざっくりと説明したところで、「いったいどんな魅力があるのか?」をご紹介します。

    もともとどんな自然環境でも安定した火力を得られるためにつくられたガソリンストーブ。栓をひねって着火するだけというガス式ストーブや、着火のみでOKのアルコールストーブにはない様々な手順があります。

    つまり、大前提として、ガソリンストーブはガス式のストーブと違って、はっきりいって扱いが面倒です。でもそこにガソリンストーブならではの魅力があるわけです。

    さっそくその面倒くささ=魅力を5つの視点で紹介します。

    ①外見が無骨で所有欲をそそられる

    もうかれこれ30年近く愛用しているMSRの「ウィスパーライト インターナショナル600」

    ガソリンストーブの無骨さを持ちつつ面倒な所作を省いてくれている現代的なSOTOの「MUKAストーブ」。こちらもまた愛用品で、素敵なディテールです。

    液体燃料を入れるタンクとバーナー部分の2つのパーツからなるガソリンストーブは、その形状が非常に魅力的です。機械的でありながらレトロ感を漂わせるその出で立ちは、まさに冒険者を支える風格があると思いませんか?

    もちろんその分ガス式と比べてコンパクト性と軽量性には欠けますが、その佇まいは所有欲がしっかりと満たされます。

    ②ポンピングが必要

    ガソリンストーブは液体燃料を使用するため、液体を加圧して噴出させる必要があります。

    この加圧作業が「ポンピング」なわけですが、着火前にこの作業をして、さらに着火後も長時間使用する場合などは火力が下がらないようにポンピングの追加が必要になります。

    ガソリンストーブを使用するために必要な最初の儀式的な所作になりますが、これがちょっぴり面倒くさい時もあります。

    すぐに使いたくてもまずこの作業をしないと始まらないのが液体燃料ストーブの特徴。

    ③プレヒートが必要

    加圧した液体燃料をきれいな炎に変化させるためには、バーナーヘッドから吹き出る途中でこの液体燃料を温めて気化させる必要があります。構造的には加圧後の液体が通る道を熱くして、通過時に気化しやすくするという仕組みです。この作業をプレヒートというのですが、手を抜いたりすると火柱が上がったりするし、手間がかかる作業でもあります。

    本体上部奥の逆U時型のパイプが熱せられることで液体が気化してくれます。

    プレヒートをしているところ。慣れるとこの火柱を1/3程度に抑えられます。

    最近のガソリンストーブは、このプレヒートがなくても着火可能なアイテムもあり非常に便利になりました。…でも、この所作もまた儀式として非常に楽しい時間になります。

    ④青い炎とともにジェットな音がする

    一見静かそうな炎なのに、実は爆音を放つのがまた可愛い。

    ガソリンストーブは、安定した火力になると赤やオレンジ色混じりの炎から青い炎になります。ここにいたるまでの調整もまたひと手間で楽しいのですが、さらに他のストーブの追随を許さないくらい爆音で「シュゴーッ!」というジェットな音がします(特に僕所有のアイテムの中ではMSR/ウィスパーライト インターナショナル600がナンバーワン!)。

    静かな自然の音を楽しむにはまったく向かない音ですが、世界中どんな雨風でも、そして低温下でも安定した強い火力を得られる証拠でもあるこの音は、何にも代えがたい安心感を与えてくれます。

    ⑤使い込むと黒光りしてくる

    様々な冒険の歴史が刻み込まれたストーブは、一生ものの相棒になります。

    はじめはきれいな銀色をしたストーブですが、液体燃料のススがつき、そして次のためにメンテナンスを繰り返すことでだんだん黒光りしてきます。これは他のシングルバーナーでは味わえない使い込み感です。使い込むごとにその色味は渋い煤色になり、そして鍋から吹きこぼれた何かが焼き付いてできた黒いシミは、自分の冒険の歴史を刻み込んでくれる感じがして「こいつを長く使ってあげたい!」という愛着感が高まってきます。

    言い替えると、ガソリンストーブは煤が溜まるためこまめなメンテナンスが必要です。その作業を楽しめるか否かで好き嫌いが分かれるところです。でも、自分でできる範囲の交換パーツがメーカーから出ていたりと、手厚いフォローがあるのがまた楽しいと思いませんか?

    モチヅキ公式サイト|MSR ストーブの保守・メンテナンス商品

    新富士バーナー公式サイト|MUKAストーブ専用 メンテナンスキット

    「面倒くさい」といえばそれまでですが、この所作をじっくり楽しんでみるのもまたソロキャンプの楽しみのひとつではないかなと僕は思います。もしもチャンスがあれば、ぜひ装備に取り入れてみてください。

    私が書きました!
    アウトドアプロデューサー/ネイチャーインタープリター
    長谷部雅一
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    1977年4月5日生まれ。株式会社ビーコン代表取締役。家族がいるのにもかかわらず、ソロキャンプ、ソロ登山、ソロ旅などなど、お一人様遊びをこよなく愛する風来坊。仕事の範囲は広く、アウトドアに関するプロジェクトの企画・コーディネート・運営の他、研修講師、ネイチャーインタープリター、場作りの仕掛け人も務める。著書『ネイチャーエデュケーション』(ミクニ出版)、『ブッシュクラフト読本 自然を愉しむ基本スキルとノウハウ』(メイツ出版)など多数。その他雑誌連載、テレビやラジオなど、アウトドア、幼児教育を主として多数のメディアにて活躍中。

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