アパラチアントレイル最終章 ビバルマントラックの旅 vol.014
14日目ににしてようやくスーパーマーケットのある町、コリーにたどり着きました。この町は、ビバルマントラックから分岐したサブルートを3kmほど歩かないといけない唯一の町です。
もちろんここでも町の入り口にあるインフォメーションセンターに行き、お勧めの宿を紹介してもらいました。ニュージーランドにも似たアイサイトがあるのですが、このインフォメーションセンターは本当に旅行者にとってはありがたい存在です。
そして、僕はハイカーフレンドリーな宿に泊まることにしました。ゼロデイを含め2泊です。
朝食・飲み物・洗濯無料で、ツインルーム。ちょっと予算より高かったのですが食事代や飲み物代を考えると十分な価格だと思いました。
そしてコリーには、オーストラリアにある有名なスーパーが2つありました。コールスとウールワースです。そして2つあるスーパーマーケットは、ドゥエリンガップの食材店では考えられないほど安いので、ついつい買いすぎてしまいました。
ビバルマントラックへ出発前に、SOTOのガソリンとガスの両方が使えるハイブリットストーブ「ストームブレイカー SOD-372」を使わせていただきたいとメーカーに連絡をしていました。
しかし、今回のビバルマントラックの出発には間に合わず……。そんなこともあり、今回は使い慣れたMUKAを前半を使用し、後半の中間地点ドネリーリバーヴィレッジに、メーカーからストームブレーカーを現地に送っていただき、使う手はずになっていました。
しかし、なんと代用と使用したアミカスは、スタートから13日間×3食を1つのOD缶を使用してまだ余っていたのです。(ナビゲーター クックシステム SOD-500との併用で保温調理をしていたからかもしれませんが)
Facebookで、町に着いたことを見てくださったSOTOの坂之上さんから連絡があり、オーストラリア情報が入りました。ジュリー缶(携行缶)でならガソリンは購入できるかもしれないとのこと。
この時点で、日本の消防法のようなものがあり、制限がされているのでは?という予測でした。
しかし便利な世の中になったものです。電波があれば電話のように時間を気にせずネット電話が出来るのですから。
コリーの町は、ビバルマン・トラックの沿線の街では、3本の指に入るほどの大きな町です。出発地点のパース・ゴール地点のアルバーニ。つまりここコリーで手に入らないということは、トレイルを歩いているときに手に入らないことになります。(一般の人から見たら決して大きな町ではありませんけど・・)
ドネリーリバービレッジで、ストームブレーカーを送ってもらい試すのなら、ガソリンも併用して試したかった。ただ、スタンドで直接入れてもらうのは不可能に近い。
ならば、1Lくらいのジュリー缶があればガソリンを購入できるのではないか?と考え、町中を歩き回りました。
アウトドアショップ・複数のガソリンスタンド・数件のホームセンター・雑貨店、そして車のパーツ店までも歩き回ったのですが、残念ながらジュリー缶は5L以下のサイズはありませんでした。
あとは、セルフでないガソリンスタンドへ行くしかありません。相当田舎の町なら可能かもしれません。
そして2日目のゼロデイ。MASAと呼ぶ声が食事部屋の入り口から聞こえてきました。トレイルを出発して4日目に会った50代の女性ハイカーでした。彼女は、足を痛め途中の道からヒッチハイクして今日このホテルに着いたそうでした。
彼女は、ここでトレイルを終え、また来年の秋に(オーストラリアの秋は3月から)戻ってくると言っていました。
トレイルでは、今ワイルドフラワーが咲き始めている。秋にはどんな表情を見せてくれるのだろうか?
つづく
【Profile】斉藤正史
山形県在住
LONG TRAIL HIKER
NPO法人山形ロングトレイル理事
トレイルカルチャー普及のため国内外のトレイルを歩き、山形にトレイルを作る活動を行う。
ブログ http://longtrailhikermasa.blog.fc2.com/
山形ロングトレイル https://www.facebook.com/yamagatalongtrail