国井律子の平日ひとり旅。神奈川県の「大山」でトレッキングと今年最後の紅葉を堪能
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    2024.12.20

    国井律子の平日ひとり旅。神奈川県の「大山」でトレッキングと今年最後の紅葉を堪能

    国井律子の平日ひとり旅。神奈川県の「大山」でトレッキングと今年最後の紅葉を堪能
    早いもので2024年ももうすぐ終わり。今年最後の紅葉が楽しめる場所ってどこだろう。しかも都内のわが家から日帰りできる場所。調べたら神奈川県の「大山」が出てきました。新宿駅から伊勢原駅までは小田急線で1時間弱。そこからバスで30分ほどの場所に登山口があります。前から気になっていた大山。暑い時期はヤマビルが出るらしく、「いまだよいま!」 というわけで大山ソロ登山レポートです。

    初心者から上級者まで楽しめる大山

    大山阿夫利神社下社の紅葉。

    やっと歩きやすい季節になりました。大山阿夫利神社下社の紅葉を見に行ってきました。

    次男も来年小学生。だいぶ手が離れました。ということに夏ごろにハッと気づき、独身時代、長年楽しんでいた「ひとり旅」をボチボチ復活させています。とはいえ平日の日帰りトリップですけどね。

    私が「平日ひとり旅」で決めていることは以下です。

    • お金を掛けずに楽しいことをする(ランチ代込みで5,000円以内が好ましい)
    • 身体をしっかり動かす
    • 家族よりも先に帰宅し「おかえり」を言う

    今回の旅先に選んだのは、都心から約90分ほどの距離にある神奈川県伊勢原市の「大山」。丹沢山塊の先頭に立つ代表的なその山の標高は1,252m。国定公園に指定されたピラミッド型をした美しい山容が特徴です。

    山の上からは相模湾、富士山、伊勢原市の町並みがきれいに見えて、ケーブルカーを利用すれば山頂へのアクセスも便利。もっと歩きたければ丹沢の山々への縦走も可能。初心者から上級者まで楽しめる大山。「遠足などで登ったよー」という神奈川県出身の方も多いのでは? 実際私が訪れた日も賑やかな小学生ご一行様がいましたよ。

    まずはお得な「丹沢・大山フリーパス」を手に入れよう

    丹沢・大山フリーパス

    丹沢・大山フリーパスの「Aキップ」。私はワケあって駅の券売機から買い直しましたが「デジタルキップ」もあります!

    公共の乗り物で大山に訪れる際におすすめしたいのが「丹沢・大山フリーパス」。

    • 小田急線(本厚木~渋沢)、神奈川中央交通(バス指定区間)、大山ケーブル(Aキップのみ)が、期間内乗り降り自由
    • 大山参道や周辺の優待・割引スポットで利用可。名物の大山とうふやお土産がお得に
    • 小田急線往復割引キップ付き(発駅~本厚木~渋沢)

    スマホから簡単に購入できる「デジタルキップ」もあります。ケーブルカーを使用せずに「下から自力で登る!」という方にはもっとお安い「Bキップ」も。

    私の失敗談を書きますと、デジタルキップを前日にスマホからゲット。当日最寄り駅に向かう道すがらその画面を出しておこうとスマホをガチャガチャいじっていたら「認証ロック」がかかる! 最寄り駅の駅員さんに相談すると、事情を説明すれば払い戻してもらえると(メールで簡単に申請できましたが手数料220円)。券売機から紙のフリーパスを改めて買い直したというわけです。

    そんな作業をしていたら乗ろうと思っていた電車が行ってしまい…。波乱含みのひとり旅のスタート(笑)。このようにデジタルは便利ですが一長一短。心配な方はアナログのフリーパスが安心かもしれません。

    発駅がどこかによって微妙に料金は変わりますが、私の場合、交通費が620円お得に。お昼にいただいた食堂はフリーパス優待施設で5%引きになったので、通常乗車料金よりも合計で723円も浮きました。ちょっとしたお土産が買えちゃいます。

    ◆丹沢・大山フリーパス

    https://www.odakyu-freepass.jp/tanzawa/

    伊勢原駅で大山の情報を手に入れよう!

    伊勢原駅観光案内所

    小田急線伊勢原駅の駅中にある「伊勢原駅観光案内所」。北口に降りる階段の途中です。

    バスの時間にゆとりがあるなら、ぜひこちらに立ち寄って、大山情報をゲットしてください。

    ◆伊勢原駅観光案内所

    • 場所:小田急小田原線伊勢原駅北口階段途中
    • 営業時間:9時~17時(無休)
    • 電話:0463-95-5333

    いざ大山ソロトレッキングのはずが、まさかの珍道中に

    伊勢原駅北口のバス停

    ●8:53● ※旅の参考のため、今回も通過時間(一番左)を表記します。旅をしたのは2024年11月28日。

    自宅を7時10分に出発。先ほど書いたとおり乗ろうと思っていた電車が行ってしまったのですが、ラッキーなことにこの日は紅葉が見ごろということで、伊勢原駅からのバスやケーブルカーに「臨時便」が増発していました。さほど予定が狂うことなくバスに乗れたというわけ。すでに紅葉シーズンは終了しているので、これから行かれる方は時刻表をしっかり確認してくださいね。

    臨時バス

    ●9:19● 直行バスで30分かからず着きました。

    「こま参道」入り口

    ●9:22●バスを降りるとすぐ「こま参道」がスタート。階段が苦手な人は、途中まで左側の舗装路を利用できるそう。

    こま参道

    江戸の人口が100万人だったころ、ひと夏で20万人が山頂登山に訪れたといわれる大山。当時の風情が息づく。

    367段の階段の脇には大山名物の「大山とうふ」を食べることのできる食堂や宿坊、地元名産のきゃらぶきや大山こまなどを扱う土産屋などが軒を連ねています。

    立ち寄りポイントその1.「TAWATAWA STAND(タワタワスタンド)」

    TAWATAWA STAND

    ●9:28● こま参道沿いにある弁当屋さん。イートイン可、PayPayでの支払いもできました。

    店主はコロナ禍をひとつのきっかけに大山の麓にご家族で引っ越し、このお店をオープンされたそう。自家栽培の地野菜やジビエなど、土地の食材にこだわったできたての弁当が軒先に並んでいました。私は下山後に食堂でランチを食べようと思っていたので、行動食として筋子のおにぎりと、この店の名物と観光案内所の女性に教えてもらったルーロー飯おにぎりを購入。オーダー後にその場でご主人が握ってくれました。

    ルーロー飯おにぎり

    肉の甘辛具合が絶妙だった「ルーロー飯おにぎり」。

    この日は、ほかのお客さんがいませんでしたが、当日店頭でお弁当をオーダーする場合、売り切れや時間がかかることもあり前日までの予約がおすすめそう。

    TAWATAWA STAND(タワタワスタンド)

    • 所在地:神奈川県伊勢原市大山628-2
    • 電話:070-8582-5869
    • 営業時間・定休日:営業時間、定休日は不定期のため、お出かけ前に必ずHPをチェックしてください
    • ホームページ:https://www.instagram.com/tawatawastand/

    時間のない旅人はケーブルカーでワープ

    ケーブルカー乗り場

    ●9:50● 紅葉狩り客で大行列していたケーブルカー乗り場。臨時便が出ていたので想像より早く乗れました。

    大山ケーブルカーは、大山ケーブル駅から阿夫利(あふり)神社駅までの全長0.8km、標高差278mを所要時間6分で結んでいます。これに乗れば約1時間半、徒歩時間を短縮できます。当初は下から歩いて登ろうとしていた私です。でも観光案内所の女性にケーブルカーを勧められ、結果大正解!

    というのも大山の標高が1,252mと、家族でよく登る高尾山の2倍以上。初めての山なのでルートや感覚もよくわかっていない。のちほど書きますがボーッと歩いていたら全然違う山道に進んでしまい、予定より多く歩いてしまいました。もしケーブルカーに乗らなければエラいこと!

    大山阿夫利神社下社

    ●10:15● ケーブルカーを降りたらミシュラン・グリーンガイド・ジャポンの二つ星を獲得した大山阿夫利神社下社の眺望。

    ここにはトイレや売店やレストランなどもあります。大山山頂への登山準備がここでできます。

    立ち寄りポイントその2.「大山名水」

    水くみ場

    阿夫利神社下社拝殿の右脇下の地下に入ると、水くみ場があります。

    大山は別名「雨降(あめふり)山」と呼ばれています。転じて「あふりやま(阿夫利山)」となったそうです。水が豊かな場所なんですね。さて水筒満タン。いざ頂上へ!

    頂上登山口の看板

    「頂上登山口」の看板に沿って進みます。

    ええ、ここまでは順調だったのですが、その先なぜか私は直進しました。インスタのリール用の動画を撮ったりと、気持ちがあちこち行っていたのですね。

    頂上登山口の看板

    こんなに立派な看板があったのに。

    表参道の階段

    本来だったらこちらが表参道。大丈夫だと思いますが皆さんも気を付けてください。

    地図

    私が歩いたのは赤くマークしてある「かごや道」。

    登山客とほとんどすれ違わない寂しい道でした。今年はクマ出没情報が多いと聞いており、でも紅葉シーズンで人が多いから大丈夫か。そう思っていたので静まりかえった山道にヒヤヒヤ。

    美しい富士山

    ●11:40● メインルートにたどり着いたらバンと現われた富士山。ホッとしました。「富士見台」にて。

    だいぶ遠回りしました。ここからは駆け足で頂上へ。すでに予定よりも1時間以上押している。記事も駆け足でお送りします(笑)。

    阿夫利神社本社

    ●12:11● 大山の頂上にある「阿夫利神社本社」。

    山頂茶屋

    まさに「山頂茶屋」。食材を担いで運んでいるそう。気になりましたがまたの機会に。

    ちょうどお昼どき。山頂では多くのハイカーがランチを食べていました。私はというとタワタワスタンドで買ったおにぎりをパク付きながら歩きます。コレ、買っておいてほんとよかった!

    山頂の標識

    ●12:15● 山頂標識と2ショットを撮って大急ぎで先に進みます。

    分岐の看板

    ●12:20● この看板の前でしばし立ちつくしました。

    一瞬、来た道で下社に引き返そうか迷いましたが、帰りの時間を逆算したら行けると確信。わりと下りは得意なんです(笑)。腹をくくって「見晴台」経由で周遊することに決定。やはり道を間違えたことが大打撃でしたね。

    相模湾を一望

    気はあせっていましたが景色はすばらしい。相模湾を一望。

    鎖場

    急な階段も多く、鎖場があったりと歩きごたえがあります。

    大山は、全体的に登山道が整備されており初心者にもお勧めですが、ところどころ石や岩、急な階段、鎖場があるので、装備はちゃんとした方がいいですね。ここ数年低山トレッキングばかりだった私なので、久しぶりに山らしい山に登ったと感じました。

    見晴台

    ●13:19● 見晴台着。さっきまでいた山頂が見えます。トイレはないので注意。

    季節的、時間的なのか陽が陰っていて寒かったです。たくさんのテーブルとベンチがあるので陽気がいい日は気持ちいいかも。なんてことを思いながら先を急ぎます。

    案内板

    見晴台にも分岐があります。もう間違わないよ(笑)。下社方面へ。

    紅葉

    次第に高度が下がり、山頂では裸ん坊だった木がふたたび鮮やかに。

    阿夫利神社の摂社「二重滝」

    ●13:39● 阿夫利神社の摂社「二重滝」。

    上下2段に分かれて流れ落ちる落差15mほどの滝。かつては古くから修験者のみそぎ場だったそう。ここを過ぎればゴールまであと少し。

    立ち寄りポイントその3.「大山とうふ」

    大山とうふ

    ●14:41●「食事処かんき楼」で人気の豆腐懐石「楓膳」は2,060円。

    お腹ペコペコで下山し、ふたたびケーブルカーでこま参道に戻りました。時刻は14時過ぎ、予定より1時間ちょっと押しています。この時刻でも営業していたのは参道沿いにある「食事処かんき楼」。平日のこんな時間でも客がひっきりなしに出入り。猪鍋も気になりましたがヘルシーで豪華な豆腐料理をチョイス。お腹が減りすぎて無言で平らげました。ごはん大盛りにしてもよかったかなー(笑)。山登りのあと、食べるもの、飲むものが最高に美味しくて、この幸せを味わいにまた登る、と。ビールは帰宅後の楽しみに取っておこう。

    食事処かんき楼

    • 所在地:神奈川県伊勢原市大山662
    • 電話番号:0463-95-2005
    • 営業時間:10時~17時
    • 定休日:不定休

    ソロトレッキングの便利グッズ

    今回のソロトレッキングで実際に使って便利だったグッズを紹介します。

    ■YAMAP

    YAMAP

    登山者に向けて山に関する情報を幅広く提供するアプリ「YAMAP」。

    このアプリずっと気になっていたのですが、じつはこのたび大山トレッキングで初めて使いました。現在地、水場やトイレなどの情報、オフラインでも使用可能で自分が歩いた軌跡や距離、時間などを登録できて便利でした。今回このアプリのおかげで自分が間違ったルートを歩いていることに気づいたんです(笑)。

    ■オープンイヤー型イヤホン

    耳をふさがないイヤホン、NWM。

    最近流行りの耳をふさがない「オープンイヤー型」のイヤホン。

    道を間違えたため時間を取り戻す作業。ほぼ小走りで移動しました。途中からモチベーションが下がってきて、ワイヤレスイヤホンを装着。気持ちが上がる音楽を聴いたり英語の聞き流しをしたり。耳をふさがないので、葉っぱの上を歩くシャリシャリした音や風の音がふつうに聞こえます。オープン型のイヤホン、自然と共存するのにちょっといいかもです。

    ■nwm DOTS

    • 市場参考価格:24,200円
    • 最大再生時間:約32時間(充電ケース持参の場合)
    • 重量:片耳8g
    • ホームページ:https://nwm.global/
    熊出没注意

    このあたりのクマさんは冬眠せず、今年は目撃情報多数だそう。鈴やラジオなど携行しましょう。

    大山は、なんと奥深い山と思いました! ケーブルカーを使えば初心者でも楽しめて、足腰に自信がある人は下から登ったり縦走したり。こま参道には、おいしい豆腐料理店がたくさん。今度来たときはがっつり猪鍋を食べたいなぁ。1回では全然見切れなかった魅惑の大山。また来ます。ヤマビルの季節の前にリベンジしましょう。

    参考まで、今回の所要時間と旅費をまとめてみました。

    ◎所要時間など

    • 日時:2024年11月28日
    • 所要時間:自宅出発7時10分、帰宅16時57分
    • 歩数:24,011歩
    • 歩行距離:14.29km

    ◎旅費※( )内は支払方法

    • 丹沢・大山フリーパス(クレジットカード):2,430円
    • デジタルフリーパスキャンセル料(クレジットカード):220円
    • タワタワスタンドでおにぎり購入(PayPay):680円
    • 食事処かんき楼で楓膳~フリーパス優待で5%引き(PayPay):1,957円
    • 合計:5,287円
    私が書きました!
    旅のエッセイスト
    国井律子
    1975年東京生まれ。大学卒業後ラジオレポーターなどを経て二輪雑誌でエッセイスト・デビュー。現在は、オートバイのほか、旅、クルマ(キャンピングカー所有)、自転車、サーフィン(ショートもロングも)、スノーボード、ファミリートレッキングなど多趣味をいかしたエッセイを執筆中。旅が好きなのと同時に、おうちも大好き。家での一番の趣味は収納(整理収納アドバイザー1級資格取得)。いかにラクするか考えること、「時短」という言葉も大好き。嫌いな言葉は「二度手間」。インテリア、ネットショッピング、お取り寄せグルメ・酒、手抜きおつまみ作りに熱心。「痩せたい」というのが口癖。直近は苦手な掃除をがんばっている。飼い犬はボストンテリア。ふたりの男児の母でもある。https://ameblo.jp/kuniritsu/

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