ハイエースがキャンプ仕様にぴったりな理由
ハイエースは、キャンピングカーとしての居住性の広さやカスタム性が高いことに加え、外観は普通のバンであることが多く、悪目立ちしないのも魅力。街中でも走りやすい実用性もそなえた車種だ。
また、ハイエースはカスタム用のパーツも多く販売されている。ハイエース向きのベッドキットを使えば、大人2人が寝られるスペースを作れたり、ベッドの下に荷物を置くスペースを確保できたりと、空間を最大限に活用できる。ほかにもさまざまなパーツが販売されているので、自分だけの一台を作りたい人におすすめだ。
▼参考記事
キャンピングカーの定番!キャンプ仕様のハイエース5選
キャンパー仕様のハイエースを、キャンピングカーの達人がレビュー!
METIO(メティオ)|ラクネル・バンツアー・カリカver.
ハイエースの5ドアボディがベースで扱いやすい
メティオでは既にハイエースをベースにした「ラクネル・バンツアー」が存在する。このモデルは4ドアベースだが、「カリカver.」は5ドアのみの設定になっている。
「カリカver.」の最大の魅力はなんといっても角目横型4灯のヘッドライトに前後のメッキバンパー、2トーンによるクラシックアメリカンなスタイル。パッと見ると、ハイエースがベースとは思えないほど。さらに、最新のアルパイン製・大画面カーナビや空気清浄器・プラズマクラスター内蔵のリアビジョンモニターなども装備されている。
インテリアはそんな「カリカver.」のスタイルに合わせ、ライムグリーンの生地やウッド調の家具類にアイアンハンガーといったブルックリンスタイルに加え、オリジナリティを足した作りで、落ち着いた空間に仕上げられている。
また、メティオが得意とするアルミチャンネル材(建築物の内外装に使われるコの字型をした押し出し合金)を使った家具フレームにより、軽量化と高耐久性も魅力となっている。
ベース車が標準ボディ・標準ルーフのため運転もしやすく、2人でもゆったりとくつろげ就寝しやすいのもポイント。最後部の左右にキャビネットが振り分けられており、ベッド展開したまま後部で調理したりといったこともできるのが嬉しいところだ。
アメリカンスタイルにバンライフの魅力を注入
装備面では水まわりに引き出し式シャワーとシンクをはじめ、電子レンジ、電装システムなどを標準装備。ほかにも子供用の上段ベッドや寒い日に嬉しいFFヒーター、ソーラーパネルといったオプションも用意しているので、グレードアップもできる設定になっている。
●乗車定員:5人
●就寝定員:2人
●全長×全幅×全高:4747×1695×1980mm
問い合わせ先:メティオ
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FOCS(フォックス)|フィーカ
ベースはハイエースのワイドミドルルーフのワゴンGL。セカンド&サードシートを廃して3人がけの二の字シートを採用しているのが特徴で、8名乗車を実現している。
ハイエースの広さを生かした8人乗車・3人就寝仕様
フォックスシリーズの特徴は、カーテンやシートの縫製も含め、全てを自社で一貫生産しているところ。また神社やお寺を建設するときに宮大工が用いる日本の伝統的な大工工法「宮大工工法」を用いて家具類を製造。
ホゾで組み付ける事により、強度を高めることができるという。またオプションで用意される「北海道断熱」と呼ばれる寒暖差プラスマイナス50℃にも耐えられる断熱性にこだわっているのもポイントだ。
フィーカはレイアウトも特徴的で前方にL字キャビネットを配し、後方の二の字シートはサイドウインドウよりも低い位置にすることで視覚的な圧迫感と見晴らしのよさ、採光性を両立させることに成功。家具類を極力減らし、シート下を収納スペースとすることも功を奏している。
ワイドミドルルーフベースのキャンピングカーは数多くあるが、それらに比べても開放感が高くゆったりとできる空間になっている。実際、身長179cmの筆者でも視界の広さも相まって、居心地よく車内でくつろげた。中央に動線があることで車内の移動もしやすく、後方の荷物を取るときにもいたってスムーズ。これはフロントキッチンレイアウトによる効果がはっきりと現れている。
基本装備に加え手に届きやすい価格がうれしい
装備面はキッチンキャビネットにコンパクトなシンクのほか、45L両開き冷蔵庫を標準装備。上部にすっきりとインストールできるDC12Vクーラーはオプションで用意されているので、必要なら装着しておきたいところ。
ほかの装備については105Ahサブバッテリーや走行充電システムが標準装備で、インバーターはオプション設定でさまざまな出力から選べるようになっている。ほかにも高断熱処理などは最初から施工されているが、セラミック断熱塗装などの「北海道断熱仕様」はオプションで設定。
●乗車定員:8人
●就寝定員:3人
●全長×全幅×全高:4840×1880×2100mm
問い合わせ先:フォックス
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FLEX(フレックス)|ベルーガ
同社では初めてハイエースのワイドミドルルーフのワゴンGLをベース車両に用い、モデル名は「シロイルカ」が由来。
ハイエースのボディバリエーションで室内の広さにゆとりがあるのは、スーパーロング・ワイドボディ・ハイルーフだが、ワイドミドルルーフのほうが取りまわしがしやすく、都市部や細い道など普段使いにも向いているというメリットがある。またワゴンは10人乗りが標準設定だが、こちらは家具などの架装により6人乗りの仕様。
家具をひとつにまとめてスッキリとしたインテリア
セカンドシートにはキャンピングカー専用の1400mmFASPシート(イタリアFASP社のマルチモードシート)を採用し、横座りのサードソファに移動中も1人掛けできるようシートベルトなど保安部品を装備することで6名乗車が可能。フロントとセカンドシートで5人が前向きに座れ、普段使いにも配慮がされている。
キッチンキャビネットには開け閉めの多いスライドドア側に上開き式冷蔵庫を配置。リア側にはシンクを搭載し、蛇口部分を引き出し式シャワーヘッドにすることで外へ伸ばしてペットの足を洗ったり、キャンプ道具などの汚れを落としたりと、使いやすさが光る設計になっている。
ベッド展開はセカンドシートをフラットモードにし、サードソファの背もたれを通路にセットするだけ。最大で長さ2580mmのベッドは大人2人でゆったりと寝られ、小さな子どもやペットの就寝スペースも確保できるほど余裕があるのもベルーガならでは。
●乗車人数:6人
●就寝人数:2人
●全長×全幅×全高:4880×1880×2105mm
問い合わせ先:フレックス
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FLEX(フレックス)|ウッド・ヴィレッジ
ベース車はハイエースの中でもいちばんコンパクトな標準ボディDX5ドアを採用。ミニバンライクに運転ができ普段使いに優れているほか、6人乗車できて左右にスライドドアが備わるなど、使いやすさが魅力でキャンピングカー初心者にも乗りやすい1台だ。
コンプリート販売はもちろんのこと、すでにハイエースを所有している人でも持ち込み架装ができる。
フレックスが送り出す「自分らしい」ハイエース
室内はセカンドシートに海外のキャンピングカーにも多く採用されるFASPシート(形状を変えられるマルチシート)を採用し、荷室のマットを自由に組み合わせてダイネット展開が可能。
右側にシンク付きロングカウンターを備え、左側にはベンチをレイアウト。ベンチは一部カセットコンロ置き場としても使える設計で、下部分は電装システムと収納庫になっている。
デザインは天井のウッド張りをはじめスライドドアやバックドアの内張りのウッド化、ウッド柄重歩行フロアなどインテリア全体がウッド調でまとめられており、温もりある空間なのが印象的。前後に装着されるシートカバーもベージュ系のアースカラーで組み合わせられておりトータルできちんとコーディネートされている。
レトロな外観に変身させる「Re Classic(リ・クラシック)」ボディキットも用意
エクステリアも自分らしくできるアイテムを用意しているのも注目。これはオリジナルのキュートな丸目2灯ヘッドライトや樹脂製のグリルなど、ハイエースの外観を一新させてくれるボディキット「Re Classic(リ・クラシック)」。
商用車であるハイエースをクラシカルで愛らしいスタイルに変身させることができるので、車内と合わせて装着してみるのもおすすめだ。標準ボディ、ワイドボディのラインナップがあり、単体での購入も可能。
●乗車定員:6人
●就寝人数:3人
問い合わせ先:フレックス
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ナッツRV|リークIIIエボライト
国内大手のキャンピングカービルダーであるナッツRVの、ハイエースのなかでも最大サイズのスーパーロングワイドハイルーフをベースにした「リーク3」。既存のリーク2にはない、家庭用エアコンが標準装備。さらに断熱材には「エアフォリア」と呼ばれる素材を採用することで従来以上の断熱性を実現している。
また、エボライトと呼ばれる同社オリジナルの充電システムを搭載することでサブバッテリーへ短時間で充電が行えるようになっている。車内で使う電気についてもストレスフリーかつ、エアコンによる快適性も抜群。家具の作り込みの高さも同社ならでは。
●乗車定員:7人
●就寝定員:4人
問い合わせ先:ナッツRV
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キャンプ仕様にカスタム!ハイエース向けおすすめキット5選
neru海 W3インテリア4点セット
ベッド天板は車内テーブルとするほか、別売の脚を4本取り付ければ屋外でも使えるミニテーブルになるという仕掛けだ。無垢材のため自分で塗装できるのも高ポイント。
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neru海 Easy camping styleベッドキット
ベッドの下はおおよそW85×H45cmの広大な収納スペースがあるので、クーラーボックスやポータブル電源など大きくて重いものの置き場所にぴったり。
neru海では、棚なしベッドキットも用意しており、こちらは車幅いっぱいをベッドとして使える。棚なしキットを選び、あとから棚のみを購入することも可能。これなら家族との車中泊旅は棚なし、仕事に使うときは小物整理に便利な棚を取り付けるといった使いわけもできる。
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MIGRATRAILxCCcoupler モールシステムシェード
あまりに重いモノは掛けられないが、MOLLEシステム対応のポーチを取り付けた壁面収納でノーマル車でも手軽に硬派なインテリアを演出できる。もちろん日差しや視線を遮り、落ち着いて仮眠ができるのは言うまでもない。
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かーいんてりあ高橋 TAKシート
シート幅は1250mmと1500mmの2タイプを用意し、カラーはベージュとグレー、ブラックをラインナップしている。 もちろんクッション性も抜群。シート脇にある2つのレバーで背もたれのリクライニングとオットマンの角度調整が行なえて、ベッド展開のための余計な操作がない。
シートとオットマンをフルフラットに展開した際の長さは、1500mm。段差がなく、クッション性も抜群だが、子供サイズだ。そこで、荷室部分に、延長ベッド部分をセットできるベッドキットも用意されている。
かーいんてりあ高橋 TAKシート対応ベッドキット
ベットマットのレザーカラーも10色から選べるのもうれしい。本格的なキャンピングカーは必要ないが、車中で快適な睡眠はとりたい人にはぴったりのシート&ベッド。価格がリーズナブルで財布にも優しい。
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