もちろん見た目が一番という人も多いだろう。さらに言えばこれらの要素を満たしつつ、予算内に収まるお手頃なクルマがあれば何より最有力候補になるはず。
最近はそんなモデルも増えてきているが、そのなかでも特に注目したいのがホンダ「WR-V」だ。
ホンダWR-Vってどんなクルマ?
最近、ホンダからはヴェゼルやZR-Vといった都会的なクロスオーバーSUVとともに、フィットやフリードでアウトドア風味を強めた使い勝手のいいバリエーションが次々とリリースされている。そのなかで独特の存在感を放つのが、今年3月に発売された「WR-V」だ。
WR-Vが注目を集める理由はいくつかある。そのひとつはスタイリングだ。前述のモデルたちが弓形のスタイリッシュなデザインを纏っているのに対し、WR-Vは力強さを全面に押し出したスクエアなフォルムを特徴とする。コンパクトSUVながらもどっしりとした安定感に惹かれる人も多いだろう。
広々とした室内も魅力のひとつ。ホイールベースはひとまわり大きいZR-Vと同等の長さが確保されており、特に後席は大人が座っても足元や頭上には余裕がある。さらにラゲッジルームは標準状態で458ℓという大容量を確保。コンパクトSUVクラスでトップレベルを誇るというから、ソロはもちろんファミリーや仲間でいくキャンプでも目一杯ギアを積み込める。
そしてもうひとつ見逃せないのが価格設定だ。ベーシックモデルのXグレードはなんと209万8800円スタート。軽自動車でもこの価格帯が一般的になっている現在だから、特にリーズナブルに感じられるだろう。実際、3月の発売から1か月で月販計画の4倍を受注したというから、ホンダファンのみならず多くの人に待ち望まれていた価格のモデルと言える。
リーズナブルな価格が実現できた理由のひとつは、WR-VはタイのホンダR&Dアジアパシフィックで開発され、インドで生産されるという点にある。SUVテイスト雰囲気たっぷりではあるものの駆動方式は前輪駆動のみ、パワートレインは1.5ℓ直列4気筒の自然吸気のみに割り切った点もコストを抑えられた要因に違いない。
コスパの良さが光る一台
外装だけでなく内装も余計な装飾がなく、シンプルなデザインとレイアウトで仕立てられていて清々しい。もっとも、そこに配されるエアコンはフルオートだし、サイド&カーテンも含めエアバッグの安全装備はもちろんのこと、アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストなどで構成される最新の運転支援システム〝Honda SENSIG〟も標準で備わるから、装備面でも不満はないはずだ。
WR-Vの走りっぷりにも隙はないといっていい。先述したようにエンジンは1.5ℓ直4 NA、トランスミッションはCVTというベーシックな構成だから、パワートレインの味わいや楽しさのようなものが突出しているわけではないが、かとって不満もない。低速域から十分なトルクを発揮し、1200kg台前半という軽量な車体とも相まって、街中や高速、山道でもストレスのない、軽快なフットワークを披露してくれる。本格的な登山靴というよりは、スニーカーに近いトレッキングシューズのような性格のSUVといえるだろう。
様々なアウトドアグッズを試してきた人なら経験があるかもしれないが、実際のところ、シンプルで使いやすく気負いすぎていない造りのギアこそ手元に残り、長く愛用することになる。ホンダWR-Vはそんな資質をもった一台であり、あなたの日々の生活はもちろん、週末に出かけるアウトドアアクティビティにぴったりとフィットしてくれるモデルとなるに違いない。
【ホンダ WR-V Z】
- 全長×全幅×全高:4,325×1,790×1,650mm
- 車両重量:1,230kg
- 最低地上高:195mm
- 最小回転半径:5.2m
- エンジン:1,596cc 直列4気筒自然吸気
- 最高出力:87kW(118PS)/6,600rpm
- 最大トルク:142Nm/4,300rpm
- WLTC燃費:16.2km/ℓ
- 車両本体価格:2,349,600円(税込み)
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