「お湯が出なかったよね?」そんな朝の会話から始まりました。ディナーで結構ワインを飲んだにも関わらず、時差が解消されず、相変わらず2時間おきに目が覚めるのでした。
こんなに順応できないのだろうかと不安になります。。
昨夜、宿ではお湯が出なくて大騒ぎだったそうです。柏倉さんは我慢して水シャワーを浴びたそうでしたが、根性のない私はディナーから戻ってお湯が出るようになってから
シャワーを浴びたのでした。
朝食会場にむかうと結構な寒さです。柏倉さんと相談して少し早めに出発しようと午前八時半ころホテルの外にでると、駐車場に停まっているGORE社の車も凍っていました。
歩き始めると、霜の世界です。本日は、約19kmの道のりです。
今日も早朝にもかかわらず多くの巡礼者が歩いています。特に目にしたのが中学生くらいでしょうかね。本当に若い方が多く歩いています。
アズーラからの道のりは、まさに郊外を歩くといったかんじで、自然の真っただ中というよりは、のどかな農村を歩いているといった感じでしょうか?
そんなこともあり、多くのカフェを見つけることが出来ます。日本でこんな場所にカフェを作っても人が来ないでしょう?というような場所に、急にカフェがあるのには
驚きます。そして朝からビールで赤ら顔の方もいます。
僕と柏倉さんの旅は、今日も1組の女子と、同じようなペースで歩くことになります。
僕らが写真やビデオを撮っていると彼女達が追い抜いていく。また僕らが追い抜き、また抜かれる感じでした。
朝、最初に見かけたときの印象は、「モデルさんじゃない?」「足ながっ」でした。そしてやはりラテンの血なのか、ときおり陽気に2人で歌いながら歩いているのでした。
カメラを向けても嫌がる素振りもなく、むしろ撮られていることに慣れているそんな感じでした。昼食会場のGORE社のテントに到着すると、彼女たちの姿は陽気な歌声と共に道の先に消えていくのでした。
ルートのそばでランチパックを食べていると、1つの団体なのだろうか?200名くらいが歩いてきます。
その後も私たちが昼食を食べている間中、多くの巡礼者が歩いてきていました。これでもサンティアゴ・デ・コンポステーラのオフシーズンかと思うとハイシーズンにはどれだけの人が歩くのだろう。考えても想像がつきませんでした。
(2017年は3月が約7,000人 最盛期の8月は約50,000人です!)
午後からも集落を歩くような道のりが続きます。庭先の小道を歩いたり、分岐点でコースが分かれたりです。そして、本日も集落でかわいいニャンコたちとの触れ合いが!待っていたのでした。
たっぷりと触れ合って歩き出すと、午後2時頃には目的地である、O Pedrouzoに着くのでした。今までより少し大きいな町です。チーム日本は、ユーロ圏の方々と違う宿でしたが、とてもかわいいいい感じの宿でした。
こうして2日目も終了。明日1日で、このハイキングイベントも終わると思うと、もう少し歩きたい気持ちがわき上がり、夕食の時間まで1人カメラを持って町を歩きながら色々考えていたのでした。
必要な荷物は運んでくれる。僕は純粋に必要な物だけ持ってゆっくりと景色や人や歴史や文化に触れあう。時間なんて気にしないほどのゆったりとした行程です。
きっと僕はこんなに荷物を背負わず、ゆっくり色々な物を眺めながら歩いたのは初めだと思います。こんな歩き方が出来るのもサンティアゴ・デ・コンポステーラの魅力なのかもしれないと思ったのでした。
つづく
【Profile】斉藤正史
山形県在住
LONG TRAIL HIKER
NPO法人山形ロングトレイル理事
トレイルカルチャー普及のため国内外のトレイルを歩き、山形にトレイルを作る活動を行う。
ブログ http://longtrailhikermasa.blog.fc2.com/
山形ロングトレイル https://www.facebook.com/yamagatalongtrail