総武線のそばにさりげなく佇む葛飾区新小岩の富士塚【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.77】
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    2024.09.08

    総武線のそばにさりげなく佇む葛飾区新小岩の富士塚【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.77】

    総武線のそばにさりげなく佇む葛飾区新小岩の富士塚【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.77】
    東京23区内、特に山手線の内側はビル街や飲食店街、住宅街ばかり。そう思っている人が多いかもしれません。でも、目を凝らせば東京都心にも「山」はあります。そんな東京の山の世界を、日本で唯一のプロハイカーである斉藤正史さんが案内します。

    FILE.77は、葛飾区にある新小岩の富士塚です。

    第77座目「新小岩の富士塚

    今回の登山口は初のJR新小岩駅です

    JR新小岩駅の北口登山口。

    実は、地図を見て結構悩みました。小岩駅から歩くべきか新小岩駅から歩くべきか。どちらを選択しても今回の山行は長距離です。少しでも歩く距離が短い新小岩駅からのルートで歩くことにしました。

    ということで、初見参の新小岩駅から出発です。

    「モンチッチ」づくしのまち

    新小岩駅北口に降り立ってすぐに見つけたのが、「モンチッチ」の銅像です。FILE56では、弁天山に行く途中にモンチッチのお店がありましたので、てっきり浅草がモンチッチのゆかりの地だと思っていました。

    人混みを越え、浅草にある弁天山へ【プロハイカー斉藤正史のTOKYO山頂ガイド File.56】

    やたら、モンチッチ関連のものがあるので、早速Google先生に聞いてみることにしました。すると、モンチッチは、1974年に葛飾区西新小岩にあるセキグチにて誕生したというではないですか!

    セキグチは、モンチッチをはじめとしたオリジナル商品、誰もが知るキャラクターのライセンスによるぬいぐるみ・雑貨・ドール・オルゴールなどを製造販売している会社だそうで、あのスヌーピーやディズニーのぬいぐるみも作っているそうです。

    新小岩駅北口にあるモンチッチの銅像。

     葛飾区は(株)セキグチとの協働により、「モンチッチに会えるまち かつしか」として新小岩地域のPRをしているそうです。

    新小岩駅前にある、2種類の銅像だけではなく、平成284月、セキグチ本社近くにある工場跡地にモンチッチ公園(愛称)が誕生。令和44月、公園が拡張し、さらにパワーアップして開園したそうです。小さなお子様がモンチッチとふれあいながら安心して遊べるちびっこ広場となっているそうですよ。

    それだけではありません、モンチッチをデザインしたマンホールが新小岩駅周辺に10箇所設置されているそうです。まさにモンチッチの町、新小岩。ちなみに、モンチッチは、男の子がモンチッチ君、女の子がモンチッチちゃんだそうです。結構そのままのネーミングだったのですね、さすが昭和っぽい。

    「モンチッチに会えるまち かつしか」ホームページ

    特にネタが何も見つからず、不運に見舞われ…

    情報量過多なモンチッチネタを出して安心したところでようやく駅をスタート。西側へ歩き出します。

    線路と並行して歩いていくと、駅から少し離れた場所に大きなバス乗り場とタクシー乗り場がありました。通常、駅を出て直ぐの場所にあるのですが、新小岩は少し離れた場所にあるみたいです。珍しいなぁと思いつつ先へ進みます。

    駅から少し離れたところにある大きなバスロータリー。

    バス乗り場を過ぎると線路沿いに行く道が見えてきました。しかし、線路と競技場に挟まれた道には何もなさそうです。少し遠回りになりますが、競技場の周りを歩いていくと道沿いに何かありそうな気もします。誘惑に負け、少し長いのですが競技場の周りを歩くことにしました。

    大きな競技場ですが、閉まっています。調べてみると、日本私立学校振興・共済事業団の総合運動場を葛飾区が買取り「東新小岩運動場」と称し、令和691日から利用を開始するそうです。それで競技場の中が通れなかったのですね。 

    …残念ながら、結果何もないような感じです。

    競技場の周辺道路には、マンションや住宅しかなく、何もないまま遠回りするはめになってしまいました。小松橋のたもとに着くと、橋を登っていく階段が見えました。きっと登らないと線路は越えられないだろうなと思い、急な階段を登り、眼下に線路や電車が行くのを見ながら歩いていきます。線路を渡り切ると、急な下りの階段があらわれます。

    急に突風が…あっ…。グキッ。痛い。

    動画撮影用のインスタ360が風にあおられて傾いたので、上を見ながら階段を降りていたのですが、豪快に足首をひねってしまったのでした。そんなに捻る?ってくらい捻りました。この後2週間、足の痛みは癒えることがありませんでした。海外のトレイルでも捻ったことがないのに、近年まれにみるほどの捻挫でした。

    ようやく新小岩富士のある新小岩天祖神社へ

    足を引きずりつつ、住宅街に入ります。道なりに進んでいくと天祖神社が現れました。

    何度かこの連載で触れているように、天祖神社は江戸川区内に20あります。ただ、今回の天祖神社の住所は葛飾区です。葛飾区にも天祖神社があるんだと思いつつ、立派な石の鳥居をくぐっていきます。

    新小岩天祖神社

    別名、下小松天祖神社は、葛飾区新小岩にある神社です。下小松天祖神社は、葛西御厨時代に伊勢の皇大神宮を勧請して下小松村の鎮守として奉祀したものといい、五社明神社と称されていたといいます。

    下小松天祖神社。

    新小岩の富士塚

    新小岩天祖神社の本殿左側にひっそりと佇む富士塚。その佇まいだけ見ると、よく見る溶岩や石碑なども見当たらず、富士塚とはとうてい思えません。普通に石の階段があり、その上に塚がありました。その昔、昭和29年の総武線拡幅工事による遷座と大改修があったそうです。もしかしたらその時に改修された可能性もあります。今は全く情報がありませんでした。

    今回、色々と調べていく中で、この近くには上小松天祖神社があり、そちらにも富士塚もありそうでした。次回上京の際には、上小松天祖神社も調べてみようと思います。

    一見すると、富士塚には見えない新小岩富士。

     次回は江戸川区船堀の富士塚です。

     ※今回紹介したルートを登った(歩いた)様子は、動画でもご覧いただけます。

    私が書きました!
    プロハイカー
    斉藤正史
    2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。最新情報はブログを。

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