【地中海の香り漂うベッドで車中泊!|伴 隆之のキャンピングカーレビュー】
エトルスコにしか作れないモダンさが魅力
2022年10月より、ナッツRV、RVランド、ホワイトハウス、トイファクトリー、岡モータースといった5社のキャンピングカービルダーが正規代理店になったことで、フィアット・デュカトが正式に輸入販売され、整備などのサービスもスムーズに行われるようになりました。そんなこともあって、ここ2年でデュカトベースのキャンピングカーは確実に増えています。
そこで今回はイタリア発の新進気鋭ブランド「エトルスコ」のニューモデルを紹介して行こうと思います。
と、その前に「エトルスコ」の概要を説明しましょう。エトルスコはイタリアのトスカーナ州に2016年に誕生した、欧州の巨大キャンピングカーメーカーであるハイマーグループに属する新ブランド。エトルスコという名前は、ローマ帝国以前にイタリア半島中北部を支配していた都市国家であるエトルリアに由来。
当時のエトルリア人は高度な技術に加え、エレガントで耐久性のある芸術作品を作ることで有名でした。そんな名を冠したエトルスコのキャンピングカーは、デザインと効率的な生産を通じて先人の哲学を反映しているのが特徴です。
工場はトスカーナ州サンカシアーノにあります。ここにはエルバ島を代表とする、トスカーナ群島と呼ばれる島々があり、そんな地中海のエレガントかつモダンなライフスタイルがデザインに反映されているのです。
それではさっそく「CV 600DB」を見ていきましょう。
欧州バンコンでは定番のレイアウトで使いやすい
ベース車両は複数のボディサイズがあるデュカトバンの中でも全長6mを切るL3H2ボディを採用。L3H2ベースのバンコンはさまざまなビルダーからリリースされていますが、エトルスコのDBシリーズはイタリアンデザインに加えホワイトを基調とした明くる清潔なインテリアが魅力。
ホワイトを基調とすることで、白いキャンバスに好きな小物や絵を飾って、旅の思い出と共に自分だけの空間に仕上げていってほしいという思いをカタチにしています。
そんなシンプルでモダンなインテリアはフロントシートにレザーとファブリックを用い、ヘッドレスト部分にブランドロゴの刺繍を施すなど、上品かつスタイリッシュ。家具類についてもさすがハイブランドだけあって、扉の閉まり具合もダンパーによるカチッと感など、こだわりが詰まっています。
レイアウトはフロントシートを反転させ、前向きのセカンドシートとの間にある伸縮式テーブルを囲めば、リビングモードへ簡単に展開が可能。
中央は通路を挟んでキッチンやトイレを配置し、後部は常設のハイマウントベッドという欧州バンコンでは定番ともいえるレイアウトを採用。スライドドアのそばにキッチンキャビネットを置くことで、外から冷蔵庫へアクセスしやすいのも嬉しいポイント。
トイレルームには洗面スペースに加えてシャワーも備わり、大人でもゆとりを感じられる広さをしっかりと確保しています。
ポップアップルーフ搭載車なら家族利用も可能
基本は2人旅仕様ですが、取材車のようにポップアップルーフ搭載モデルも用意。ルーフのテント部分に2人、リアのハイマウントベッドに2人と4人家族で優雅な旅ができるようになっています。
電装系については95Ahサブバッテリーに走行充電システムを標準装備。オプションで1500Wインバーターや150Ahリチウムイオンサブバッテリーも用意するなど、旅のスタイルに合わせて仕様変更も可能。
シンプルでモダンなイタリアンデザインなど、エトルスコにしかない空間の質感が魅力の1台。カップル、家族で優雅な旅を楽しみたい人におすすめします。価格は1694万円〜。
問)ユーロ・トイ