軽のキャンピングカーで、世界半周ドライブ。サハリン島最北の町までやって来ました。今日は、道が途切れるまで走ります。
もうこれ以上は無理ってところまで。道の端っこは、どんな感じに切れているのでしょう?
道路の真ん中に壊れた車
サハリン島の最北の町、オハ。発電所の町です。昨夜は、町外れの廃工場のなかでキャンピングしました。というか、ただ駐車して寝ただけなので、それってアウトドアなの?って訊かれると辛いところです。
せめて朝食でも作りたいけれど、イマイチ食欲のわかない廃工場。
前後左右、錆びついた鉄くずだらけ。MSRのストーブで煮炊きをするような雰囲気でもないので、ナニも食べずに森へ向かいます。固く締まった土の道を走り出しました。
左右に広がるだだっぴろい森。
相変わらず交通量がゼロなのは、この先には集落がなく、かといって海まで続いているわけでもないからです。道路の存在理由が、意味不明です。森林限界に近づいているらしく、木々がだんだんと低くなります。クマが飛び出してきても対処できるよう、ゆっくりのんびり走っていたんです。
道路の真ん中に、行く手を阻む壊れた車。
完全に割られたフロンドガラスと落っこちているサイドミラー。ドアから垂れ下がったトレーナーに漂う、ただならぬ感。
誰もいません……。
っていうか、誰かいたらかえって怖いんですが、こんなところでテロですかね?すべての窓が割られて運転席の天井が剥がされてますから、本気度が高いというか、怨恨の線?車内に死体が転がってなかったのが、幸いです。
どうするー?
この警告とも受け取れる結界を前にして、進退窮まる家族会議。腰が軽いわりには引き返す勇気はないので、恐る恐る前進します。待ち伏せとかは勘弁してくださいよー、と森にお願いしながら。
驚くほど驚けない、道路の北の果て
ハンドルがいらないくらいの一直線道が、延々と続きます。対向車は2台。こんなところを走っているなんて、さっきの壊れた車の犯人じゃないですよね?
実に怪しい車です。だんだんと道幅が狭くなり、右へ左へと曲がった先に
立ちはだかるゲート。
錆びついたバーが、通せんぼしてます。これ以上、前進できません。なんなのここ?って感じの微妙な空気ですが、ゴールでした。道路の北の果ては、採石場。驚くほど驚けない普通の景色。微塵も予想していませんでしたが、意外性ゼロ。
絶景感ゼロ。秘境感もゼロ。
ここにたどり着くまでの探検感と、将来も観光客が訪れる可能性はないということを考慮すると、立派な穴場。マイ秘境です。
期待を裏切る普通感もポイントです。