備長炭とは?
高品質で硬度が高く、長時間燃焼する炭
備長炭は木炭の中でも最高品質な炭です。木炭は製造法によって大きく分けると、黒炭と白炭に分類されます。備長炭は白炭の1種。白炭は土窯で木材を炭化し、高温で急速に焼き上げ、急速に消火することで製造されます。黒炭が400度Cほどで焼き上げられるのに対し、備長炭は1000度C以上の熱で焼き上げられています。
備長炭の製造には、高度な技術を必要としますが、そのぶん硬度が高くなり、黒炭よりも長時間燃焼する炭に仕上がるのです。
煙が少なくにおいが強くない
備長炭は燃焼時の煙が少なく、煙自体の臭いにもクセがない炭です。備長炭で食材を焼くと、食材によけいな炭の臭いが移らず、美味しく仕上がります。また、煙が少ないため、BBQ中にも肉や野菜が焼ける本来のにおいを楽しめますよ。
屋外だけでなく室内での使用にも適しています。焼き鶏屋や焼き肉屋などで、積極的に使用されているのは、食材が美味しく仕上がるだけでなく、煙が少ない性質によるものです。
備長炭のメリット
備長炭は長時間燃焼し、はじめから燃え尽きるまで安定した火力を維持します。そのため、途中で炭を追加する手間が省け、調理が楽になります。また、備長炭は高火力な炭。発生する遠赤外線で、食材の外はパリパリ、中はジューシーに!食感のよいおいしい料理に仕上がります。
備長炭のデメリット
備長炭のデメリットは黒炭よりも価格が高い点です。とくに和歌山で作られる紀州備長炭は、安値な黒炭の10倍近い価格で販売されているものもあるほどです。ただし、1度火がつくと6時間以上燃焼し続け、消し炭にすれば再利用ができるため、使い方によってはコスパがよくなる場合があります。
また、備長炭は火がつきにくいのも難点。湿気を含んだ炭を使用すると、炭が爆ぜ、あたりに飛び散る爆跳(ばくちょう)のリスクがあります。
備長炭の火起こしに必要な道具
火起こし器(チャコールスターター)
チャコスタの愛称で呼ばれる機器です。一般的には筒状の金属の底に網が張られており、網底に着火剤と炭を入れておくだけで、煙突効果で強い火力を維持し、炭に火がつけられます。火をつけて待つだけで手軽に炭をおこせるため、スキルに自信のないBBQビギナーの方だけでなく、BBQを時短で楽しみたい方にもおすすめです。
着火剤や新聞紙
炭にはライターなどで直接火をつけることはできません。火を移すために着火剤や新聞紙などの火種が必要です。手っ取り早く安定した火が欲しければ、着火剤がおすすめです。新聞紙や段ボールなどでも代用できますが、燃え尽きるごとに追加する手間がかかります。
トングや火箸
効率よく炭を燃焼させるために、炭の位置を変えて、空気の通り道を作る作業が欠かせません。トングや火箸があれば、燃焼中の炭を掴んで位置が変えれますよ。また、手を汚さずに炭の追加ができます。
風防やうちわ
炭は空気の供給が少ない場合、効率よく燃えません。逆に風が強すぎても立ち消えしてしまいます。風防やうちわがあれば、風を遮ったり、風を送ったりのコントロールができますよ。うちわは火のついた備長炭に空気を送り込み、火力調節をするのにも便利です。
予備の火種(小枝や木炭)
備長炭は火がつきにくい炭。火種が着火剤だけでは、うまく火を移せない場合があります。
そのため、火がつきやすい小枝や木炭があれば安心です。まずは着火剤や小枝で木炭に火を移し、火が安定した木炭から、備長炭に火を移すといった、2段階の手順を踏めば、備長炭の火おこしが容易になりますよ。
火起こしの手順
手順①着火剤を下に置く
BBQコンロの炭受けに着火剤を置きます。備長炭は火がつきずらいため、着火剤をたっぷりと置きましょう。
手順②着火剤の上に炭を組む
着火剤の上に炭を井桁に組みましょう(以下、写真の炭は備長炭ではなく「オが備長炭」です)。漢字の「井」のような形です。備長炭は細長いので組みやすいはずです。あまり高く積みすぎると、倒れやすいので、3~4段ほどを目安に組み上げましょう。
手順③着火剤に火をつける
ライターやチャッカマンなどで、着火剤に火をつけましょう。
手順④火がまわるまで放置する
炭全体の8割ほどの表面が白くなるまで放置します。途中で火が消えそうならば、都度うちわなどで火を送ったり、「井」の字の中央の部分に上から着火剤を追加して火を維持しましょう。
手順⑤炭を追加する
組んだ炭を崩して灰受けの全体に広げましょう、広げた炭の上や脇に新たに炭を追加したらBBQスタートです。
おすすめの備長炭5選
紀州備長炭 1.2kg 国産
備長炭の中でも最高品質を誇るのが紀州(和歌山県)産の備長炭。材料にウバメガシを使用しています。長時間安定した高火力な炎を維持できる高品質な備長炭です。コスパよりも使い勝手のよさを求める方におすすめです。
土佐備長炭 1kg
土佐(高知)産の備長炭も和歌山に次いでメジャーな備長炭です。材料にはウバメガシを使用しています。紀州備長炭よりも供給量が多く、比較的安値な点が魅力です。
日向備長炭 1級 割 S 2.5kg
日向(宮崎)備長炭は、アラカシから作られています。紀州・土佐備長炭に比べるとやわらかいため着火しやすく、火力はやや弱めです。
特選備長炭 Sサイズ 10kg
海外製の備長炭です。国産のものと同じ製法で作られていますが、材料にはマングローブなどを使用しています。国産のものより圧倒的にコスパがよいのが魅力。備長炭の使い勝手をとりあえず試してみたい方におすすめです。
大黒オガ備長炭10kg 1箱
オガ備長炭は、おがくずを棒状にした材料を、備長炭と同じ製法で炭にした、備長炭の代用品です。燃焼時間は備長炭と変わらず長時間な点、爆跳が圧倒的に少ない点、価格が安い点がメリットです。ただし、備長炭よりも火力は弱くなります。火がつけやすいため、火おこしに慣れていない方におすすめです。
備長炭でバーベキューをより美味しく!
備長炭は高火力で長時間使用できる、高品質な炭です。備長炭を使えば食材の内側までしっかりと熱が通り、表面はカリッと、内側にはうまみが凝縮されて、ジューシーな仕上がりになります。
いつもとは一味違う、こだわりのバーベキューを備長炭を使ってお楽しみくださいね!