忌野清志郎がドロップハンドルのロードレーサーに心惹かれたのは、中学生の頃。そして再び自転車の魅力に開眼したのは50歳のときだった。その理由は、ロックンローラーの清志郎からは想像もつかぬ、「子どものため」。
「いざというときに、自分の子どもを助けられるだけの体力をもたねば」
「父」としての思いから、真剣に自転車に乗り始めたのだ。
2002年10月、松尾芭蕉ゆかりの地を辿る自転車旅に出た忌野清志郎(当時51歳)は、自身の自転車愛のルーツといってもいい、大切な人との出会いを叶える。その10日間にわたる「奥の細道」密着ドキュメンタリーが同年12月、NHK BSで放送され反響を呼んだ。その、伝説の番組『ツール・ド・奥の細道 忌野清志郎』が15年の時を経て、再放送される。
『プレミアムカフェ』「ツール・ド奥の細道 清志郎!1000キロの旅」
本放送:5月3日(木)9:00~10:16
再放送:5月4日(金)0:45~2:01
http://www4.nhk.or.jp/pcafe/x/2018-05-03/10/3691/2325431/
『BE-PAL』でもたびたび、清志郎さんの自転車旅を取材させてもらった。沖縄や箱根、果てはキューバまで。とても穏やかで、自転車に乗っていることの楽しさが全身からあふれ、スタッフの要望にも嫌な顔ひとつせず応えてくれた。
清志郎さん初の自転車本『サイクリング・ブルース』では、ストレッチやライディングスキルまで、あろうことかモノクロページでご自身が実演している。炎天下でのこのような撮影につきあってくださったのも、他ならぬ自転車愛ゆえ。
「自転車は、ブルースだ。」
冒頭の手書き原稿が届いたときのことを、今でも覚えている。多くを語らない清志郎さんだったけれど、走りながら感じていたブルースが、見事に表現されていた。12年前の清志郎さんのメッセージは今読み返しても、強くて、優しくて、泣けてくる。『サイクリング・ブルース』著/忌野清志郎 小学館
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