【ロングトレイル旅】ビバルマントラックを歩く「ルートはここで終わりじゃないの?」
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    2018.04.03

    【ロングトレイル旅】ビバルマントラックを歩く「ルートはここで終わりじゃないの?」

    アパラチアントレイル最終章 ビバルマントラックの旅 vol.023

    ウォールポールからデンマークまでは、カヌーエリアを抜けると、1日約20kmのゆったりとしたペースに戻る予定でした。本来なら海岸線のきれいな景色やインド洋の深いブルーの海が見られるはずだたのですが…相変わらず雨や暴風雨が続いています。

    とにかく寒く、一緒に歩いていたおじさんも「夏なのにこんなに寒いなんて信じられないファッ〇」と暴言を吐きまくり。
    今年は異常だと毎日嘆いていました。

    Coastal Banjineかな?多分。

    彼は、カナダからの移民なのですが、ルーツはフランス。いわゆるフレンチカナディアンでした。だからなのか、彼の話す英語はとても聞きやすかったのです。
    彼は、僕よりも1か月前から歩いていて、1日約20km以上は基本的に歩かないと話していました。僕が朝6時に出発していましたが、彼は寝袋でゆっくり過ごし、8時に出発するスタイル。僕が先にシェルターに着き、彼が夕方にやってくるのが、毎日のパターンになっていました。

    そして、2番目の難関、潮の満ち引きで状況が変わる沿岸線に到着です。入り口は、キャンプサイトになっていて、たくさんの子供たちがいました。

    彼らの中の一人が、海に向かって歩く僕に、「どこに行くの?」と聞いてきたので、ビバルマントラックのことを話すと、親御さん達も寄ってきて驚かれました。
    手を振って子供たちと別れると、キャンプサイトの受付の方から管理人らしき人が出てきて、今度は写真を撮らせてほしいと。写真を撮って先に進もうとすると、この先にある潮の満ち引きに影響される場所の情報を教えてくれました。

    そこは川が流れ込む場所(INLET)で、今のシーズンなら満潮でも腰くらいまでの深さしかないそうです。今の時間でもパンツが濡れるくらいの深さはあるけど通れるという話でした。彼女は、僕より少し背が高かったので最悪、腰より上までは濡れるかもしれないと覚悟を決めました。

    僕はお礼を言って、先へ進みます。しばらくビーチを歩くと、その流れ込みは現れたのでした。周りに人はいなかったので、ハーフパンツと
    タイツを脱ぎ、少し考えてからパンツも脱ぎました。下半身は裸でバックパックを背負い、そのINLTEへ。幅は3mくらいでしょうか。
    流れもさほど強くありません。一番深いと思われる流れ込みの真ん中まで歩くと、最大の水深で膝上までの深さしかありませんでした。この水深なのにパンツまで脱いだ自分が少し恥ずかしくなり、辺りを見渡すと、キャンプ場の方から1台の車が近づいてきます。これはマズイと思い速攻でパンツを履いたのでした。

    しばらく歩くと、予報通り雨が降り出してきました。海岸線の雨は横殴りの雨で、気がめいってきます。ようやくシェルターにたどり着いたのに、ウォールポールの手前からのシェルターは焚火禁止エリアになります。寒さで暖が取れない切なさもありました。あまりの寒さに、ウォールポールで買った2ドルの古着のトレーナーと、スーパーマーケットで10ドルのニットキャップを被ったのですが、それでもこの日のシェルターは寒かったです。

    翌日、シェルターの中で服を干していたにも関わらず、湿気で濡れているという悲しい状況でしたが、それでもお昼くらいにデンマークに着着けると考え、湿った服を着て出発しました。

    僕の今回の寝床です

     

    この頃になると、野生のグレイカンガルーが現れても、カメラを出すこともありません。よく見ると別にかわいいわけでもないな、と…。慣れとは恐ろしいものですね。

    カンガルーが3匹いても萌えません

    海岸線のスリッピーな山を越え、道は民家の庭先を通るルートに変わっていきます。おそらくイギリスでいうフットパスとはこんな感じの道なのかな? と思いながら歩くと、子供たちの声が聞こえてきます。古い素敵な建物は旧郵便局らしく、今は幼稚園になっているようでした。
    その中にアジア系の先生がいて、僕を見て「日本人かしら」と言った気がしたのですが、目が合わなかったので空耳かもしれないと思い、立ち止まらずに50mほど先に進むとビバルマントラックの地図などを記した看板を複数発見しました。

    正規ルートは、ここからボートで半島まで行かなくてはなりません。迂回路としてノルナルップ・ヘリテージトレイルを通り、ハイウエイに出てしばらく歩く道があるようなのですが、ノルナルップ・ヘリテージ・トレイルには、マークは付いてなく一部ルートも分かりにくい。しかもやたらと蛇が多いらしいので誰も歩かないそうです。
    結局のところ、この先のビバルマントラックを歩くには、次のトレイルヘッド(トレイルの入り口)までの長い距離を何らかの方法で行かなくてはなりません。

    繋がって歩けるのはここ終わりだ、つまり、僕の中でこの先はエクストラルートなんだという感覚があったのでした。
    僕の中でビバルマントラックが終わった気になった瞬間でもありました・・・・。この先どうするのだろう・・・・。

    最後の森

    久々の虹です。

    つづく

     プロフィール

     

     

     

    【Profile】斉藤正史 

    山形県在住
    LONG TRAIL HIKER
    NPO法人山形ロングトレイル理事
    トレイルカルチャー普及のため国内外のトレイルを歩き、山形にトレイルを作る活動を行う。

    ブログ http://longtrailhikermasa.blog.fc2.com/
    山形ロングトレイル https://www.facebook.com/yamagatalongtrail

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