『大ピンチずかん』鈴木のりたけさん新刊出来!子どもとキャンプに行きたい初心者の親におすすめの理由
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  • 2024.06.19

    『大ピンチずかん』鈴木のりたけさん新刊出来!子どもとキャンプに行きたい初心者の親におすすめの理由

    『大ピンチずかん』鈴木のりたけさん新刊出来!子どもとキャンプに行きたい初心者の親におすすめの理由
    子連れキャンプに憧れながらも、なかなか最初の一歩を踏み出せない……という人は多いのではないだろうか? 『大ピンチずかん』がベストセラーとなっている鈴木のりたけさんの新刊『テントーむし』(鈴木のりたけ/著、寒川 一/アウトドア監修 白泉社)は、そんなキャンプ初心者の背中を力強く押してくれる絵本だ。

    著者の鈴木のりたけさんは、三児の父でキャンプ経験はこれがはじめて。アウトドア監修をつとめる寒川一さんは、40年以上国内外でアウトドアライフに親しみ、焚き火名人でもあるキャンプの達人。キャンプ未経験のファミリーが、子連れキャンプデビューを果たすヒントを、ふたりに伺った。

     

    テントやタープのはり方を、イラストで丁寧に解説。絵本『テントーむし』より。

    まずは「およばれキャンプ」から

    アウトドア達人の寒川さんは、「最初からハードルを上げすぎずに、気楽に楽しんで」という。

    「日本のキャンプ場は、初心者に対してすごく親切です。必要なものはすべてレンタルできるし、テント泊だけでなく、バンガローなどの宿泊施設も充実したキャンプ場がたくさんあります。アウトドアで、いつもとちがう時間を少し過ごしてみようというくらいの気持ちでスタートすればいいのです」

    キャンプ用品についても、最初から全部揃える必要はない。

    「僕がおすすめするキャンプデビューは、およばれキャンプ」(寒川さん)
    まずは「子連れでキャンプに行ってみたいんだよね」と、まわりの人に言ってみる。
    「日本のキャンプ人口ってすごく多いから、声をかけると、必ずキャンプ好きが見つかります。たいていのキャンパーは、自分の道具を見せたいし、キャンプ仲間を増やしたい。なので、みんな喜んで連れていってくれるし、いろいろ親切に教えてくれるはずです」(寒川さん)

    まずは経験者と行く「およばれキャンプ」からはじめてみよう。

    それでも心配な人は、デイキャンプから始めるのがおすすめ。アウトドアでごはんを食べて、自然に触れて帰ってこよう、くらいのつもりで出かけてみる。最初は自分たちの家族だけではなく、2家族とか複数の家族で行くのがいい。

    「それぞれが役割分担すれば、気持ち的にも作業的にも余裕が持てるし、子どもたちは子どもたちで、いつも家族と過ごしている時間とはちがう非日常を味わえる。キャンプの醍醐味は、自然の中で日常から離れた時間をのんびり過ごすこと。気負う必要は全然ありません」(寒川さん)

    アウトドアで、いつもとちがうごはんを食べる。それだけでも十分楽しい。絵本『テントーむし』より。

    「親の理想のキャンプ」を押しつけない

    自身もキャンプ経験がなかった鈴木のりたけさんは、本作『テントーむし』では、「キャンプ」という場に放り込まれた子どもの、素直なリアクションを描きたかったという。

    「僕も子育て世代なので、キャンプに行くことで、子どもに何かを感じ取って成長してほしい、という思いがなかったわけではありません。でも、子どもって、そもそも親の期待や想像をすこーんと裏切ってくる存在じゃないですか。そこの面白さを、絵本の主軸に据えました」

    『テントーむし』では、テントのはり方とか火おこしとか、実用的な情報をきちんと紹介する一方で、子どもたちの言動はすべて、取材したキャンプで子どもたちが実際に見せてくれた様子をベースに描いている。

    「そういう意味では、脚色のないリアルな、キャンプ絵本になっていると思います」(鈴木さん)

    子どもたちの表情やリアルな会話も、『テントーむし』の見どころ。

    また、子連れキャンプでは、親が夢やロマンを抱きすぎないことも大事だ。

    「親が頭でっかちになって、自然の中で子どもたちに豊かな体験を積ませよう!とか意気込むと、そのシナリオを、子どもがただ消費するだけになっちゃう。期待した通りのリアクションがないと、せっかく連れてきてあげたのに、とか苛立ったりして。そんなキャンプは、窮屈すぎますよね(笑)」(鈴木さん)

    子ども専用テントで、影絵で遊びはじめる子どもたち

    キャンプでは、大人自身が「親」という属性から少し離れて、ひとりの人間になってキャンプをリラックスして楽しんだほうがいい。

    「その様子が子どもに伝わるといいのかもしれません。子どもたちは、大人があれこれスケジュールを組まなくても、自分たちで勝手に遊びはじめますしね」(鈴木さん)

    火おこしにしてもすぐに正解を教えずに、子どもが試行錯誤するのを楽しめる余裕を持つとか、アウトドアスキルを学ぶことに捉われず、ただぼんやりと過ごすのもOK。

    「キャンプの持つ懐の深さを楽しめたらいいんじゃないかと思います」(鈴木さん)

    撮影/黒澤義教

    著者:鈴木のりたけ

    1975年静岡県生まれ。グラフィックデザイナーを経て絵本作家となる。絵本に「しごとば」シリーズ(ブロンズ新社)、『ぼくのトイレ』『す〜べりだい』(PHP研究所)他多数。『大ピンチずかん』(小学館)で、第15回MOE絵本屋さん大賞2022第1位、第6回未来屋えほん大賞他、絵本賞8冠に輝く。

    アウトドア監修:寒川 一

    1963年香川県生まれ。アウトドアライフアドバイザー。40年以上アウトドアライフに親しんだ経験をもとに、様々なメディアで活動。子どもを対象としたアウトドア教室も開催。著書に『アウトドアテクニック図鑑』(池田書店)、監修をつとめた本に『新時代の防災術』(Gakken)他多数。

    子連れキャンプに行く前に、読んでおきたい2冊

    『テントーむし』(鈴木のりたけ 寒川 一/アウトドア監修 白泉社 定価1650円)

    https://www.hakusensha.co.jp/booklist/70943/

    テント張り、まきわり、火おこし、焚き火に料理。はじめてのキャンプは、わくわくがいっぱい!
    家族と行く海辺のキャンプ、友だち10人で行く森のキャンプ。
    それぞれのキャンプを通じて、自然の中で思い思いに時間を過ごす子どもたちが、生き生きと描かれます。はじめての火おこしに手こずったり、巨大なあぶり肉に挑戦したり、焚き火の前で夜中までおしゃべりしたり。いつもとはちがう、特別なキャンプの時間がたっぷり味わえる絵本です。

    『これからのキャンプの教科書』(寒川 一/監修 池田書店 定価1650円)

    https://www.ikedashoten.co.jp/book-details.php?isbn=978-4-262-16275-1

    変化した自然環境、アウトドアシーンに対応するこれから”のキャンプのあり方。
    これから”キャンプを始める人へ、アウトドアの基礎知識と、自然の中で快適に過ごすアイディアを紹介。急激な天候変化や、暑さ/寒さのしのぎ方、アウトドア技術の防災への活かし方、電源を利用したキャンプスタイル、野生生物への対策と、防犯の知識など、変化した自然環境、アウトドアシーンに対応し、進化した道具を使いこなすこれから”のキャンプのあり方を提案します。

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