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深さ1メートルの川を渡れる「ディフェンダー OCTA」も登場
1年のうちでアウトドアが一番気持ち良い季節なので、各地でさまざまなイベントが開催されていますね。
「DESTINATION DEFENDER TOKYO 2024」の会場は、有楽町線豊洲駅でゆりかもめに乗り換えて二つ目の「市場前」駅の先の広い敷地です。今年で2回目の開催。
会場の入り口では、ライブペインティングパフォーマンスが行われていて足を止めました。アーティストのKeeenueさんが大きなキャンバスにディフェンダーを原色で描いていきます。
そこを過ぎると入り口で、限定販売車の「ディフェンダー OCTA」が展示されています。
ブラックのルーフにゴールドのボディカラー、ゴールドのオーバーフェンダー、ゴールドに塗られたボンネット先端のDEFENDERのエンブレムが迫力満点。
635馬力もの最高出力、250km/hの最高速度や4.0秒の0-100km/h加速など、オンロード性能に特化したクルマのようにも見えますが、一方で最大渡河水深がこれまでの90cmから100cmに深まったことからオフロード走破性能も向上しています。乗ってみたいですね。
ディフェンダーで45度の坂を登れる?
会場は大きく三つに分けられていました。
一つ目は試乗エリア。
高さ5m、最大斜度43度の専用スロープをインストラクターの運転で体験できるツインテラポッド、最大斜度45度の急坂やモーグル路を想定した2種類のテラポッド、参加者がハンドルを握れるバンクなど、ディフェンダーの並外れた走破性能を体験できるさまざまな施設が並んでいます。
併せて、参加者が運転できる約30分間の一般道試乗の発着場所などもあります。
ここまででしたら、他の自動車ブランドのイベントでも用意されています。この先が他と違うのです。
子供連れ・犬連れ家族も楽しめる
二つ目がワークショップ&キッズ&ペット向けの一角。ディフェンダーをモチーフとしたシルクスクリーンプリントや木のクルマ制作、タフティングトレー制作、カッティングボード制作などを大人も子供も楽しめます。
ドッグスポーツアジリティ講座やキッズバブル体験ワークショップ、キッズラグビー体験、スパルタンキッズ ミニレースチャレンジなど、本当にたくさんのアクティビティが用意されていました。
また、同じエリアには1980年代にキャメルトロフィラリーに日本から出場した当時のディフェンダーや古くから日本で大切にされてきた昔のディフェンダーなどが展示されていました。
現行ディフェンダーそのものを展示しないでも、その世界観を十分に体験できるようになっていました。世界観の訴求は大事ですね。クルマそのものだけではなく、そのクルマに乗ったらどんな世界が開け、どんな毎日が送れるようになるのか? それを想像させられるかどうか。
STUTSほか、音楽ライブも
三つ目はステージとそれを囲むテーブルと飲食スタンド。J-WAVEとコラボして、土曜日と日曜日で有名ミュージシャンが多数出演します。僕の好きなSTUTSが土曜日に出演していましたが、その時間は丸の内で同乗体験ドライバーを務めていて聴けなかったのが残念でした。
飲食も屋外なのにきちんとしたテーブルと椅子がたくさん並んでいて、何種類もの食事と飲み物スタンドが並んでいて、とても快適に過ごせます。焼きソバやホットドッグを立ち食いして終わりではないところがイベントのクオリティを上げていました。
だからといって贅沢をしているわけではなくて、食器類は再生可能材の使い捨てで、片付けも顧客が効率的にできるように工夫されていたところ今日的で好感が持てました。
天気も良く、会場には多くの来場者が詰め掛けていました。小さな子供連れでも楽しめるものが多く、ドッグランまで用意されていたのでゆっくりと過ごせたのではないでしょうか。
世界一ハードなラリー「Camel Trophy」のトークショーも
新しい顧客層にアピールするのは大切なことですが、その一方でこれまで買ってくれたお客さんをもてなすことも忘れてはなりません。でも、そこも抜かりなく、このイベントでは会場で朝8時から10時まで、ディフェンダーオーナー限定の朝食ミーティングが用意されていたのです。
来場者の駐車スペースを見ると、現行ディフェンダーだけでなく、先代以前のディフェンダーがモデルや年式もさまざまに駐められていました。
新規と既納のバランスは難しいだろうなと外野から見ていても想像できます。でも、ここでは上手に運ばれているようです。ディーラーでは組み付け工賃が発生するアクセサリーやオプションなどの工賃無料サービスも既納顧客に喜んでもらえていました。
イベントは東京の豊洲で行われていますが、同じ時に提携した千葉の館山市にある「鋸南ほしふるキャンプ場」のオートキャンプ11区画をジャガーランドローバージャパンが確保し、ディフェンダーオーナー向けに貸し切るサービスも行われていました。
“イベントも気になるが、季節が良いのでキャンプにも出掛けたい”というオーナーの正直な気持ちに応えた、痒いところに手が届くようなサービスです。
さらには、コアなディフェンダーファン向けのアクティビティも用意されていました。古くからランドローバー各車のイベントやメディアイベントなどを世界中で撮影してきたカメラマン、ニック・ディンブルビー氏をイギリスから招き、作品を展示してスピーチも行われました。
おそらく彼のファンなのでしょう、彼の作品を集めた分厚い写真集「Camel Trophy」を携えて来場した人もいました。
僕もニックとは南アフリカやアリゾナでのランドローバーのオフロードドライビングイベントなどで、一緒に何日間もテントに泊まりながら旅をしたことがあるので、久しぶりの再会にうれしくなってしまいました。
アウトドアファンにもおすすめの優良イベント
「DESTINATION DEFENDER TOKYO 2024」は良く準備され、予算と手間とアイデアが存分に込められたとても良いイベントでした。
「昨年のイベントが終わった翌日から準備を始めました。もちろん、社内のチームだけではなくてさまざまな代理店や外部の人たちと一緒に計画を練ってきたので実現できました。おカネも掛かりましたけどね」
旧知のジャガーランドローバーのマーケティングスタッフは微笑みながら準備の過程を振り返っていました。
僕も仕事柄、さまざまなクルマ関連のイベントを覗いてきたけれども、今回の「DESTINATION DEFENDER TOKYO 2024」のイベントとしての完成度の高さには感心させられました。早くも来年の開催が楽しみになってきますね。