快適に車中泊できる車のポイント
フルフラットになるかをチェック
車中泊を想定して車を選ぶ場合においてはフルフラット、つまりほぼ平らなスペースを作り出せるかどうかが重要なポイント。ラゲッジの後端からリヤシートの背面にかけて、大きな段差や溝がないことを確認しよう。床がフラットかつ水平だと、なお理想的だ。
仮に段差があったり水平でなかったりしても、市販のベッドキットを導入したり、ベッドを自作したりして、快適な就寝スペースを作ることもできる。
十分な奥行き・高さがあるか
快適な車中泊を実現するために、脚を伸ばせるほどの奥行きも欲しいところ。奥行きが足りないと脚に疲れを感じ、よく眠れない可能性がある。仮に、縦方向に寝た状態で脚を伸ばせなくても、斜めに寝た状態では脚を伸ばせる場合も。奥行きをチェックする際は、斜めの長さも忘れずに確認しておこう。 天井も高いほうが快適だ。
実際に座ってみて、頭上に握りこぶし1個分以上の空間があれば窮屈に感じることはないだろう。座椅子やクッションに座りたいのであれば、その厚みの分も計算に入れることを忘れずに。
リヤゲートの開き方にも注意
一般的なクルマのリヤゲートには多くの場合「跳ね上げ式」が採用されているが、一部の車種には「横開き式」が採用されている。それぞれにメリット・デメリットがあるが、車中泊用としてクルマを選ぶのであれば、跳ね上げ式のリヤゲートを搭載しているモデルがおすすめ。
理由は、雨や日差しを遮るための屋根として使えることと、風の影響を受けにくいことの2点。跳ね上げ式のリヤゲートは全開状態のままガスダンパーの作用によって固定されるため、開けたままでも安心して過ごせる。
コンセントなどの装備もあれば便利
コンセントなどの装備が備わっていれば、車中泊がより快適になる。冷温庫やドライヤーなど、車中泊には少し贅沢ともいえる電化製品が使用可能だ。カーバッテリーの消耗に注意しなければならないが、車中泊キャンプや車中泊旅において、コンセントは強力な武器になる。
▼参考記事
スペーシアは車中泊も楽々!BE-PALスタッフがレビュー
スズキの人気トールワゴン「スペーシア」を、BE-PAL編集・大下&記者・櫻井がアウトドア目線でレビュー。快適・安全装備が満載でデザインも秀逸。キャンプにももってこいだ。
櫻:新型スペーシアは、まさにタイヤ付きのアウトドアボックス。スライドドアやリアゲートを開けてキャンプ道具をずらりと並べた様子を想像するだけで、わくわくするね!
大:コンテナをモチーフにしたという、立体感のあるボディーパネルがそう感じさせるんでしょうね。
櫻:室内空間もイメージどおりの大容量。後席をたためば27インチの自転車を立てたまま積めるほどだ。
大:ソロキャンはもちろん、2人分のキャンプ道具を余裕で積み込めます。
櫻:さらに、前席と後席それぞれの乗員向けにトレーや収納がスマートに設置されていて、“見せる収納”になっているのもいいね。
大:ドライブに役立つ装備としては、全車オプション設定のオーディオとナビを含むインフォテインメントシステムが挙げられます。オーディオ&ビジュアル分野で高い実績を誇るパイオニア製で、ドライブレコーダーの映像を映し出すこともできて、便利!
櫻:同乗者向けの快適装備も充実しているよ。その代表格が、「マルチユースフラップ」。後席の座面の前端部分が飛行機の翼のフラップのように可動して、レッグサポートや荷物の落下防止ストッパーになるんだ。
大:ドライブ中の運転をサポートする技術も最新バージョンにアップデート。衝突被害軽減ブレーキは自転車やバイクも検知し、交差点にも対応。そして高速道路で機能するACC(アダプティブクルーズコントロール)は、カーブや車線変更時に減速する設定になりました。より安心感の高いサポートをしてくれて、長距離ドライブも楽チン。
櫻:「軽自動車で遠出すると疲れそう……」と思う人は、ぜひ新型スペーシアに乗ってほしい。限られた寸法のなかで最大限の工夫を凝らしたことによる快適なドライブ体験、そして先進の安全技術が支える安心感が、「次はもっと遠くへ行ってみようか」という気持ちを後押ししてくれるよ!
ソロ車中泊にはもってこい!
【スペーシア ハイブリッドG 2WD】
●ボディーサイズ:全長3,395×全幅1,475×全高1,785mm
●最低地上高:150mm
●最小回転半径:4.4m
●車両重量:850kg
●乗車定員:4名
●排気量・種類:657cc直列3気筒
●最高出力:36kW(49PS)/6,500rpm
●最大トルク:58N・m/5,000rpm
●燃費(WLTCモード):25.1km/L
問い合わせ先:スズキ
▼参考記事
車中泊にはこちらもおすすめ!「スペーシア ベース」
スペーシアのなかでも車中泊に特化した「スペーシア ベース」をBE-PALスタッフがレビュー。
早:今回テストしたスペーシア ベースはその名のとおり、“自分だけの移動基地=ベースを作る”ことをコンセプトとしています。
櫻:それを可能にするのが、広いラゲッジを様々にアレンジできるマルチボード。棚板として高さを3段階に設定できるほか、立てて、ついたてにもできる。
早:マルチボードの上、中段使用時の耐荷重は最大12kg。実用性は高いです。
櫻:特に早坂さんが気に入ってたのは、マルチボードをローデスクとして使うやり方だったね。
早:はい。仕事柄、停車中の車内でパソコンを開くことも少なくないのですが、運転席で作業するのは窮屈なんですよね~。でもこのクルマなら広いラゲッジであぐらもかけて快適! ポータブルバッテリーを積んでおけばワーケーションだってできちゃいます。
櫻:ちなみにスペーシア ベースはダッシュボードに大きな収納があり、助手席を前にたためるので、運転席でのちょっとした作業にも向いているよ。
マルチボードで快適空間を作ろう
早:目的地まで運転をして、仕事もして、あとは外遊びに備えて寝るだけ……というときにもスペーシア ベースはしっかりと応えてくれます。マルチボードを下段にして左右の前席を寝かせるか、助手席を前にたためば車中泊モードに。床は広いし天井が高いので気持ちよく寝られますよ~。
櫻:機能に徹して過剰な装飾を抑えているのもいいね。そもそもスペーシア ベースは商用車。ワゴンではなくバンという扱いなので、後席はシンプルなベンチシートだ。1~2名使用を前提とした割り切った設計にDIYの余地がある。
車中泊で快眠するための工夫を楽しもう
早:手を入れるとすれば、より快適な寝心地を追求するためにマットは導入したいです。あと使っているうちにマルチボードが傷だらけになりそうなので、クロスやブランケットも。いずれにしろ小物類は主張しすぎないデザインにとどめ、トーンを合わせて統一感を出したいですねー。
櫻:最後にクルマの動的性能を。エンジンはノンターボなので荷物が多いときや山道の上りでは力不足な印象。足回りはガチの商用車ほど固くないので長距離走行での疲労は少ないはず。
早:のんびりと週末を楽しむ人には最適ですね!
●ボディーサイズ:全長3,395×全幅1,475×全高1,800mm
●最低地上高:150mm
●最小回転半径:4.4m
●車両重量:870kg
●乗車定員:2/4名
●排気量・種類:658cc直列3気筒
●エンジン最高出力:38kW(52PS)/6,500rpm
●最大トルク:60N・m/4,000rpm
●燃費(WLTCモード):21.2km/L
問い合わせ先:スズキ
▼参考記事