今回は、ソロキャンパーの方達にもぜひ使ってもらいたいガソリンストーブ(バーナー)について語りたいと思います。
ガソリンストーブって何?
ガソリンストーブは、簡単にいうと「ホワイトガソリン」という液体燃料を使うストーブです。ギアによってはジェット燃料や灯油(ケロシン)など、パーツを変えれば燃焼する液体ならほとんど何でも使えるという冒険臭がプンプンする魅力的なギアもあります。もちろん、ガソリン専用、ケロシン専用のものなど実に様々なタイプが世の中にはあります。
大きな特徴は、OD缶やCB缶といったガス燃料の代わりに、液体燃料を入れる燃料ボトルと、バーナーヘッド、そしてボトル内に取り付けるフューエルポンプ(燃料ポンプ)の3つで構成されていることです。
ホワイトガソリンなどの液体燃料は燃料ボトルに入れて使用します。メーカーによってボトルの口径が違う場合があり、またメーカーを合わせることが推奨されているため、ストーブのメーカーごとに専用の燃料ボトルを合わせる必要があります。
ガソリンストーブの魅力っていったいなに?
ガソリンストーブの特徴をざっくりと説明したところで、「いったいどんな魅力があるのか?」をご紹介します。
もともとどんな自然環境でも安定した火力を得られるためにつくられたガソリンストーブ。栓をひねって着火するだけというガス式ストーブや、着火のみでOKのアルコールストーブにはない様々な手順があります。
つまり、大前提として、ガソリンストーブはガス式のストーブと違って、はっきりいって扱いが面倒です。でもそこにガソリンストーブならではの魅力があるわけです。
さっそくその面倒くささ=魅力を5つの視点で紹介します。
①外見が無骨で所有欲をそそられる
液体燃料を入れるタンクとバーナー部分の2つのパーツからなるガソリンストーブは、その形状が非常に魅力的です。機械的でありながらレトロ感を漂わせるその出で立ちは、まさに冒険者を支える風格があると思いませんか?
もちろんその分ガス式と比べてコンパクト性と軽量性には欠けますが、その佇まいは所有欲がしっかりと満たされます。
②ポンピングが必要
ガソリンストーブは液体燃料を使用するため、液体を加圧して噴出させる必要があります。
この加圧作業が「ポンピング」なわけですが、着火前にこの作業をして、さらに着火後も長時間使用する場合などは火力が下がらないようにポンピングの追加が必要になります。
ガソリンストーブを使用するために必要な最初の儀式的な所作になりますが、これがちょっぴり面倒くさい時もあります。
③プレヒートが必要
加圧した液体燃料をきれいな炎に変化させるためには、バーナーヘッドから吹き出る途中でこの液体燃料を温めて気化させる必要があります。構造的には加圧後の液体が通る道を熱くして、通過時に気化しやすくするという仕組みです。この作業をプレヒートというのですが、手を抜いたりすると火柱が上がったりするし、手間がかかる作業でもあります。
最近のガソリンストーブは、このプレヒートがなくても着火可能なアイテムもあり非常に便利になりました。…でも、この所作もまた儀式として非常に楽しい時間になります。
④青い炎とともにジェットな音がする
ガソリンストーブは、安定した火力になると赤やオレンジ色混じりの炎から青い炎になります。ここにいたるまでの調整もまたひと手間で楽しいのですが、さらに他のストーブの追随を許さないくらい爆音で「シュゴーッ!」というジェットな音がします(特に僕所有のアイテムの中ではMSR/ウィスパーライト インターナショナル600がナンバーワン!)。
静かな自然の音を楽しむにはまったく向かない音ですが、世界中どんな雨風でも、そして低温下でも安定した強い火力を得られる証拠でもあるこの音は、何にも代えがたい安心感を与えてくれます。
⑤使い込むと黒光りしてくる
はじめはきれいな銀色をしたストーブですが、液体燃料のススがつき、そして次のためにメンテナンスを繰り返すことでだんだん黒光りしてきます。これは他のシングルバーナーでは味わえない使い込み感です。使い込むごとにその色味は渋い煤色になり、そして鍋から吹きこぼれた何かが焼き付いてできた黒いシミは、自分の冒険の歴史を刻み込んでくれる感じがして「こいつを長く使ってあげたい!」という愛着感が高まってきます。
言い替えると、ガソリンストーブは煤が溜まるためこまめなメンテナンスが必要です。その作業を楽しめるか否かで好き嫌いが分かれるところです。でも、自分でできる範囲の交換パーツがメーカーから出ていたりと、手厚いフォローがあるのがまた楽しいと思いませんか?
モチヅキ公式サイト|MSR ストーブの保守・メンテナンス商品
新富士バーナー公式サイト|MUKAストーブ専用 メンテナンスキット
「面倒くさい」といえばそれまでですが、この所作をじっくり楽しんでみるのもまたソロキャンプの楽しみのひとつではないかなと僕は思います。もしもチャンスがあれば、ぜひ装備に取り入れてみてください。