世界最大の大陸といえば、ヨーロッパとアジアを合わせたユーラシア大陸。
ユーラシアの極東にある日本から大陸へ渡り、中国から中央アジア、中東、ヨーロッパ…と西へ西へと進んで行くと、最後に突き当たる国がポルトガルです。そのポルトガルの中でも最西端の地が今回ご紹介するロカ岬。
では、早速、見ていきましょう!
ロカ岬ってどこ?
リスボンまでくれば、もう少し
日本に暮らしていると、ユーラシア大陸の西端、ロカ岬(Cabo da Roca)は、はるかかなたに感じるかもしれません。
確かに旅先としては遠いのですが、ポルトガルの首都リスボンまでやってくれば、あともう少し。
リスボンのダウンタウンから車で約1時間ほど、公共交通機関なら2時間程度で辿り着くことができます。また、世界遺産都市シントラのダウンタウンからも車で30分、バスで40分程度です。観光バスもやってくる人気観光スポットなので、ガイドツアーなども少なくありません。
ちなみに、バックパッカーのバイブルとも言われる沢木耕太郎氏の「深夜特急」読者なら、主人公が長い旅を終える決意をした「地の果て」はサグレスじゃなかったかな?と思われたかもしれません。けれどもサグレスは「最南西端」で、最西端はこちら、ロカ岬でございます。
今も使われている灯台
ロカ岬の近くまで来るとまず目に入るのが、海抜165メートルの岡の上に立つ灯台。
この灯台は、リスボン大震災からの復興で活躍した名宰相ポンバル侯爵の「1758年2月1日の勅許」によって建設が命じられた6つの灯台のひとつです。
1772年に完成したポルトガルで2番目に古い灯台で、いくつもの改造を経ながらも250年以上たった今でも使われているんだとか。
丘を上って、近くまで行くことができます。
断崖絶壁で感じる「地の果て」感
「最西端到達証明書」も発行してくれる観光案内所を背に、海へ向かうと、白い十字架を乗せた石碑が見えてきます。
この石碑には、ポルトガルが誇る大詩人ルイス・デ・カモンイスの抒情詩『ルシアダス』第3巻にある「ここに地終わり、海始まる(Onde a terra se acaba e o mar começa)」のフレーズが刻まれています。
この詩は、さらに「フェボ(太陽神ポイボス)が大西洋に憩う場所(E onde Febo repousa no Oceano)」と続きますが、断崖絶壁の先には、ただ、大西洋が広がっています。
その断崖絶壁の海沿いを歩いて展望台まで行くことができます。
観光客が少ない朝や夕方は特に「地の果て」感が強く、きっと遠くまで来たなあ、と感じるはずです。
西の端に沈む夕陽を眺め、太陽神や大航海時代に思いを馳せるなんて、なかなか贅沢な時間です。
ちなみに警告の看板にはスティッカーなどがベタベタ貼られていて分かりにくいですが、展望台の先は危ないため、侵入禁止です。近年では観光客が柵を乗り越え、滑落事故が増えているそうなので、気をつけて!
なお、日中は暑くても、夕方は気温が下がり、また大抵いつも風が強いので、ウィンドブレーカーなど防寒着があると重宝しますよ。
ハイキング? それともちょっとひと休み?
さて、アウトドア好きのみなさんなら、きっと気になると思いますが、この岬のある海岸線は歩くこともできます!
ロカ岬を起点にウルサ海岸、アドラサ海岸、グランデ海岸などを通ってアゼーニャス・ド・マールまで続く約10kmのトレイルは人気があります。ビーチには、レストランやカフェもあるので、気に入ったところまで行ってみるのもいいですね。
また、ハイクよりもゆっくりロカ岬を楽しみたいならば、岬にあるカフェ&ショップ「Cabo da Roca Bar & Artesanato」に立ち寄ってもいいかもしれません。
こちらで美しい景色を楽しみながら飲む生ビールはなかなか乙なもの。
ちなみにトイレは購入すると渡されるレシートのQRコードを使って入ることができます。また、観光案内所のトイレは有料でコインが必要です。観光案内所は18時半、カフェは19時までの営業なので、夏場夕焼けを見に行く方はご留意くださいね。