柚子の魅力と使い方
四季折々の食材をうまく活用すると、キャンプやアウトドアの時間を、より豊かにおいしく彩ることができます。柚子も、そのような食材の一つです。まずは、柚子の具体的な魅力と使い方について解説します。
皮も果実も栄養豊富な万能食材
柚子といえば、酸味と香りが大きな特徴です。例えば、たき火で焼いた魚に柚子を絞ると、独特な酸味が素材のうま味を引き立て、爽やかな香りが食欲をそそります。
さらに、皮と果実のどちらも、豊富な栄養を含んでいる点も魅力です。皮には、老化防止に効果的なビタミンCや、血行を促進させるリモネンなどが含まれています。
果汁には、むくみ解消が期待できるカリウムが、豊富に含まれていることも見逃せません。脇役としてはピカイチの実力派なので、さまざまな料理に活用して、柚子の栄養を丸ごといただきましょう。
柚子を効かせたキャンプ飯2選
食べ慣れた料理も、柚子を加えるだけで新鮮な味わいになります。アウトドアにおすすめの、冬に食べたいメイン料理を紹介します。
がっつりメインに「ローストポーク柚子風味」
材料(4人分)
- 豚肩ブロック 400g
- ジャガイモ 2個
- タマネギ 2個
- ニンジン 1本
- 柚子 1個
- にんにく 3かけ
- 塩 適量
- コショウ 適量
- オリーブオイル 適量
作り方
- 豚肩ブロック肉に塩コショウをもみ込む
- 1に3〜4cmの間隔を空けて切り込みを入れる
- 柚子を薄くスライスし、2の間に差し込む
- ジャガイモ・タマネギ・ニンジンを大きめの乱切りにする
- 熱したフライパンにオリーブオイルを引き、3と2を並べ入れる
- フタをして弱火で約30分焼く
塩コショウでさっぱり仕上げたロースト肉に、柚子を効かせてさっぱりいただく一品です。仕上げに上から柚子の皮を削ると、さらに柚子の風味が引き立ちます。
タマネギは、煮込み過ぎるとトロトロに崩れてしまいます。崩れた状態でもおいしいのですが、形を残したい場合は大きめにカットするとよいでしょう。
寒空の下でもポカポカ「柚子丸ごと鍋」
材料(3〜4人分)
- 鶏もも肉 300g
- しいたけ 6枚
- 水菜 200g
- 白菜 1/4株
- 絹ごし豆腐 1丁
- 山芋 250g
- 柚子 1個
- 水 1L
- 粉末だし 小さじ2と1/2
- しょうゆ 100mL
作り方
- 鶏もも肉・白菜・山芋を一口大にカットする
- 長ネギ・水菜は5cm程度にカットする
- しいたけは汚れを水拭きして、石づきを取っておく
- 1・2・3を鍋に並べ入れ、柚子を丸ごと真ん中に置く
- 水・粉末だし・白しょうゆを加えて約30分煮込む
柚子を、丸ごと大胆に使うレシピです。山芋は、柚子との相性がよく、煮込むとホクホクと食べやすくなります。
しいたけの軸は、割いてだしとして使うのもおすすめです。柚子の酸味・風味をより強く感じたい場合は、柚子に数カ所切れ目を入れておくとよいでしょう。
キャンプ飯に合う手作り柚子調味料2選
子どもは、柚子のような香りが強いものが、苦手なことも少なくありません。そのようなときのキャンプ飯には、後から加える調味料として柚子を活用するのがおすすめです。
無駄なく使える「柚子みそ」
材料
- 柚子 1個
- 白みそ 200g
- 砂糖 50g
- みりん 大さじ2
- 酒 大さじ2
作り方
- 柚子をよく洗い、皮の部分をすりおろす
- 小さめの小鍋に柚子以外の材料を加えて中火にかける
- 2がねっとりしてきたら火を止めて1を加える
マイルドな白みそに、甘みと柚子の風味をプラスした調味調です。甘辛い味付けで、肉野菜炒め・ステーキ・湯豆腐・おひたしなど、さまざまな料理に活用できます。
冷蔵庫で約1週間保存できるので、キャンプの数日前に用意しておくと便利です。
簡単に作れる「柚子コショウ」
材料
- 青柚子の皮 約5個分
- 青唐辛子 40g
- 塩 大さじ1
作り方
- 青柚子の皮をすりおろす
- 青唐辛子のヘタと種を取り除き、みじん切りにする
- 1・2に塩を加える
- 3をすり鉢などに入れてすりおろす
青柚子は、薄くむいた皮をフードプロセッサーにかけると、簡単に細かく刻めます。
青唐辛子は、皮の刺激が手や目にも移るため、手袋は必須です。さらに、マスクやメガネを着用するなど、なるべく刺激を避ける対策をしておきましょう。
柚子で作るアウトドアスイーツ2選
柚子は、スイーツの風味付けにもおすすめです。子どもと大人それぞれに向けた、食事後に口にしたくなる柚子レシピを紹介します。
爽やかな香り「柚子ホットケーキ」
材料(3〜4人分)
- ホットケーキミックス 200g
- 牛乳 150mL
- 卵 1個
- 柚子 適量
- バター 適量
作り方
- 柚子の皮を細かく刻む
- バター以外の材料をすべてよく混ぜる
- よく熱したフライパンを1秒ほどぬれ布巾の上に置く
- 火に戻したフライパンにバターを引き、2をお玉1杯分薄く伸ばす
- 生地がフツフツしてきたら裏返して約1分焼く
柚子の皮を加えることで、食べ慣れたホットケーキがほんのりと苦い大人の味付けになります。何枚か重ねて、仕上げに生クリームや粉砂糖を振りかけると、子どもも食べやすくなるでしょう。
星空を眺めながら「柚子のグリューワイン」
材料(3〜4人分)
- 赤ワイン 750mL
- 柚子 1個
- りんご 1/4個
- オレンジ 1/4個
- ショウガ 1かけ
- シナモンスティック 2本
作り方
- 小鍋にカットしたフルーツとショウガ、シナモンスティックを入れる
- 赤ワインを注いで火にかける
- 沸騰しない程度の温度で5分ほど煮込む
- 4をカップに移す
冬の冷える夜にぴったりの、優しい味わいのホットワインです。フルーツは、りんごやオレンジに限らず、好みのものを入れて構いません。
シナモンスティックが苦手な人がいる場合は、一緒に煮込まず、カップに移した後に欲しい人だけ入れるようにしましょう。
まとめ
柚子は、その独特な酸味や香りで食材のうま味を引き立て、料理に新鮮な風味をもたらします。加えて、豊富な栄養も含まれているのが特徴です。
メインを張る機会は少ないものの、冬場にはその味わいを生かしたレシピが好まれる、頼もしい脇役です。子どもに冬の味覚を教える、よい機会にもなります。
キャンプ飯に欠かせない調味料やスイーツに柚子を加えることで、アウトドアでの食事が一層おいしくなります。柚子を使った多彩なレシピで、キャンプ飯を楽しみましょう。