松本明子のアポなし軽キャン日記 第5回
外国人客と日本人客の違いって?
前回、インバウンドのお客様のお話をさせていただきましたが、まだまだ話し足りないことがあるんです。
最近、みなさんも実感されていると思いますが、高速道路の支払いは、ほとんどがETCカードになってきました。とくに首都高速はほとんど現金ご法度です。こりゃ、外国のお客様は不便だぞーって思いまして。で、調べてみたら、トヨタレンタカーにあったんですよ。ETCカードのレンタルが!さっそくシステムがどうなっているのか、近くのお店にアポなしで聞きに行きました。
受付の店員さんが親切に教えてくれまして。1回330円でカードを貸し出しして、高速代を立て替えるんだそうです。
レンタカー返却時にETCカードのチップに記録された情報をもとにその場で精算してもらうので、後々面倒になることもありません。アムズレンタカーもETC利用履歴発行プリンターを導入させていただきました。
国が変われば性格も変わる!?
インバウンドのお客様を迎えるようになって感じたのは、海外の方ってすごく正直で礼儀正しく、お店とお客様が対等です。日本人はお店のサービスがあって当たり前なんですよね。
カナダ人のお客様に黄色のクールライダー1号をお貸ししたときのことです。
返却の何日か前に「フロントガラスに傷が!!」という連絡をいただきました。返却時に確認したら、よく見ないとわからないような小さな傷なんですが、「Sorry,sorry」って何度も謝られて。どこかの駐車場に止めたときにいたずらされたんじゃないかな、なんて話していて、クルマを購入した会社に聞いたら、「(中古で)もともとあった傷ですよ」 って。完全、こちらのミスです。
ほかにも、廣田さん(アムズレンタカーの業務部長)が夏休みで不在のときでした。アムズでは延長料金は返却時に現金払いしてもらうんですが、うっかりして、お釣りを用意していなかったんです。同級生の相談役、青倉さんが手伝ってくれていたので、事務所に小銭を取りに行ってもらい、その間お話をしてつないだんです。
これ以上お待たせしちゃ悪いと思って、精算後はチェックも早々にお帰りいただいたら、クルマに大きな傷がありまして……。あとからいうこともできず泣き寝入り。黙って帰っちゃったのは日本人のお客様でしたね。
日本人のお客様の場合
ほかにも、ブギーライダーのルーフテントのキャリアが曲がっちゃったときも、写真を撮って「Sorry」って報告してきてくれた外国人がいました。ちょっとずれて斜めになっちゃっただけなんですけど、弁償します、っていってくれるんです。海外の方ってホント、正直。
でも残念ながら、日本人の方はあまりいわない。“お客様は神様です”っていう風潮があるんでしょうね。
普段アムズでは、新宿か方南町(アムズの所在地)でクルマの受け渡しをしているんですけど、高円寺の駅前まで持ってきてほしいという日本人のお客様がいました。特別ですよ、って持っていったんですが、その当時はまだルーフテントの使い方を説明した動画を作っていなかったので、口頭で説明するしかなかった。駅前なので実際にやってみせることもできなかったんです。
その日は月曜日でニッポン放送でラジオの生放送。そこへお客様から「ルーフテントが壊れました」と連絡が!これまた廣田さんは夏休みで山口県へ帰省中。私は生放送中“これは大ピンチだ!”と焦りまくり!たまたま休暇中で名古屋から来てアムズレンタカーの留守番をしてくれていた、相談役の青倉さんにすべてを託しました!
その日は全車貸出し中で、残りは私のクルマしかない。とにかくそのクルマでお客様が立ち往生している静岡のキャンプ場まで急遽向かってもらいました。どういうわけかルーフテントが閉じない状態になっていたそう(ルーフテントを閉じないと公道を走れません)。ルーフテントは前と後ろから平行に持ち上げないとダメなんですが、どうやら横から上げてしまったのか?ダンパーのネジがはずれてしまい、金具がひん曲がって、ルーフテントが閉まらない状態になり壊れてしまったのです。
結局、汗だくで青倉さんひとりですべてのネジをはずして屋根とダンパーを分離させ、折り畳んだ状態でお客様に走って帰ってもらいました。
学生さんに貸したときも、高さの説明をするのを忘れていて……。
ルーフテントを付けていると天井高2.2m以下のところは入れないんですけど、スーパーの立体駐車場に入っちゃって、ガリガリガリ。
大学生じゃお金ないだろうって思って、手間賃だけもらいました。でも修理業者さんも、屋根だけ換えましょうってやってくれて。みなさんに助けられながら頑張っております。
その後、動画を作り、借りてくださる方には、事前にメールに動画をつけて送るようになりました。これも失敗あってこそ。トラブルあっての改善です!
「アムズのスペシャルサービス、40〜50代には喜ばれます」
あ、ほかにもアムズには特別なサービスがありまして。私がいるときは、お客様のスマホでクルマの前で一緒に記念写真を撮ります。もちろん、外国人は私のことなんて知りません。10代、20代の人は、「店員さんと写真撮るサービスなんてあるんですね」ってピンと来てないようで、廣田さんが横からコソコソ、「自己紹介したほうがいいですよ」なんていうから、「アイドルやってたんですよ」って伝えたら、
「おばあちゃんに聞いてみます」
っていわれました。
いろいろ書きましたが、私たちにとってはお国柄に関係なく、すべて大切なお客様です。
●松本明子さんのレンタカー、オフィスアムズはこちら→https://officeams.com/
群馬の谷川岳を登ってきました
暑い中何度かへたりそうになりましたが、無事頂上(トマの耳)まで辿り着きました。
岩場はツラかった……。
※構成/大石裕美 撮影/三浦孝明 写真提供/オフィス アムズ
(BE-PAL 2024年11月号より)