伊豆半島ロングトレイル、その旅のはじまりを行く
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    2018.04.14

    伊豆半島ロングトレイル、その旅のはじまりを行く

    高通山から見る富士山

    今、「ロングトレイル」が『来て』いる。と、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

    もともと海外では、「ツールドモンブラン(150km)」や、「サンティアゴ巡礼の道」、また北米だとアパラチアントレイル(3,500km)などがメジャーですが、国内でも最近「信越トレイル(80km)」や「十勝ロングトレイル(100km)」などを始め、整備されているトレイルは10以上、整備中のものを含めると20以上あり、今後も増加していく様相を見せています。

    ロングトレイルの特徴は、従来日本で主流だった「山のピークを目指して登り、下山する」というアプローチではなく、比較的標高の高くないトレイルを水平に長距離移動していく、というもの。その行程で触れ合う周辺の街の文化や歴史、人との交流などの地域性の高い要素があることから、「山歩き」と「旅」が一度に味わえること、また全工程を歩き切る必要はなく、途中で車道などにエスケープできるルートが多く、軽めの計画も可能なのがメリットです。

    そしていま伊豆で、静岡県初のロングトレイル「伊豆半島ロングトレイル」構想が進んでいます。半島の先端・石廊崎の「あいあい岬」をスタートし、修善寺までの113kmのトレイルを1本につなげる計画です。雪に閉ざされて高山に行けない今のシーズンこそまさに「ロングトレイルシーズン」なのでは?!ということで今回その一部を2泊3日で歩いてきました!
    (構想では南スタートで北に向かうルートが正規ですが、今回の旅は北部から南進するルートでまわっています)

    伊豆半島のはじまり

    DAY1 富士山&海が同時に見える贅沢トレイルと伊浜の夕日

    さっそく石部温泉からスタートです。トレイルの入り口は漁港の路地を通って入る場所も多く、軒先でワカメや海苔が干してある風景を見ると、港町らしくて旅気分も上昇。一方、トレイル上は幅が狭く急な登り下りも頻繁にあり、特に下りでは集中が必要な箇所が多いので油断禁物です。伊豆半島ロングトレイルを1本につなげる前に、トレッキングコースとして整備されているいくつもの道があり、看板もとても親切で行き届いています。大きな車道が開通する前は人びとの大切な生活道路や通学路だったとのこと。

    このコース始めの休憩ポイント「三競展望台」はナイスなデッキもありおすすめ

    ジオガイドの倉原卓也さん(Kura-run-outdoors代表)に案内頂き、伊豆半島の出来上がった経緯や地域の方から伝聞した郷土の歴史などをきめ細かく教えてもらいました。

    2000万年前に今より800km南の海底に沈んでいた海底火山は、噴火が始まり、海から島が顔を出し、フィリピン海プレートの動きに乗って長い年数をかけて徐々に本州へ接近していき衝突して合体、今の形が出来上がりました。その歴史が世界でも珍しい景観と、「伊豆石」など石材の採掘場を提供し、複雑な地形と深い海がキンメダイやイセエビといった豊富な魚介類の住処となっています。

    雲見付近の有名スポット・千貫門の目の前まで下りられる道があります(強風の日は注意)。波しぶきを浴びた後、ツツジの名所高通山へ。河津などのメジャーお花見スポットを避け、ここでゆっくり桜やツツジを愛でる人もいるようです。

    すぐ近くまで下りられる大迫力の千貫門

    この後時間がある人は「波勝崎」もオススメ!別名モンキービーチといい、野生の猿が大勢ご出勤(?)してくるスポットとして人気です。我々は見たかったものがあり、先へ進みました。伊浜の夕日です。ちょうど晴れて、海に沈んでいく「マジックタイム」をじっくり堪能することができました。太陽が姿を隠し、残った光の色だけで海が染まる様子をいつまでもずっと眺めて1日目を終えました。

    夕日が沈んでいく伊浜。オレンジ色に染まる景色

    DAY2へつづく

    ◎イラスト・写真・文/コタロー

    コタロー

     

     

    旅行・冒険が好きなイラストレーター。長野県出身。クライマーのためのラインスタンプ「コタローのクライマーズスタンプ」好評発売中。https://store.line.me/stickershop/product/1274881/ja
    ブログ:http://blog.livedoor.jp/kota1022/

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