離島・望安(ワンアン)島と七美(チーメイ)島へ【台湾の隠れ家リゾート・澎湖諸島めぐりvol.2】
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    2024.08.18

    離島・望安(ワンアン)島と七美(チーメイ)島へ【台湾の隠れ家リゾート・澎湖諸島めぐりvol.2】

    離島・望安(ワンアン)島と七美(チーメイ)島へ【台湾の隠れ家リゾート・澎湖諸島めぐりvol.2】
    前回に続き、台湾の「澎湖諸島(ほうこしょとう)」の魅力をお届けします。澎湖諸島は約90の島々からなり、人が住んでいる島はそのうちの19島。前回ご紹介した「澎湖本島」以外にも、魅力的な島がたくさんあります。

    2回目となる今回は、澎湖からのさらなる離島観光の目的地として人気の高い「望安(ワンアン)島」と「七美(チーメイ)島」を中心にご紹介します。

    台湾でマリンアクティビティをするなら「澎湖諸島」へ!【台湾の隠れ家リゾート・澎湖諸島めぐりvol.1】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

    澎湖諸島から船でさらなる旅へ

    澎湖本島から離島へは、多くの船が出ています。

    本島中心部の「南海遊客中心」や本島北部の「北海遊客中心」などの乗り場があり、どの島に行くかによって乗り場が異なります。今回訪れる「望安島」と「七美島」は「南海遊客中心」からの出発です。

    最も多くの船が出る「南海遊客中心」は離島観光の拠点。たくさんの船会社のカウンターが。

    2つの島の位置関係についてご紹介しましょう。澎湖本島から船で30分ほど南下したところに「望安島」、さらにその南に30分ほど行くと「七美島」があります。

    さまざまな会社の船が停泊しています。

    若干の揺れはあったものの、友達と談笑していたらあっという間に1時間が経っていました。ただ、天気と風によっては結構揺れることもあるので、船酔いしやすい方は酔い止めを飲んでおくとよいかも。

    七美島:澎湖諸島のシンボル「ダブルハート」は漁民の知恵の結晶

    澎湖本島から船で1時間。澎湖諸島の最南端に位置する七美島では、澎湖のシンボルともいわれる「ダブルハート」が見られます。観光客が七美に来る理由の9割が、この「ダブルハート」を見るためと言ってもいいでしょう。その形状から、台湾では新婚旅行先としても人気なんだとか。船で1時間移動した後なので感動もひとしお。

    ダブルハート。中国語名は「雙心石滬(シュアンシン シーフー)」。

    この正体は「石滬(シーフー)」という漁場。海が満ちていると魚は石滬に出入りできますが、潮が引くにつれて水かさが減って中に閉じ込められるため、閉じ込められた魚を捕らえることができるという仕組みです。石滬の存在は1711年の書籍には既に記載されていたというので、もう300年以上の歴史があります。

    石滬ごとに所有権があり、それぞれの石滬で獲れた魚は所有者で平等に分け合う仕組み。まさに漁民たちの知恵の結晶と団結力の賜物といえるでしょう。

    現在、澎湖諸島には592個の石滬の存在が確認されているそうです。この「ダブルハート」は1937年に完成したもの。

    ダブルハートを見に行く際の注意点をお伝えしておきましょう。それは、「潮位表をよくチェックしておくこと」!

    ダブルハートは、満潮時はほぼ全てが海の中に沈んでしまいます。逆に干潮時はほとんど水がなくなってしまうため、ただのハート型の石が干潟に取り残されているように見えてしまうのです…せっかく行くならベストな状態を見たいですよね。おすすめは干潮の24時間前後です。くれぐれもお忘れなく!

    望安島:いかにゅうめんにサボテンジェラート、澎湖の特産に舌鼓

    こちらは望安島。離島の中で一二を争う観光地とあって、船を降りてすぐのところに、レンタルバイク屋、食堂、コンビニエンスストア(日本人におなじみのファミリーマート)など、なーんでも揃っています。

    その中で気になったのが「仙人掌租車行 冷飲店」。「租車行」はレンタルバイク、「冷飲店」は冷たいドリンクの意味。わりとカオスな外観をしていたので、「これは…レンタルバイク屋?」「いや…食堂もやってるんじゃない??結構賑わってるし…」と訝しがりながら、恐る恐る近づいてみました。

    レンタルバイク?食堂?どっちが本業なのかわからない。

    お客さんの多くが注文しているのが「小管麺線(シャオグアン ミエンシエン)」こと、「いかにゅうめん」。それなら我らも、と思い注文したところ、10分後に運ばれてきたのは…

    これぞ海の魅力!望安島の「いかにゅうめん」。

    大きなどんぶりに、20㎝はあろうかといういかがまるごと1匹。早速豪快にかぶりついてみると…いかの塩味と旨味がほどよくスープに溶け出していて、まさに絶品!

    船酔い気味で不機嫌だった息子に勧めたら「僕はいらない!」と言っていたのですが、「まぁ食べてみぃ」と半強制的に一口食べさせたところ…

    漫画の主人公のように目をかっと見開き「え、なにこれ!?めっちゃうまい!!え、ほんとなにこれ!?」と、想定外の美味しさに混乱した模様。怒涛のスピードで食べ始め、「え、ちょっと、それママの…」と口をはさむ間もなく、見事完食されてしまいました。薦めなきゃよかったかな…でも満足してくれたならまあいいか。追加でもう1個同じものを頼みました。

    また、澎湖諸島の至るところにはサボテンが自生しています。

    地面から生えているごっつい植物は、だいたいサボテン。

    実は澎湖諸島、9月から3月までの間は風が強く、平均すると秒速5m以上の強風が吹いている土地。木々はしっかりと根付く前に風でなぎ倒されてしまうため、背の高い木がほとんどありません。か弱い作物もなかなか育ちません。そんな中、強風をものともせずにしっかりと根を張ったサボテンが至る所で繁殖。結果的に澎湖諸島の名物となりました。

    そして名物はアイスになった。

    このアイス、原材料はサボテンの実です。写真中央にある、紫蘇のような強烈な赤紫を放っているのがサボテンの実。とってもインパクトの強い色ですが着色料は一切使われておらず、天然の色合いなのだそう。口に含むと、サボテンの荒々しさはなく、意外にもさっぱりした爽やかな酸味。さきほど「いかにゅうめん」を完食した息子は望安島のグルメに目覚めてしまったらしく、サボテンアイスを目にして、我先にと注文に行きました。完全に魅了されてるやないかい。

    澎湖本島:火山溶岩に隣接する絶品ジェラート店

    アイスつながりでもう1軒ご紹介しておきましょう。澎湖本島にある「大菓葉義式手工氷淇淋(ダーグオイエ イーシー ショウゴンビンチーリン)」は、澎湖在住20年になる兄弟、沈嘉業さん・沈瑋隆さんが営むジェラートショップ。「ジェラートショップ」という語感から連想されるかわいらしい店舗とは異なり、外観はなんだか工場のよう。

    結構迫力のある外観。

    共同オーナーの沈嘉業さん(お兄さん)。

    このジェラートショップでは、常時10種類以上のフレーバーが楽しめます。「澎湖島やその周辺で採れるものを主に使っています。澎湖島というか、うちの畑で採れたものを使うこともありますね。季節によって採れるものが変わってくるので、季節限定のフレーバーもありますよ」と、沈さん。左がサボテン、真ん中はココナッツ、右はマンゴー。いずれも南国感たっぷり!

    子供たちが「おいしい!」「もう1個!」とおかわりしまくるおいしさ。ジェラートだけではなくコーンもとても美味。

    店内にはイートインスペースもあります。観光客にも地元の人たちにも大人気で、私たちがジェラートを堪能している間、ひっきりなしにお客さんがやってきていました。

    オーナーのお母さんが気まぐれで作ったお菓子がショーケースに並ぶことも。これがまたおいしくて、近所の方は、「今日はスイーツある?」と、ふらっとお店を訪れることも多いんだとか。気まぐれスイーツは隠れメニューなので、もし見つけたら是非入手を。

    さて、さきほど見出しで「火山溶岩に隣接」と書きましたが、「火山溶岩」とは一体何なのか?実はこのお店のすぐ裏には「大菓葉玄武岩(ダーグオイエ シュエンウーイェン)」という六角状の玄武岩、「柱状節理」があります。

    大地の威厳を感じる…。(出典:交通部観光署澎湖国家風景区管理処)

    「柱状節理」とは、爆発した後の火山溶岩が海水に触れることで急速に冷やされて形成されたもの。実は澎湖諸島は、8001100万年前に地球に深く沈みこんだプレートによって、マグマが盛り上がったことによりできあがったとされる火山島なんです。なので至る所に海底火山の痕跡が。

    今回案内してくれた日本人ガイドの小林さんが「柱状節理そのものは世界各地で見ることができますが、澎湖諸島では狭いエリアの中にさまざまな形のものがあって、学術的にとても貴重だと言われているんですよ」と教えてくれました。

    海やグルメだけでなく、地質学という硬派な切り口からも楽しめるとは…。澎湖諸島、なんとも奥が深い…!

    3回目となる次回は、日本では味わえない体験ができる島や、白砂のビーチを独り占めできる島など、一気に4島ご紹介します!

    私が書きました!
    台湾在住ライター
    市川美奈子

    静岡県出身。一児の母。民間企業、国際協力団体(北京駐在)などを経て、2013年から行政機関で勤務。20234月から台湾駐在。夫を日本に残し、「ワーママ駐在員」として小学生の息子と共に台湾で暮らしている。帰国時は主に静岡県内でキャンプ・グランピングを楽しんでいる。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員

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