その写真集の発刊記念トークイベントが2024年12月4日(水)、東京・原宿にあるNANGA SHOP HARAJUKUにて開催されました。人喰い山とも恐れられるナンガ・パルバット。それを制した写真家・石川直樹氏が語るナンガ・パルバットとは?
NANGA×写真家・石川直樹氏、写真集発刊記念トークイベントが開催された
ヒマラヤは、東はミャンマー近辺から、西はアフガニスタン付近までおよそ2,400km以上にわたって広がり、ネパール、インド、中国(チベット自治区)、パキスタン、ブータンなど、複数の国境地帯を跨いでいる地域。そのため、極めて独特な気候や生態系、文化的背景を持っており、標高差や地形が多彩なおかげで、低いところは亜熱帯の森林が広がっているのに、上まで行くと一気に高山の雪と氷の世界へガラッと変わるような、ダイナミックな自然環境の変化が見られるのも特徴です。
そんな厳しくも美しいヒマラヤの自然環境や、険しくも神々しいナンガ・パルバット登山の様子をひとつのカメラで収めたまさに命懸けの写真集となっています。
以下、石川直樹氏のトークイベントでお話しされたナンガ・パルバットへの思い、写真集についての内容をいくつかご紹介します。
石川氏「現地の方は、直接話すと素朴でいい人たちだけど、過去にはベースキャンプを襲撃されたり、登山者が銃で撃たれる事故も発生。そのため、護衛の人がつき、ベースキャンプを警護していたりもします」
険しい山に挑戦する前から、命懸けの状況に置かれる緊張感が伝わってきます。
石川氏「ナンガ・パルバットへ続く山路の写真(左から2番目)ですが、ここは標高4,200mで、富士山で考えると森林限界を超えて草木も生えてないような標高。しかし、ここではなんと緑がしげり花が咲いています。こんな環境はヒマラヤだからこそ。ここに来た人だけが見られる神秘的な風景です」
対照的な景色を目の前に、人喰い山とも恐れられる山がそびえ立つなんとも神秘的な1枚です。
石川氏「緑の上にテントという状況は、ほかの13座ではない。非常に珍しいナンガ・パルバットだけの景色」(昼間のベースキャンプの写真を説明しながら)
普通なら草も生えないような場所でありながら、氷雪だらけの険しい山を目の前に、足元には緑が生い茂る景色というのは、なんとも浮世離れしたとでも言おうか、不思議な感覚に包まれそうです。
石川氏「K2など大きな山は雪崩が多いのですが、ナンガ・パルバットもまた雪崩が多いんです」
じつは、今回のアタック前にも何度かナンガに挑戦していたものの、雪崩など大きな自然の脅威の前に撤退を余儀なくされたのだとか。
石川氏が使用するカメラはすべて標準レンズを使用。近いものは近く、遠いものは遠く、よりリアルな表現を心掛けているとのこと。だからこそ、写した景色からは石川氏と同じように見た距離感に近く、リアルな情景が伝わり心に迫ってくるものを感じます。
ナンガ・パルバットの登頂直後の写真では、水平線ならぬ雲平線(天と雲との境界)とヒマラヤの山々が目の前に広がります。そこに到達した者しか見ることができない感動的な景色を、この写真集では見ることができます。石川氏が体験した達成感や感動の追従体験ができる1冊となっています。
石川氏「ナンガ・パルバットは特別な山。14座全てに個性が際立っていて、その中でもナンガ・パルバットは特別でワクワクして怖い山。ぜひこの写真を見ていただきたい」。
写真集発売を記念して限定品も発売
NANGA公式オンラインショップでは、写真集「NAOKI ISHIKAWA NANGA PARBAT / NANGA EDITION」をはじめ、石川直樹氏とコラボしたグッズの限定販売を開始中。※商品によっては既に売り切れになっている場合もあります。
時代の波に翻弄されつつも何度も困難を乗り越えてきたNANGAと、自然の脅威に翻弄されつつも、あらゆる困難を乗り越えNANGA登頂を果たした石川氏。両者のコラボレーションにより生まれたアイテムは、私たちに困難を乗り越える勇気を与えてくれるそんな存在になるのかもしれません。
写真集以外は、いずれも数量限定のため気になった方は早めのチェックを!
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