ルアーであるエギの発祥は江戸時代ともいわれるほど歴史ある釣りですが、近年ではそんなエギの進化も目覚ましいものがあります。
この記事ではオーソドックスなタイプのエギに加え、これはと思うような進化を遂げたエギを2種類紹介します。
独特のフォルムを持つルアー「エギ」
エギは漢字で餌木とも表記され、日本に古来から伝わるルアー。その発祥は300年前ともいわれます。独特なフォルムは永い年月大きく変わることなく、300年前から変わらず現代でも各地でアオリイカは釣り続けられています。しかし、フォルムはそのままですが、劇的な進化を遂げているのが現代のエギなのです。
オーソドックスで使いやすい、オーナーばり「Cultiva Draw4」
まず紹介するのは、釣り針メーカーの雄である「オーナーばり」のルアー専門ブランド、Cultivaから発売されている「Draw4」です。エギをキャスト(投げること)して数秒沈めたのち、ロッドを煽って(シャクる)エギを跳ねさせてアオリイカを誘い、その後数秒エギを静止させてアオリイカに抱かせる(イカ類は触手で獲物を掴むことから、食いつくことを抱くと表現する)というのが、エギングの基本的な釣り方です。
「Draw4」は特殊な構造を持たない普遍的なエギながら若干スリムなシルエットから水の抵抗が少なく、シャクる動作がしやすく使いやすいエギに仕上がっています。
エギを止めても誘い続ける、シマノ「セフィア クリンチ フラッシュブースト」
次に紹介するのは、シマノのエギングブランドであるセフィアから発売されている「クリンチ フラッシュブースト」です。このエギの最も大きな特徴は、内部にフラッシュブーストと呼ばれる機構が組み込まれている点です。
ルアー内部の反射板が両端を極小のスプリングで保持され、宙に浮いた状態のようになっています。このフラッシュブースト機構はシマノの他のルアーでも採用されており、ルアーを停止させても反射板が数秒のあいだ揺れ続けることでキラキラと光を反射して魚を誘い続けるという特徴を持ちます。
エギを止めてる間にアオリイカに抱かせる釣り方であるエギングは、静止したエギを見せつけることでアオリイカに獲物が偽物であると気づかせてしまうという面も持ちます。ロッドをシャクってアオリイカを誘う他にも、エギを静止させている間も反射光で誘い続けてしまう「クリンチフラッシュブースト」は、アオリイカを騙す能力において他のエギとは一線を画した特性を持っているといえるでしょう。
圧倒的な飛距離を出す、DUEL「マグQ タングステン」
最後の紹介するエギは、ルアーメーカーのDUELから発売されている「マグQ タングステン」です。「マグQ タングステン」の特徴は、エギ内部を高比重のタングステン製のウェイトが移動することにより飛距離を伸ばす、重心移動システムが搭載されていることです。
内部のウェイトがキャスト時には後方へ移動しエギの飛行姿勢を安定させ、着水後はウェイトが前方に移動してエギの動作をサポートします。重心移動システムは他の釣種のルアーでは何十年も前から搭載されていましたが、エギに搭載されたのは近年で、DUELが初となります。
「マグQ タングステン」のキャストの飛距離は3.5号のタイプで70mにも及ぶとされ、誰よりも遠くのアオリイカを誘い出すことができます。岸に立つ釣りにおいて飛距離は何よりもメリットといえるでしょう。
まだ楽しめる晩秋~初冬のエギング
アオリイカ狙いのエギングの最盛期は秋といわれますが、温暖な地域では通年、私が住む北陸でも晩秋まで楽しむことができます。水深のあるエリアでは11月下旬でも狙うことができ、1キログラムを超える大物「キロアップ」も期待できます。
マナー・ルールを守り、進化を続けるエギを使用して、アオリイカを狙ってみませんか?