ウルムの大聖堂に行ってきましたよ~【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
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    2024.08.06

    ウルムの大聖堂に行ってきましたよ~【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

    ウルムの大聖堂に行ってきましたよ~【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
    さてここで問題です(のっけからいきなり。笑)。みなさん、教会建築として、世界一高い大聖堂はどこにあるかわかりますか? イタリア・ミラノ?違います。ドイツのケルン?それも違います。

    正解は同じドイツでもウルム(Ulm)という街。シュトゥットガルトの南東、列車で最短50分くらいの街です。高さは約161.5メートルとのこと。そして141メートルのところにある展望台があり、そのちょっと上まで登れるのです!

    どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。今回もドイツ南部・シュトゥットガルト近郊からお届けします。

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    【ドイツ・シュトゥットガルトとその周辺旅vol.4】世界一高い大聖堂をなぜか単独登頂してみた

    近くから見上げるこんな感じです。

    ちなみにイタリア・ミラノの大聖堂は約108メートルで、ケルンは約157メートル。この街を案内してくれたガイドさんによると「ケルンから来た人たちはケルンの大聖堂こそ世界一だと思いこんでいるんです」とのこと。「で、ケルンは4.5メートル低いんですって伝えるとみなさん悔しがるんですよ。フフフ」

    フフフって…なにを楽しみにしてるだ、ガイドさん。笑

    そしてこの大聖堂の前の大広場、もともとは駐車場に利用したりしていたとのことで、ガイドさんが写真まで見せてくれました。だけど排気ガスなどで外壁が黒くなったのでオープンスペースにしたんだとか。

    この前に無数に車が停まっていたら興ざめ。観光という観点からも広場のほうがよっぽどいいですね。

    横から見るとこんな感じ。写真の左側が正面です。

    内部も本当にきれいです。

    神々しさすら感じます。…あっ、教会だから「すら」は変ですかね。

    ここでガイドさんからクイズが出ました。「以前は椅子はなく立見席だったんですけど、何人収容かわかりますか?」。答えは結構ビックリです。人口8000人の街なのになんと25000人は入れるように作ったのだとか。

    その理由は「周辺への富の誇示のため」だそうです。ちなみに大聖堂を高くしたのも同じ理由。ウルムの街はかつてドナウ川を使った交易で栄えたそうですが…裕福であることを見せびらかしたら逆にまわりの都市国家から攻められたりしないかしらん?

    ステンドガラスも素晴らしいです。ちなみにステンドグラスを施す理由は、識字率が10パーセントほどだったため聖書の物語を絵で見せるようにしたのだそうです。これは知らなかった。

    ずっとここにいたいと思うくらいきれいです。

    光の当たり具合でさらにきれいになるんでしょうね。本当に一日ここにいたいです。

    おとぎの世界のようなウルムの街探索

    個人的にはこの大聖堂をしばらく堪能してもよかったのですが、ガイドさんは我々海外メディアの一行をウルムの街散策に連れていくと言います。

    えっ、まず塔に登らないの? と思ったのですが、まあメインイベントは最後に取っておくんだろうなと納得しました。そもそも私、給食ではいちばん好きなものを最後に残すタイプでしたし。

    市庁舎(City Hall)の外壁の絵も大聖堂内のステンドグラス同様、聖書の物語を絵で見せていました。理由はもうおわかりですね。

    ウクライナとイスラエルの旗が掲げられていた。

    そして発見したのがこんなかわいい家。

    でもなにか変じゃない?

    反対側から見てみましょう。

    微妙に…というかかなり明らかに床が曲がっています。

    横から見たらさらにわかりやすいです。

    じつはこれ、狙って作ったんじゃなくて地盤が安定していない川の中に支柱を立てたらこうなってしまったらしいです。手抜き工事が名物になる珍しい例。

    じつはここ、アルベルト・アインシュタインが生まれた街でもあります。

    石畳ってだけで絵になりますね。

    斜めにかけられた橋。

    単に建物が密集しているからこうかけるしかなかったんだと思いますが、なんだか絵になるから不思議。

    ガイドさんの口からまさかの発言!

    他にもかわいい建物がいっぱいでホント、グリム童話の世界を歩いているような気分になりました。

    というわけで小さな街を一通りの案内してもらったのですが、このあとガイドさんの口から衝撃の発言が! 「じゃあみなさん、ランチにしてください」。おおっ、昼食のあとにいよいよ、本日のメインイベントであるウルム大聖堂の塔への登頂なんですね! 「いや、ウルム観光はこれでおしまいですよ。昼食の後は次の場所に移動です」

    ちょっ、ちょっと待て。それっておかしいでしょ? それじゃあ、ただの観光客じゃね? 塔が目の前にあって登れるのに、見るだけで撤収するっていうのは。

    数ある座右の銘の一つが「据え膳食わぬは男の恥」…ではなくて「なぜ山に登るのか。そこに山があるからだ」である私は「登ってくる!」と高らかに宣言しました。

    いや、団体行動に従わなかったのではありません。このままレストランに行ってランチをオーダーしてもどうせ出てくるまでに30分やそこらかかると読んだからです。ただの待ち時間を有効活用することにしたのです。我ながらグッドアイディア!

    ところが…まさかの賛同者ゼロ! 

    というわけで「ランチはビーフステーキを注文しておいてね~」と同行者にお願いして、単身堂々とウルム大聖堂に戻りました。

    先ほど書いたように展望台は高さ141メートル。階段は768段あってビルの40階の高さに相当するとのこと。

    入場料7ユーロ(20246月現在)。正面ドアの右側にある売店でも、左側にある自販機でも買えますが、入場は左側からのみです

    なんかトイレに続くようなそっけないドア。ここから入ります。

    階段はすごく味がありますね。

    さて所要時間を確認したところガイドさんは「60分くらいですかね」。売店のおねえさまは「登りが30分で下りは20分。合計で50分ですね」。

    予定では昼食休憩は1時間半取ることになっていたのですが、大聖堂からレストランまで徒歩で7分かかることを考えると、あまりのんびりもしていられません(料理も冷めちゃうし)。

    てなわけでそれなりに必死で登りました。

    とはいえ途中で窓があるので写真を撮りながらですが。

    そしていよいよ、地上141メートルの展望台に到着!

    約13分の道のりで、言われたほどはかからなかったです。もちろん脚力と、それ以上に混み具合によりますが。

    今回は登っている最中他の人に遭遇しなかったからスイスイ行けましたが、追い越そうとしたら相手に立ち止まってもらわないと難しいくらいの細さです。そんなことはどうでもよいですね。はい、お見せしますよ~。

    展望台からの眺めです!

    展望台は一周できるので全方位見渡せます!

    あとでこういう写真を同行者たちに見せたら、行かなかったことを悔しがっていました。

    …けど絶景を楽しめることくらい想像できるだろ、行く前から! まわりに高い建物がない塔なんだから。

    じつはこの大聖堂、1377年に作り始めて、完成したのが1890年とのこと。500年の夢の上に立っていると思うと感慨深いです。とはいえケルンやミラノの大聖堂も完成まで500年ほどかかっているそうです。…サクラダファミリア、まだまだだな。

    展望台から一ヵ所だけ、さらに上がることができる階段があります。

    141メートルまで上がれるとか143メートルまでだとか記述がいろいろあるのは、展望台までかこの上までなのかの違いなのかもしれません。

    その上から見た風景です。

    さてここで12分過ごして降りることにしました。帰りの所要時間は8分でした。

    ヴィブリンゲン修道院も必見です!

    さてさて。ランチのあとに訪れたのはウルムの大聖堂から5キロほどのところにあるベネディクト会の「Wiblingen Abbey(ヴィブリンゲン修道院)」の図書館と教会です。

    あまり「BE-PAL」っぽいとは言えないのでサクッと触れるだけにしますけど、ここがまた見事。ウルムに行った際はぜひ訪れてください。

    こちらが図書館。天井や柱の装飾が見事です。

    そしてこちらが教会。

    この旅の計画をつくってくれた人が「大聖堂の塔への登頂」よりも優先したのもわかる気がしました。

    勝手にスケジュールをてんこ盛りにして疲れたけど…ホント、充実したウルム観光でした。

    【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

    ドイツ観光局

    http://www.germany.travel/

    私が書きました!
    オーストラリア在住ライター
    (海外書き人クラブ)
    柳沢有紀夫
    1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係。

     

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