ライチョウ、バッタ、危険生物に…カレー!?アウトドア好きが読まずにはいられない新刊本4選
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  • 2024.06.24

    ライチョウ、バッタ、危険生物に…カレー!?アウトドア好きが読まずにはいられない新刊本4選

    ライチョウ、バッタ、危険生物に…カレー!?アウトドア好きが読まずにはいられない新刊本4選
    BE-PAL.NETでは気軽に読めて、ネイチャーライフとつながる新刊本を毎月ご紹介。今回は生き物に関する本を中心に4冊取り上げよう。

    BOOK 01

    半世紀ぶりに飛来した神の鳥は復活を遂げるのか

    『ライチョウ、翔んだ。』

    近藤幸夫著 
    集英社インターナショナル 
    ¥2,200

    『ライチョウ、翔んだ。』

    本州中部、標高2,200m以上の高山帯に生息するライチョウ。およそ2万年前の氷河期に大陸から現在の日本に渡ってきたという。頸城山塊、北アルプス、乗鞍岳、御嶽山、南アルプスに分布し、日本アルプスを代表する野鳥だが、近年は生息数が激減。絶滅危惧ⅠB類(環境省第4次レッドリスト)「近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの」に指定されている。
     
    2015年にはライチョウの雛をくわえたニホンザルの写真が撮影され、サルによるライチョウの捕食が初めて確認された。あまりに劇的な写真で専門家のみならず、一般の登山愛好家にも衝撃が走ったほど。なぜサルは稜線にまで上がっているのか……。本書の著者もこの一枚の写真がきっかけでライチョウとその研究者たちを追うことになる。
     
    一方で2018年、木曽駒ヶ岳でライチョウのメス1羽が確認される。中央アルプスではじつに半世紀振り。この「飛来メス」から中央アルプスでのライチョウ復活の事業が動きだす。それは前例のない挑戦だった。
     
    ライチョウファーストの厳しいプロジェクトリーダーや奮闘する若手研究者、取材にのめり込んでいく記者。ライチョウの保護増殖事業を軸に、プロジェクトを取り巻く人びとを描いた群像劇でもある。

    BOOK 02

    バッタに人生を賭けたサクセスストーリー?

    『バッタを倒すぜアフリカで』

    前野ウルド浩太郎著 
    光文社新書 
    ¥1,650

    『バッタを倒すぜアフリカで』

    しばしばアフリカで大発生し、農作物を食い荒らすサバクトビバッタ。著者はバッタの防除技術の開発に従事する研究者だ。多くの時間を外国で過ごしバッタ研究に身を捧げる著者の真骨頂は、過酷なフィールドワークにある。オスだらけの集団にメスが飛来して起こる不思議な繁殖行動。雌雄は別居している? ある仮説に向き合うのだった。
     
    本書は無収入の身の上で研究に手を染め(?)、論文発表、そして秋篠宮両陛下とバッタ談義をするに至るまでの軌跡。本編はサバクトビバッタの交尾・産卵の研究だが話は大いに痛快に脱線しながら進んでいくサービス精神多めの学術書だ。

    BOOK 03

    安全に楽しく過ごす野遊びの心得

    『危険生物 ファーストエイドハンドブック 陸編[増補改訂版]』

    NPO法人 武蔵野自然塾著 
    文一総合出版 
    ¥1,980

    『危険生物 ファーストエイドハンドブック 陸編[増補改訂版]』

    緑濃い絶好のアウトドアシーズンが到来。人間だけでなく動植物たちの活動も活発になり始めた今日このごろ。本書は刺されたり、かぶれたり、中毒など人間にとって危険を伴う陸の生物を取り上げる。特徴と予防策、対処法は要点を絞り端的にまとめられている。ウルシ、ハチやダニ、ヘビ、サルやクマまで。知ってさえいれば防げること、また必要以上に恐れることもなくなる。準備しておくべきファーストエイドキットの内容も見えてくる。新書サイズで持ち運びにも便利。

    BOOK 04

    キャンプで作ろう本格スパイスカレー

    『初心者でも失敗しないテクニックがいっぱい
    世界一ていねいなスパイスカレーの本』

    水野仁輔著 
    グラフィック社 
    ¥1,870

    『初心者でも失敗しないテクニックがいっぱい 世界一ていねいなスパイスカレーの本』

    カレーの出張料理人として20年以上活躍してきた著者が放つカレーレシピ本。最近は本格的なスパイスカレーを自宅でも楽しむ人が増えているが、聞き慣れないスパイスを数種類使う時点で尻込みしていた人も多いはず。だが、どんなカレーも基本はたった3ステップで作れると著者は解説する。スパイスの役割や何をしている工程なのかもていねいに説明。「基本のチキンカレー」の作り方は、10ページに及ぶ。そういうことだったのか! とスパイスカレーへの理解が深まる。

    ※構成/須藤ナオミ

    (BE-PAL 2024年7月号より)

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