冷感アイテムをフル活用しながら、1日3組限定の「天空サイト」があるキャンプ場で親子キャンプを楽しんだ模様をお届けしよう。
グリーンバレー神室キャンプサイトの1日3組限定「天空サイト」に行ってみた
行ってみたのは…(左から)山川夏美さん、ことはちゃん、泰明さん
山形在住のアウトドア大好き親子。3歳となる、ことはちゃんは1歳でキャンプ&尾瀬ハイクデビュー済み。泰明さんはギア好きで、妻に内緒でコソコソ集めている。
「ママ、どっか遊び行きたい」
休みの日、起きた瞬間に発せられる娘からのソト遊び行きたい要請。普段なら、午前中から公園に行って遊べるのだけれど、酷暑が続くこの季節は、軽い気持ちで遊びに出かけられない。だからといって家にいると、動画三昧になるし、体を動かせずモヤモヤが溜まる一方……。
親子で夢中になれるプランとして「高原キャンプ大作戦」を考案。下界はうだるような暑さでも、標高が上がればクールダウンしながら遊べ、高地ならではのアクティビティーができる。
私たちが向かったのは、山形市から車で約1時間半の場所にある「グリーンバレー神室キャンプサイト」。スキー場の一部をキャンプ場として開放している。山麓にはフリーサイトがあり、予約不要で利用可能だが、ここの最大のウリは「天空サイト」と名付けられる3つのプライベートサイトだ。いずれも小高い山の上にあり、1日1組ずつしか泊まれない。
「昨年リニューアルし、お湯の出る炊事場を新設したり、『天空サイト』をオープン。リピーターも多く、4割が県外のお客様です。キャンプ場のオープンが町おこしに繋がっています」
とは管理人のひとり菅圭一さん。指定管理業者である㈱有屋建設は町営だったキャンプ場を民営にして整備。結果、売上率200%増を達成した。
私たちが泊まるのは、もちろん、「天空サイト」。山麓から車でゲレンデを登っていき、辿り着いたAサイトは完全プライベートで山々が望める絶景空間だ。
「ここに泊まれるの~⁉」
サイトを見渡した娘も大興奮。それもそのはず。普通のキャンプ場であれば10組は泊まれるであろう広々としたサイトに私たち家族だけが泊まるのだ。
早速、娘は走り回り、あちこち散策し始めた。ほかの2つの天空サイトは車で行くほど離れた場所にあるため、どれだけ娘が叫ぼうが跳ねようが迷惑がかからない。聞こえるのは私たちの話し声とキツツキが木をつつく音だけ。なんて贅沢なキャンプサイトなのか!
しばしキャンプやチェアリングを楽しんだ後は、お待ちかねの高原アクティビティーへ! 車で下山し、まずは夏ソリから。滑り台が大好きな娘に「もう1回」を何度もせがまれ、母がヘトヘトになるまで滑り倒す。
その後に挑戦したスラックラインでは、私の脚はもう動かない……。最後はすぐ近くに源流があるという大清水川で脚を冷やしつつ水遊びで締め。娘も大満足したようで、再び天空サイトに戻る車中は昼寝タイムになっていた(母も眠たい……)。
高原キャンプといえど熱中症は怖い。子供の体温は大人より高く、汗もかきやすい。そこで今回は、暑さ対策のアイテムをそろえて万全の態勢を整えた。
充電式の扇風機や冷却マット、長い時間、冷たさを保持できる真空コンテナも新しく導入。娘が絶対「食べたい!」となるアイスは、水筒に棒状の氷と一緒に入れて長時間持ち運べるように工夫。遊びの合間にうまくクールダウンしながら、1日を過ごすことができた。
15時を過ぎると少しずつ風が冷たくなり始め、気温もグッと下がる。夜は少し肌寒いぐらいだ。心地よすぎて、いつもなら寝るまでに時間がかかる娘が、自ら寝袋に入って数分で眠ってしまっていた。
それから、数日後――。
「今日はキャンプに行く日よ!」
キャンプに行って以来、娘のごっこ遊びのレパートリーに「キャンプ」が加わった。楽しい記憶が残っているということなのだろう。今回の高原キャンプ作戦は大成功! この夏、またみんなで行こうね。
標高 600m
市街地との温度差 –2度C
3つの天空サイトと広々フリーサイトがあり!
完全プライベートの超絶景の天空サイトA
完全プライベートサイト。B、Cサイトと離れているため、自分たちだけの空間になる。3サイトともに炊事場がなく。利用時は下山する。仮設トイレがある。
夕日がきれいな天空サイトB
3つの中でいちばん標高が高い。眩しいほどの夕日をバックに写真を撮るなら、このサイトがおすすめ。ほかの2つより少し狭いが、それでも十分。
平らなスペースが広い天空サイトC
Bサイトの下に位置する。Bサイトと隣り合ってはいるが、かなり広い場所なので気兼ねなく過ごせる。見事な山脈を見たいなら、Cサイトがいい。
麓には予約不要のフリーサイトが
山麓のサイトは予約不要のフリーサイト。車の乗り入れも可。ペットOKのサイトも隣接する。炊事場は2か所あり、お湯も出る。トイレは温水洗浄便座。
山形県・グリーンバレー神室キャンプサイト
住所:山形県最上郡金山町大字有屋1400
電話:0233(52)2240
営業:通年
予約:随時
テントサイト:120
その他の宿泊施設:0棟
モデル料金:2,200円(天空サイト利用の場合は+2,000円)
※モデル料金は、大人2名+子供2名+車1台で1泊利用した場合のレギュラーシーズンの金額です。
キャンプでひんやり大作戦を敢行!
1.涼感アイテムで暑さ対策を万全に!
ひと手間でクーラーボックスを長持ちさせる
太陽光を避けて日陰に置く。また地熱で暖かくなる可能性もあるので、スツールやスタンドの上に置くとさらに保冷力を維持できる。
保冷剤にもこだわり、氷が溶けにくいと評判の製品を使用した。
使用前に庫内を冷やしておくと保冷力アップ。
棒状氷と水筒でアイスも冷え冷えに!
水筒に棒状の氷とアイスを一緒に入れると長時間の持ち運びが可能に。棒状の氷は密封袋に水を入れ、割り箸で区切って作れる。
飲み物専用の真空コンテナで冷やす
野外でキンキンに冷えた飲み物を飲むなら、ワークマンの『ラウンド真空ハイブリッドコンテナ』がおすすめ。夕方まで冷たい!
寝苦しい夜に備えて冷却マットを!
子供用に冷却マットを持参。使う前にクーラーボックスに入れておけば、さらにひんやり。96㎝の娘には半身用でちょうどいい。
ポータブル扇風機を上手に活用!
置き型と吊り下げの両方に使える充電式の扇風機を持参。風がない時間帯は、これに助けられた。満充電で8時間、強風モードを使える。
夏の山形名物"つったい"そばも完成
夕飯には、山形名物の冷たい肉そばを。鶏出汁でコシの強い田舎そばがうまい。鶏のチャーシューがのっているのが特徴!
大作戦2 親子で高原アクティビティーに挑戦!
ゲレンデの一部を利用して夏ソリができる。ソリは管理棟で無料で借りられる。そこまで急坂ではないので、小さい子供でも安心。
スラックラインが2か所設置してあり、自由に遊べる。ソト遊びが得意な娘は体幹もしっかりしていて、母よりうまく歩けた。悔しい!!
想像以上に冷たい川の水に母はすぐさま断念したが、娘はずっと大きな声ではしゃいだ。足首程度までの水深なので、ちびっ子も◎。
親子避暑キャンを楽しむコツ
1子供がはしゃいでもOKな場所へ
2暑さ対策は念入りに!
3体の中から冷えるメニューを考える
地元グルメが味わえるスポットへ
朝採れ野菜が買える産直
ちょうほう屋
朝採れ野菜のほか、金山町産の落花生を使ってその場でピーナツバターが作れる。美味!カフェも併設する。
住所:山形県最上郡金山町金山363-2(マルコの蔵内 東蔵1階)
電話:0233(52)3111
営業時間:9:30〜17:30
定休日:元旦のみ
地元民に愛される山形牛と惣菜の店
肉の山形や
金山町名産の「米の娘ぶた」の惣菜は絶品! 山形牛も種類豊富にあるので、BBQ用の肉は、ここで買いそろえよう。
住所:山形県最上郡金山町山崎345-26
電話:0233(52)7029
営業時間:8:00〜18:00
定休日:月曜
※構成/中山夏美 撮影/高橋郁子
グリーンバレー神室キャンプサイトでは、9月に音楽フェスを開催予定。詳しくはInstagramでチェックを。
(BE-PAL 2024年8月号より)