原付キャンプの魅力
原付キャンプには、車や電車移動でのキャンプにはない魅力があります。原付キャンプに興味がある人に向けて、原付移動ならではの魅力を紹介します。
取り回しがよく気ままに移動できる
取り回しがよい点は、原付の乗り物としての大きな魅力です。もともと『ちょい乗り』用として開発された原付は、思い立ったらすぐに移動できる気軽さがあります。
積載力は車に劣りますが、その分荷物を絞って持っていけるため、身軽に移動できるのもポイントです。さらに、移動中は体で風を切る『旅をしている感覚』を味わえます。
途中で気になる店に立ち寄ったり、写真を撮るために小休憩を挟んだりするときも、路肩に停めるだけでいつでもすぐに発進しやすいのは、原付ならではの魅力です。
積載量が多くコストパフォーマンスがよい
原付は、車より積載量は少ないものの、それでもキャンプに必要な荷物は十分に積めます。バイク用のバッグをうまく活用すれば、積載量を効果的に増やせます。
さらに、車や大型バイクに比べて燃費がよく、コストパフォーマンスに優れているのも原付の魅力です。渋滞に巻き込まれても車をよけながら進めるため、移動時間の短縮にもつながります。
キャンプサイトによっては、バイク用の料金を設定していることもあり、車より安く利用できるケースもあります。
原付の区分ごとの積載ルール
原付の積載ルールを知っておかないと、交通規則を違反してしまう可能性があります。原付には一種と二種がありますが、基本的な積載ルールは同じです。ただし、積載量の制限や違反時の罰則に違いがあるため、以下でしっかりとルールを把握しましょう。
出典:道路交通法施行令 | e-Gov法令検索
出典:交通違反の点数一覧表|警視庁
出典:反則行為の種別及び反則金一覧表|警視庁
原付一種(50cc)の積載ルール
白ナンバーの原付一種は、道路交通法上『原動機付自転車』に該当します。道路交通法施行令に定められている、原付一種の積載ルールは以下の通りです。
- 積載物の重量:30kg以内
- 長さ:積載装置の長さから30cm以内
- 幅:積載装置の幅から30cm以内
- 高さ:地上から200cm以内
ただし、長さは前後どちらかから30cmを超えてはならず、幅は左右から15cmを超えてはいけません。積載重量を違反すると、点数1〜2点、反則金1万5,000〜2万5,000円が課せられます。
積載物の大きさの幅を違反すると点数1点、反則金は5,000円です。なお、上記の罰則はいずれも酒気帯びでない場合です。
原付二種(51~125cc)の積載ルール
黄色またはピンクナンバーの原付二種は、道路交通法上で『普通自動二輪車』に分類されます。積載物の大きさについては原付一種とルールは同じですが、原付二種の積載物の重量制限は原付一種と異なります。
- 積載物の重量:60kg以内
- 長さ:積載装置の長さから30cm以内
- 幅:積載装置の幅から30cm以内
- 高さ:地上から200cm以内
ただし、60kgまで積めるからといって、あれもこれもと積みすぎないよう注意しましょう。積載物が重くなるとバランスを取りづらくなり、転倒しやすくなる恐れがあります。
また、違反時の罰則は、原付一種よりも重めです。重量制限の違反は点数1〜3点、反則金2万〜3万円となります。大きさの幅の違反は点数1点、反則金6,000円です(いずれも酒気帯びでない場合)。
原付キャンプでそろえたい積載アイテム
原付でキャンプに行くなら、リュックやシート下の収納だけでは不十分です。しかし、積載アイテムを使えば、原付の積載力を大幅にアップできます。原付キャンプでそろえたい積載アイテムを、3種類紹介します。
シートバッグ
シートバッグとは、原付の荷台に取り付けるバッグのことです。原付におけるメインの収納として使え、イメージでいうとリュック代わりになります。
シートバッグを取り付ければ、リュックを背負って移動するときの肩こりや、風の影響による疲労感を軽減できます。初心者で何を選べばよいか分からない場合は、大きめのバッグを購入するのがおすすめです。
また、バッグが原付の荷台の形状や幅に合っているかは、必ずチェックしましょう。シートバッグの形状が荷台と合っていないと、しっかりと固定できない可能性があります。また、シートバッグの幅が原付の幅より大きいと、重心のバランスが取りにくくなります。
リアボックス
リアボックスとは、原付の荷台に取り付けるプラスチック製のケースです。役割はシートバッグと似ており、大きな積載力を誇ります。
リアボックスはそれに加え、防水性に優れているため、ぬらしたくないアイテムを収納するのに向いています。鍵が付いているので、防犯性が高いのもポイントです。
また、原付の大きさによっては、シートバッグとの併用も可能です。前後に配置したり、リアボックスの上にシートバッグを載せてロープで固定したりなど、いくつかの方法が挙げられます。その際は積載ルールを守り、安全運転に支障を来たさないよう配慮しましょう。
サイドバッグ
サイドバッグとは、バイクの横にぶら下がるような格好をしたバッグです。シートバッグやリアボックスと比べると収納力は小さめですが、細かいアイテムや、シートバッグ・リアボックスに入りきらないアイテムを収納したいときに活躍します。
シートバッグ・リアボックスのスペースに干渉しないため、併用しやすいのもメリットです。また、サイドバッグのもう一つの魅力は、原付のイメージチェンジができる点です。
レザー製のサイドバッグも販売されており、ワイルド系・ミリタリー系の雰囲気を出したいときに活躍します。
原付キャンプの持ち物と積載のコツ
原付キャンプに、何を持っていけばよいか迷う人も多いでしょう。原付キャンプに必須のアイテムと、あると便利なアイテムの2種類に分け、持ち物を解説します。パッキングのコツも紹介するので、荷物選びの参考にしましょう。
原付キャンプに必須のギア
荷物が限られている原付キャンプでも、最低限以下のギアは持っていきましょう。
- テント
- シュラフ
- マット
- ランタン
- 着替え
- レインウエア
積載スペースを確保するには、各ギアの選び方も重要です。例えば、シュラフは化繊よりも羽毛の方が小さく収まりやすくなっています。
マットはかさばりがちなギアの一つですが、空気を入れるタイプを選べば、片手で持てるくらいコンパクトに収められます。
原付キャンプではキャンプ中はもちろん、移動中に雨に見舞われる可能性もあるため、レインウエアは忘れずに持っていきましょう。
原付キャンプにあると便利なギア
スペースが許せば、以下のギアも持っていくとキャンプがより快適になります。
- チェア・テーブル
- 調理器具
- バーナー・たき火台
- タープ
チェア・テーブルがあると、食事やコーヒーブレイクの快適さがアップします。いずれも、ソロ用のコンパクトなモデルが多く販売されているため、持っていきやすいでしょう。
調理器具も、スタッキング可能でコンパクトに収まるモデルが多ので、自前で用意しやすくなっています。バーナー・たき火台は、キャンプの雰囲気をアップさせてくれるギアです。
タープがあるとリビングを作れますが、ソロキャンプではテントで十分と思う人もいるかもしれません。
原付にパッキングするときのコツ
原付のパッキングの原則は、重いものを下に、軽いものを上に積むことです。重いものを下に積むと重心が低くなるので、安定した走行を実現できます。
もう一つのコツは、ギアの形状によって入れる順番を決めることです。例えば、平らなギアや長いギアを下に積んで土台を作り、その上に重いギアを入れると、たわみが軽減され安定性が向上します。
実用性を重視するなら、すぐに使うギアを上に入れたり、サイドバッグに収納したりするとよいでしょう。
原付キャンプに向いているサイトの選び方
原付キャンプをするときは、サイト選びにもコツがあります。快適なキャンプを実現するための、サイト選びのポイントを解説します。
テントサイトまでの道が整備されている
バイクの乗り入れが可能であることは前提として、テントサイトまでの道が整備されているかまでチェックしましょう。キャンプサイトは山にあることが多いため、入り口からサイトまでの道があまり整備されていない可能性があります。
バイクの乗り入れが可能であっても、テントサイトまでの道が不整地だと、原付を押して移動するのも一苦労です。道がどれくらい整備されているかは、キャンプサイトの口コミが参考になります。
必需品を現地調達しやすいか
管理棟で必需品をレンタル・購入できるか、あるいは近くにスーパー・コンビニがあるかも要チェックです。荷物が限られている場合、必需品を現地調達する必要があります。
特に夏場は食料が腐りやすいため、現地調達したいと考える人が多いでしょう。また、たき火用の薪・炭まで持っていくと負担が大きいため、現地で販売されていると便利です。
ほかにも、テント・シュラフをレンタルできれば、原付に積載する荷物は一気に少なくなります。必要最低限の荷物でキャンプをしたい人は、レンタル品の有無をしっかりチェックしましょう。
バイク料金があると節約になる
節約をするなら、バイク料金・ソロ料金が設定されているキャンプ場がおすすめです。キャンプ場では、車やファミリー向けの料金が一般的ですが、場所によってはバイクやソロキャンパーにも同じ料金が適用されることがあります。
一人で狭いスペースしか使わないのに、車やファミリーと同じ料金を取られるのは、割に合わないと感じる人も多いでしょう。バイク料金や一人用の料金が設定されている場所なら、原付キャンプをしやすい環境が整っていると判断できます。
まとめ
取り回しがよく、コストパフォーマンスに優れた原付キャンプは、ソロキャンプや少人数でのキャンプを予定している人におすすめです。シートバッグやリアボックス、サイドバッグを使えば、原付でも大きなキャパシティを確保できます。
ただし、積載重量や大きさにはルールがあるため、違反しないように注意が必要です。この夏は原付でキャンプに出かけ、体で風を切る爽快感を味わいませんか。