自宅でもできる!ベーコンの基本的な作り方
ベーコンは、実は家庭でも簡単に作ることができる。しかも本格的で、市販のベーコンよりもずっと美味しいものを。家でもできる本格ベーコンを、1週間で作る方法を紹介しよう。
材料
- 豚バラ肉ブロック 500g
- 塩 15~25g
- こしょう 5~15g
- 三温糖 5~15g
- ハーブ(ローリエやオレガノなどをお好みで少々)
- 酒(日本酒やウイスキーをお好みで少々)
食材以外では、市販の燻製器、スモークチップまたはスモークウッド、食材を乾燥させる干し網が必要だ。
作り方
燻製作りは、燻す前の工程が非常に大切だ。一つ一つの工程自体は難しくないが、ベーコン作りには最低でも1週間が必要。その分、食材を育てるような感覚を楽しめるのが、燻製作りの魅力でもある。
1週間の工程とポイントをまとめたので、実践に移る前に確認していこう。
塩漬け&塩抜き
まずは下処理。塩漬けをする前に肉をよく洗い、竹串などで肉に穴を開ける。こうすることで、塩分が良く浸透する。グサグサと満遍なくやろう。
塩、こしょう、三温糖を肉全体にまぶしていく。分量をいちいち計るのが面倒だという方は、調味料が肉全体をまだらに覆うくらい、と覚えておいても構わない。ハーブや酒も、このタイミングで加える。ここではさまざまなハーブが入ったクレイジーソルトを使用した。
調味料を満遍なく肉にまぶしてすり込む。それが終わったら、肉をラップに包み、ジップロックなどに入れて冷蔵庫で保管する。均一に調味料が浸透するよう、保管中は肉を揉んだり、ひっくり返したりして、愛情込めて肉を育てよう。保管期間はだいたい4~5日間。
塩漬けを終えた肉塊をボールなどに入れ、2時間ほど流水にさらす。これが塩抜き。終わったら水分を優しく拭き取り、乾燥に移る。
乾燥
塩抜きが終わった肉を、干し網に入れて乾燥させる。直射日光が当たらず、風通しの良い涼しい場所が理想だ。時間は8~12時間程度。目安は肉の触り心地で、表面がさらさらしていればOK。 冷蔵庫で乾燥させる場合は、24時間はみておこう。
乾燥は、ベーコンの良し悪しを左右する。十分に脱水できてないと、酸味の強いベーコンになる。このあたりは好みにもよるため、ベーコンを研究したいという方は、乾燥時間を変えてみても面白いだろう。
次に、燻製器を使って肉を乾燥させる。スモークチップやスモークウッドを使わず、熱源だけを使う。燻製器内を50度前後に保ちながら、1時間ほど乾燥させる。
燻製
ここではカセットコンロとSOTOの燻製器を使用し、ベランダで燻製を行った。家庭のキッチンで使える燻製器であれば、屋内でも大丈夫(換気扇を最大出力で稼働させよう)。
燻製器に肉を吊り下げて、スモークチップを皿に盛り、コンロを点火。燻製機内の温度は、50度~70度程度であれば問題ない。燻製時間は、2~3時間程度。スモークウッドの場合も手順はさほど変わらず、着火したウッドを皿に置いてセットするだけ。
しっかりと色が付いたお肉。もうベーコンと呼んで差し支えない仕上がりだ。
ただ、ここではまだ実食せず、ぐっと我慢することをおすすめする。一晩おくことで、煙の匂いが落ちつき、味がなじむからだ。 そのまま燻製器の中に放置してもいいし、冷蔵庫の中に保管してもOK。ただ、ラップなどで密閉はしないようにしよう。この最後のひと手間が終われば、本格ベーコンの完成だ。
できあがったベーコンは、冷蔵庫の中であれば1ヶ月ほど保存がきく。パスタやソテーなど、さまざまな料理との相性は抜群で、そのまま炙って食べても絶品だ。
▼参考記事
「ウェーバー|スモーキージョー」で簡単!自家製ベーコンの作り方
Weber(ウェーバー) スモーキージョー プレミアム チャコールグリル37cm
焼き、蒸し焼き、燻製と幅広い調理が可能な「スモーキージョー」。スモーキージョーで手軽に作れる自家製ベーコンを紹介しよう。
ベーコンづくりの基本の工程は、塩漬け、塩抜き、乾燥、燻製の4つ。時間はかかるが、作業自体は少ないので、ぜひ作ってみてほしい。
材料
- 豚肉ブロック(三枚肉) お好みで
- 塩 豚肉に対し2%
- 砂糖 豚肉に対し1%
- お好みのスパイスやニンニク
作り方
1.塩漬けにする
豚肉にフォークで穴をあけ、染み込みやすくしたら、全部の材料をポリ袋に入れ、よくもみ込む。あとは冷蔵庫で5日間ほど寝かせ、1日1回上下を返す。
2.塩抜き
塩漬けした肉をボールに入れ、水に浸す。このまま6時間ほど放置し塩抜きをする。時間が経ったら、肉の端を少し切り、フライパンで焼いて塩加減を確認する。
まだ塩辛ければ、再度新しい水に浸し、追加で塩抜きをしよう。
3.乾燥
外で乾燥させる方法もあるが、筆者は高温多湿の沖縄に在住のため、冷蔵庫で乾燥させている。
塩抜きが終わった肉の表面の水気を、キッチンペーパーで拭き取る。拭き終わったら、新しいキッチンペーパーで包み、お皿などにのせて冷蔵庫に1日置き、乾燥させる。
時々様子をみて、キッチンペーパーが湿っていたら交換する。
4.燻製
乾燥が終わったら、いよいよ燻製。燻製に使用するのは、肉とスモークウッドのみだ。
スモークウッドは火を付けるだけで、それ自体が熱と煙を発してくれる手軽な燻煙材。長さで簡単に燻製時間を調整できる。スモークウッドの木材はいろいろあるが、ここでは、子供でも食べやすい優しい香りのリンゴを使用した。
スモークウッドに火をつけたら、網と豚肉を配置する。 その際、豚肉の肉汁が垂れると火が消えてしまう場合があるため、豚肉はスモークウッドの上には置かないようにする。
蓋をする際は、煙の動線が豚肉に向くように、通気口が豚肉の上となるように蓋をしよう。
今回は2時間ほど燻してみる。煙が出なくなるまで待ち、煙がおさまったら蓋を開けてみよう。
綺麗な色合いに燻すことができ、美味しそうなベーコンの香りが周囲に広がる。作ったばかりのベーコンも美味しいが、密閉容器に入れ1日冷蔵庫で寝かせると、香りが落ち着き、さらに美味しくなる。
▼参考記事
「マルカ|くんせい器スモーくんDX」で作る手軽&本格ベーコン
マルカ くんせい器スモーくんDX
マルカ株式会社は、大正12年創業の「湯たんぽ」の総合メーカー。湯たんぽの製造技術を生かし、バケツやBBQ商品も製造している。
「くんせい器スモーくんDX」で本格スモークベーコンを作ってみよう。
下準備
まずは下準備をしよう。お肉は豚バラブロックを使う。
今回は、半分に切って「ピックル液バーション」と「ふり塩バージョン」の2種類を作る。どちらも「塩漬け」だが、塩による脱水効果で、食材の腐敗を防ぐと同時に、殺菌の効果もある。
ピックル液バージョン
ピックル液とは、塩をベースに、スパイスやハーブをアルコールや水で煮立てた液体のこと。一般的に「ソミュール液」と呼ばれている物は、実は「ピックル液」だ(ソミュール液は4~20%濃度の食塩水のこと)。
食材を「ピックル液」に漬け込むことによって、脱水しつつ味付けも同時に行える。今回は250gの豚バラブロックが浸るぐらいの量で作る。
- 水 300cc
- 塩 21g(水量の7%)
- 三温糖 10g(塩の約半分)
- クレイジーソルト 適量
- ローリエ 1枚
- 赤ワイン 適量
鍋に水・塩・三温糖・クレイジーソルトを入れ、10~15分煮立たせたら、火を止めて冷めるまで放置。
冷めたら、保存袋に豚バラブロックを入れ、ピックル液を流し込む。この時点でワインを適量投入。アルコールを入れると、肉が柔らかくなる効果がある。ローリエはお好みで。
ふり塩バージョン
塩の量は食材の重さの5%~10%が適量。ここでは、塩とスパイスの両方が入った「クレイジーソルト」をすりこんだ。
作り方
3日から一週間、冷蔵庫で漬け込む
今回は5日間漬け込んだ。
塩抜き
漬け込んだ豚バラブロックを水で洗い流し、冷蔵庫で半日から1日水につけ、塩抜きをする。
塩抜きする理由は、そのままでは塩辛すぎるのと、塩抜きすることによって、塩の浸かり具合が均等になり、適度な塩味になるということ。匂いや不必要な脂肪分などを洗い流す意味もある。
半日~1日乾燥
次に、塩抜きした豚バラブロックを乾燥させる。 その前に、塩抜きできているか、チェックしてみよう。肉の端を切ってフライパンで焼いて味見。少し薄味ぐらいがベスト。この時点で塩辛い場合は、塩抜きが足りていない。
食材を乾燥させないと、燻製の煙と食材の表面の水分が反応して、酸味やえぐみ、苦味が出てしまう。風通しの良い日陰に干すか、冷蔵庫にラップをかけずに入れておくと乾燥させられる。半日から1日ほど乾燥させよう。
燻煙
吊るす場合はタコ糸で結ぶ。網に置く場合は、結ばなくても大丈夫。
今回は、スモークチップではなく、スモークウッドを使う。スモークチップは下からガスコンロなどで熱し煙を出すが、スモークウッドはウッド自体に火をつけて、煙を出し燻すものだ。スモークウッドは、温燻法にちょうど良い温度になる。
点火したら、時々温度をチェックしながら、3時間ほど燻煙。燻煙が終わったら、1~3時間ぐらいそのまま放置して馴染ませる。(燻煙の直後は苦味があるため)
3時間ほど放置してフタをオープン。美味しい燻製のできあがり!
▼参考記事