ヨーロッパでキャンピングカーをのせるフェリー旅も3回目。だいぶ知識もついてきたので、車に乗って乗船するシステムや船内の様子、キャンピングカーならではの注意点や、お得にチケットを購入する方法も紹介します。船で海を渡れば旅のルートはさらに広がります。ヨーロッパでも広く利用されている旅のスタイルなので参考になればうれしいです。
ヨーロッパを上手に移動するならキャンピングカーごとフェリーに!
たくさんの国が隣接するヨーロッパでは、簡単に車で他国を訪問することができます。陸路はもちろん、車を船にのせるフェリー旅も大人気なのです。車を運転して長距離移動するより楽になるだけでなく、現地に着いてから自分の車で自由に旅を続けられるのが最大の魅力。サマーシーズンになると、多くのファミリーがキャンピングカーでヨーロッパ各国を旅する様子を見られます。
フェリーには、短距離と長距離の航路があります。短距離便では2〜4時間ほどの乗船時間で、離島などへの移動ができます。一方、長距離フェリーは10時間以上の移動で、ほかの大陸にある国を訪問することも可能です。ヨーロッパ本土からイギリスやフェンランド、アイルランドなどに行く多数のルートがあり、愛車を船にのせて手軽に他国への旅ができるのです。
デンマークからノルウェーまで、キャンピングカーに乗ってフェリーを利用してみた
今回は、デンマーク最北部の港町Hirtshals(ヒアツハルス)から、ノルウェーのKristiansand(クリスティアンサン)までフェリーで移動しました。約150kmを4時間ほどで移動できます。
車を運転しながら陸路でノルウェーへ移動することもできますが、その場合はコペンハーゲンの有料高速橋を2つ渡って、スウェーデンへ1度入国してからノルウェーへ向かうルートになります。800km以上もの長距離運転で体力や時間を使うだけでなく、ガソリン代や高速道路料金もかかるので、フェリーで移動する方が楽でお得になることもあります。
利用したのは「フィヨルド・ライン」のフェリー
ヨーロッパには多くのフェリー会社がありますが、今回はノルウェーのFjordline(フィヨルド・ライン)を利用しました。この時期としては一番安いチケットが売られていたので、こちらを選びましたが、ルートや時期によって料金が大幅に変動するので、予約前にいくつかのフェリー会社を比較してみるとよいです。
気になるキャンピングカーのフェリー料金は?お得にチケットを買う裏ワザを紹介
フェリーのチケットはホームページから簡単に予約できます。名前や生年月日、パスポートナンバーなどの個人情報と、車の情報(ナンバーや車体の大きさ)を入力すれば予約完了です。今回は約4時間と短い移動時間なので、客室を利用しませんでしたが、長時間の移動の場合はベッド付きの客室を予約することもできます。
今回の料金は、大人2名+キャンピングカー(全長6m70cm)で、212ユーロ(約34,000円)でした。※1ユーロ=160円(2024年8月9日時点)
キャンピングカーの長さで料金が変わるので、私たちのキャンピングカーより小さい全長6mまでなら小型キャンピングカーのカテゴリーに入り、1万円ほど安くなります。
乗船時期やルート、曜日によっても料金が大幅に変動するので、必ず事前にホームページをチェックしましょう。私たちが利用したルートは、水、木曜日が安くなるので、水曜日に利用しました。同じルートでも週末は料金が6万円まで上がるので、お得な日を見つけて購入するのが得策です。
キャンピングカーで乗船する際の注意点
⚫︎乗船中は車の中に滞在できない
乗船中は安全面から車の中で過ごすことができません。車を停めたら下船の時間まで戻れないので、船内で必要な荷物をまとめて持っていきましょう。船内には、売店やレストラン、カフェなどもありますが、値段が割高なので軽食や飲み物を持ち込んでいる乗客もたくさんいます。
⚫︎ガスの元栓は閉める
ヨーロッパ製のキャンピングカーの冷蔵庫はガスで起動しているものが多いのですが、船上では安全面からガスの元栓は閉めなければなりません。ガス式の冷蔵庫は数時間使えなくなるので、生ものや腐りやすい食材がある場合は注意しましょう。私たちは乗船するギリギリまで冷蔵庫をキンキンに冷やしておき、乗船後に冷蔵庫をオフにして、閉めたままにしていたため、中の冷気が保たれたようで、冷凍品などの食材も無事でした。
⚫︎スムーズな乗船には早めの到着がコツ
繁盛期にもなると乗用車やキャンピングカーの大行列ができてしまい、乗船するにも時間がかかります。なるべく出航時間の2時間以上前に到着して、車の列で待つようにしましょう。早めに行って列の前方で待つことができれば、先に乗船することができるので、船内で良い席を確保することもできます。
いざキャンピングカーでフェリー旅へ!
車と一緒に乗船するチェックインゲートは出航2時間前から開かれます。それより少し先に到着して列に並びましたが、前方にはすでに15台ほどのキャンピングカーが並んでいました。
出航時間2時間前にゲートがオープン。車から降りずにそのままチェックインキャビンまで進んでいき、スタッフに予約代表者の名前を伝えただけで、スムーズにチェックインが完了しました。場合によっては身分証明書や車の書類の提示を求められたり、車内を点検されることもあるようです。
チェックイン後は係員に指示された列へ車を並べて、乗船時間まで待ちます。出航時間1時間前に車の乗船が開始され、係員の指示で1台ずつ乗船していきます。船内の駐車スペースは少し狭いですが、係員が分かりやすく誘導してくれるので心配ありません。乗船中は車があるエリアは立ち入り禁止になるので、指定の位置に車を駐車したら、必要な荷物を持って上層階のパブリックスペースへ移動して過ごします。
広々とした船内はサービスも充実
船は豪華なつくりで、とても広く、フロアは10階まであります。1〜6階までは車や貨物を停めるガレージスペース、7〜9階までが客室キャビンで、10階がレストラン、売店、ラウンジなどがあるパブリックスペースです。そして、屋上は自由に出入りできる展望デッキになっていて、いつでもきれいな海を眺められます。その奥には、キッズスペースと野外テーブルやカフェスペースがあり、海の景色と気持ち良い風を感じながらフェリー旅を楽しめます。
船内には4つものレストランがあり、アラカルトからブッフェ式、カフェ、スターバックスまであり、好みの店で海を眺めながら食事ができます。ただし、船内の食事はどれもやや高めの料金設定になっているので要注意。車から事前に軽食や飲み物を持っていくのがおすすめです。
船内には自由に過ごせるソファやテーブル席がたくさんありますが、繁盛期になると人でごった返すので、早めに乗船して好みの席を押さえるとよいです。Wi-Fiも利用できますが、速度が遅く、つながりにくいので、事前に映画やドラマなどをダウンロードして鑑賞したり、読書したり、外の景色を楽しみながら約4時間のフェリー旅を楽しみましょう。
船が大きいこともあり、この日は波の揺れをあまり感じませんでしたが、天候によっては揺れが大きくなるそうなので、酔いやすい方は酔い止め薬を持参しましょう。
フェリーでノルウェーへ入国
到着予定時刻ピッタリにノルウェーの港に到着すると、船内アナウンスで駐車したフロアごとに呼び出され、順次下船していきます。入国審査などの手続きもなく、1台ずつスムーズに下船していき、びっくりするぐらい簡単に入国が完了しました。
いよいよ手付かずの大自然が残る国=ノルウェーへ到着。いよいよ大冒険の始まりです。見たこともない絶景のなかでの車中泊やトレッキング、ワイルドキャンプを思う存分堪能する予定です。今後も旅の様子をシェアしますのでお見逃しなく!