四国のお遍路のスタートは、徳島県鳴門市大麻町にある1番礼所「霊山寺」。最寄の坂東駅から徒歩約10分で着く。駅から降りると、お遍路さんを歓迎する看板がところどころにあり、これからお遍路を始める気持ちを高めてくれる。通常、「順打ち」と言われる1番から順番にまわる場合はこの寺からお遍路を始める人が多い。うるう年の場合、88番礼所から始めて1番を目指す「逆打ち」をするとご利益が3倍あると言われる。
霊山寺の山門。近隣には、白衣や金剛杖などのお遍路グッズを販売する店が立ち並ぶ。仕事を辞めてお遍路を始めたので、あまりお金をかけずにまわろうとしたが、グッズを購入するだけで1万以上の出費。最低限の白衣、納経帳、菅笠を購入し、なんとかお遍路をスタート……(汗)
霊山寺の太子堂。弘法大師が眠ると言われ、88か所すべての寺にある。本堂の写真を撮っていると、お守りを販売している老婦に「お寺の写真は、お墓の写真を撮るようなもの」と教えてもらう。
境内にある水子地蔵。88か所をまわるなかで水子地蔵は何度も目にする。こうして無事に生きている奇跡を思い知る。
山門を入って左にある縁結び観音。男女の縁だけでなく、仕事、健康、幸福などさまざまな縁を結んでくれる。この先のへんろ道で、すばらしい出会いがあるようにと願った。
じつは1番礼所よりも先に訪れたいところが、霊山寺から北へ1.5kmほど離れた「大麻比古神社」だ。この神社は交通安全の神さまをまつっており、道中の安全を祈願するお遍路さんが多い。これはお遍路するなかで知り得た情報で、出会う人の話が旅のヒントになる。