飯盒を使用して作る極上サバイバル飯第14弾では、飯盒でおいしく簡単につくれる燻製を紹介します!
14膳目「飯盒と海水で鮭の切り身を燻製」
どーもこんにちは!
元自衛隊芸人のトッカグン小野寺耕平です!
「戦場でもコメが食いたい!」という兵士達の声を叶えるために日本軍が開発し、ドイツ軍のメスキットM1893を参考にして明治31年に誕生した機能美溢れるそら豆型の日本の飯盒。
円形より省スペースで携帯性よし、熱効率が高く角がないので洗浄が容易で使い勝手良しと、開発の際に当時の日本軍がこだわった数々のポイントが現代のキャンプ事情にもマッチし、今なおアウトドア界隈で愛されています。
そんな飯盒を使用して作る極上サバイバル飯第14弾は、前回ご紹介の2合炊きの戦闘飯盒2型ではなく、私の長年の愛用品、4合炊きの兵式飯盒で燻製してみよう!
まずは燻製について軽めにお話させてください。
別に、理由は「美味いから」で何の問題もないんですが、ご存知の通り燻製って色々と理にかなった調理法なんですよね。なんせ石器時代から数千年続く方法です。今みたいに情報が溢れる時代ではないので昔の人は肌感覚で生きるための工夫をしていたわけですが、
①調理の過程で水分が抜けることで保存性が高まる
②煙に含まれるフェノール系化合物が食品をコーティングして殺菌・防腐効果が高まる
そう、燻製は生の状態で置いておくと傷んでしまう食料を燻すことで長保ちさせるサバイバル術なのであります。
燻製の方法には大きく分けて3種類あり、
【冷燻】15〜30℃で数日〜数週間
【温燻】30〜80℃で数時間〜1日
【熱燻】80〜140℃で10分〜1時間
今回はソロキャンプで楽しめることを前提にしていますので、水分が抜けづらく長期保存には向いていないタイプにはなりますが、作ったらすぐ食べてしまうので手軽にできる熱燻でスモークサーモンを作ります!!
【材料】
鮭の切り身•••1切れ
塩・・・適量(具材の5%程度の量)
水・・・適量
なんてシンプル!笑
【必要なもの】
兵式飯盒
タコ糸
スモークチップ
※今回は焚き火ができない海に近い地域でロケをしたので塩漬けの際は海水を、火はシングルバーナーを使っています。
【作り方】
①飯盒に海水を汲み、煮沸する ※海水の塩分濃度は約3.4%
②冷めた海水に鮭を漬ける
(又は、鮭にまんべんなく塩を塗る)
③数時間漬け置く
④真水で塩抜きする
⑤水気を拭き取り、分厚い素材の場合は数十分〜数時間置き乾燥させる 。
※今回は切身の鮭で薄いため表面の水分を拭き取るのみ
⑥飯盒の中子にタコ糸を巻き付ける
⑦糸で身を浮かし、煙が鮭全体に纏うようにして横向きに中子を入れる
⑧チップを燻し、蓋をして燻製する
地元の宮城県南三陸町で育てた「伊達のぎん」という銀鮭を使ってみたんですが、これがまた抜群に美味い!!
そもそもの鮭自体のポテンシャルが高いところに塩漬け→塩抜き→乾燥でぐっと旨みが凝縮されてます。
今回の小野寺式のポイントは糸を巻いた中子を横にすることで準備するのが飯盒のみでOKなところ。本来の使い方とは違うのですが、ひとつでも荷物は減らしたいですし、そのまま手持ちの食器として使えちゃいます。
あとは網の代わりに中子に巻き付けたタコ糸がいい仕事をしてくれました。
身を中子にベタ置きではなく浮かせることでしっかり全体的に燻されて、身から出た余分な脂や水分を吸って美味しさUP!
たまたまあったので使ってみたのですが、私としては結果的に網を使うより良かったです!!
持ち運びも嵩張りませんし、他に汎用性も高いのでアウトドアの普段の一式にタコ糸も加えておくのオススメです。
是非皆さんも飯盒で燻製やってみてください。
本日はこれまで、それじゃーまた!
今回紹介したレシピ含め、飯盒を使った様々な料理レシピは、動画(公式チャンネル:トッカグンの東京サバイバル)でもご覧いただけます。