カブトムシをおびき寄せる3つのトラップ
カブトムシトラップは、バナナトラップとペットボトルトラップ、光トラップの3種類を覚えておけば十分です。それぞれの特徴や、どのようにカブトムシをおびき寄せるのかを解説します。
定番の「バナナトラップ」
カブトムシトラップと聞いて多くの人が思い浮かべるのが、バナナを使ったトラップでしょう。
カブトムシは、甘い香りを好む昆虫です。バナナはどこでも安価で手に入り、糖分も十分にあるので、他のフルーツよりもトラップの材料として好まれています。
バナナトラップを作るときは、バナナとお酒を組み合わせて蜜を作り、カブトムシがよく集まる木に仕掛けます。カブトムシが大好きな樹液は、木の幹からにじみ出た糖分が発酵した物質です。
発酵するとアルコールが発生するため、カブトムシはお酒の匂いにも釣られてくるのです。バナナトラップは、カブトムシの習性を利用した、定番かつ効果の高いトラップといえます。
一度入ったら出られない「ペットボトルトラップ」
2Lのペットボトルを使ったペットボトルトラップは、バナナトラップの応用版です。ペットボトルの上部を切って逆さにはめることで、一度入ったら出られない強力なトラップを作れます。
ペットボトルの内部にバナナトラップを仕掛け、カブトムシが寄ってくるのを待ちます。ペットボトルトラップは、一部では『ノムラホイホイ』と呼ばれ、昆虫学者が昆虫を採集するときにも使われる理にかなったトラップです。
中に仕掛けるエサを変えることで、カブトムシ以外の昆虫採集にも応用できるのが、ペットボトルトラップの利点です。バナナトラップにひと手間加えて、より効果のあるトラップを作りたい人は、挑戦してみましょう。
虫の習性を利用した「光トラップ」
光のあるところに集まる虫の習性を利用したのが、光トラップです。白い布に光を当て、カブトムシが寄ってくるのを待つだけの、シンプルかつ古典的な方法です。
光があればよいので、道具を持っていなくても、外灯や自動販売機の下などを探して回る方法もあります。注意点は、カブトムシ以外の虫も寄ってきやすい点です。
光に反応するのはカブトムシだけではないので、蛾やカミキリムシなど、子どもが怖がる虫が寄ってくる可能性もあります。
バナナトラップの作り方
トラップの定番、バナナトラップの作り方を見ていきましょう。バナナトラップの材料には決まったものがなく、好みやこれまでの経験からいろいろな材料を試す人もいます。ここではオーソドックスな作り方と、アレンジのアイデアをいくつか紹介します。
準備するもの
バナナトラップで準備するものは、以下の通りです。
- バナナ
- 焼酎またはジュース
- イースト
- 砂糖
- ストッキングやタオル(なくてもよい)
バナナトラップのポイントは、バナナを発酵させることです。他の材料は、主にバナナの発酵を促進させるためのものなので、『絶対にこれ』と決まってはいません。
例えば、焼酎は日本酒・ワインでも代用でき、コーラ・カルピスなどのジュースを使う人もいます。ストッキングやタオルはトラップの入れ物として使いますが、木に直接塗る方法もあるので、必須ではありません。
トラップの作り方
バナナトラップを作る手順は、以下の通りです。
- 密閉できる袋に材料を入れ、常温で放置して1~2日発酵させる
- 袋が膨らみすぎたらガスを抜く
- 発酵が終わったら容器に移し替える
バナナは皮付きのままで問題ありませんが、つぶしやすいようざく切りしておきましょう。
発酵させるため密閉できる袋を用意しますが、発酵が進むとガスによって袋がパンパンになるため、様子を見ながら空気を抜きます。発酵が終わったら、ビンなどの容器に入れて完成です。
ペットボトルトラップの作り方
よりトラップを仕掛けている感覚を味わいたい人は、ペットボトルトラップを作ってみましょう。ペットボトルトラップの材料と、作り方を解説します。
準備するもの
ペットボトルトラップを作るときは、以下のものを準備しましょう。
- バナナ
- 焼酎またはジュース
- イースト
- 砂糖
- 2Lのペットボトル
- ひも
ペットボトルトラップは、中にバナナトラップを入れるため、バナナトラップと同じ材料に加えてペットボトルを用意します。木に巻き付けるためのひもも、用意しておきましょう。
作業のしやすさから容量は2Lがおすすめですが、500mLでも問題ありません。
トラップの作り方
ペットボトルトラップの作り方は、以下の通りです。
- ペットボトルの上から1/3を切る
- 飲み口の部分も切る
- 底にバナナトラップを入れ、上部をひっくり返してはめる
- 本体の2カ所に、ひもを通すための穴を開ける
ペットボトルの上部1/3をはめたときに入り口が深くなるようなら、ちょうどよい深さになるようカットしましょう。本体にいくつか穴を開け、蜜の匂いが漂いやすくすると、効果が高まります。
光トラップの作り方
次に、光トラップの作り方を解説します。作り方はシンプルですが、用意する光源には注意が必要です。
準備するもの
光トラップを作る際に準備するものは、以下の通りです。
- 水銀灯または白熱蛍光灯、紫外線LEDなどの紫外線を発する光源
- 白いシーツ
- シーツを固定する棒
- 発電機(必要に応じて)
光源については、紫外線を発するものでないと効果がない点に注意が必要です。厳密にいうと、カブトムシは光そのもの(可視光線)ではなく、紫外線に反応して寄ってくるためです。
昨今はLEDが普及していますが、一般的なLEDには紫外線が含まれません。そのため光トラップを作るなら、水銀灯や白熱蛍光灯、紫外線を発するLEDなどを用意しましょう。
トラップの作り方
光トラップの作り方は簡単です。物干しざおなどの棒にシーツを張り、そこに光を当てるだけです。より効果を高めるには、天候の条件を気にするとよいでしょう。
具体的には、風が強い日や月明かりが強い日は、あまり効果を発揮しません。つまり、光トラップが光源として目立ちやすく、シーツに寄ってきたカブトムシが飛ばされない環境で仕掛けると、より効果がアップします。
トラップの仕掛け方と回収方法
トラップが完成したら、いよいよ仕掛けていきましょう。各トラップを仕掛ける場所と時間帯のコツ、回収方法を解説します。
仕掛ける場所
バナナトラップを仕掛ける際は、ストッキングや排水口ネットなどに蜜を入れ、クヌギやコナラの木にくくり付けましょう。入れ物を使わない場合は、木に直接塗ってもOKです。ペットボトルトラップも同様に、目当ての木にくくり付けるだけです。
光トラップは、周囲が開けた場所に仕掛けるとよいでしょう。森の中では光が遮られたり、せっかく寄ってきても周りの木に留まったりする可能性があるためです。
仕掛ける時間帯と回収方法
トラップを仕掛ける時間帯は、夜間に取る場合は昼過ぎ、明け方に取る場合は寝る前に仕掛けるのがおすすめです。カブトムシは夜行性なので、夕方から明け方にかけて活発に活動します。
仕掛けてから4~5時間後に様子を見て、カブトムシが無事に取れたら撤収しましょう。バナナトラップを使う場合、あまり長時間にわたり仕掛けると、スズメバチが寄ってくる可能性があるので注意が必要です。
まとめ
カブトムシを効果的に捕まえるためには、バナナトラップとペットボトルトラップ、光トラップの3種類がおすすめです。
バナナトラップはバナナとアルコールの香りでカブトムシを引き寄せ、ペットボトルトラップは一度入ったら出られない構造で確実に捕獲します。光トラップは、紫外線を発する光源でカブトムシを誘います。
マナーには配慮をしながら、これらのトラップを駆使して夏の思い出を作りましょう。