雪に強いテントを選ぶポイントとは?
「寒い季節にキャンプをする人が増えている一方で、最近は突風や積雪で倒壊しているテントをよく見かけます」
と話すのは、アブレイズ代表の三宅さん。同社が輸入販売する「ノルテント」はノルウェー発のアウトドアブランドで、雪一面の厳しい環境でも耐えられるテントを設計。三宅さんは本国へ足を運び、実際の環境で過ごす中で、テント構造や機能の重要性が自然と身についた。
「雪中キャンプで気をつけたいのが吹雪。テントは吹き溜まりになりやすく、しょっちゅう雪が積もります。ガイロープの具合を都度確認したり、雪を落としたりしないと、ポールが耐えきれず折れることがあるんです」
私が解説します!アブレイズ 代表 三宅譲児さん
北欧ブランドを中心とした輸入代理店の社長。特に「G-Stove」は国内の薪ストーブ文化に大きく貢献。冬キャンプが好きで雪中経験も豊富。
写真はノルテント/ギャム6 アークティックモデル
¥225,500
シルナイロンを採用したドームテント。高さ185㎝と高い居住空間を持ちながら、重量は9.6㎏と軽量。薪ストーブも中にセット可。
問い合わせ先:アブレイズ TEL:045(810)1815
CHECK 1 強い形状はこの3種
ドーム型→◎
雪にも風にも強く、居住面積が広い。ポール本数が多いモデルと、魚座型のポール構造モデルは特に雪に強い。
トンネル型→◎
北欧ではド定番の形状。風を受け流す構造で、積雪時も問題なし。高さを抑えたコンパクトなサイズが理想だ。
ワンポール型→〇
耐風性が高く、雪が積もっても安心。ただし居住面積が狭く、ガイロープをしっかり張らないと倒壊することも。
ロッジ型→×
雪や風に当たる面が広く、悪天候だと倒壊しやすい。雪が積もりそうな天候には不向きなので使用は避けよう。
CHECK 2 調べておくべき機能はこの5点
スカートが付いている
外からの冷気を遮断する役目があり、雪が積もると室内の密閉性が上がる。冬キャンプでは欠かせない大事な機能だ。
化繊を使っている
コットン素材は水を吸いやすく、重量が増して風が強いとポールが折れることも。ポリエステルやナイロンが安心。
ベンチレーションが付いている
空気の通り道を作り、換気の役割を果たす。室内でストーブなどを使うときは、一酸化炭素中毒を防ぐ重要なポイント。
ポールは丈夫な素材を使っている
グラスファイバーなどやや強度が劣る素材だと、悪天候で折れる可能性がある。軽くて強度の高いアルミ合金がいい。
クロスポイントが多くある
ポールの交点が多いほど安定性が増し、強い風やある程度の積雪でも耐えられる。ドームテントによくある構造だ。
CHECK 3 こんな道具があると雪中でも便利
雪が積もったらショベル&ハケを使う
ハケはテントに雪が積もった際に落としやすく、ショベルは雪かきや地ならしに便利。
サンドペグでさらに耐風性をアップ
横向きにして雪に埋める。
心配な人は必見!雪に強くなるケア用品をご紹介
強力な撥水剤で雪や泥を弾く
アウトドアライフ/ザ ハッスイザイ スターターセット 1L
¥4,400
しっかり水を弾きながら、通気性を保つため結露や蒸れが起きにくい。吹きかけやすいスプレー付き。
問い合わせ先:アウトドアライフ outdoorlife.camp@gmail.com
縫い目から水や風を防ぐ
ギアエイド/シームグリップ+SILシリコンシーラント
¥1,650
縫い目に塗るシルナイロン専用のリペア用品。補修だけでなくシームテープがないテントにも使える。
問い合わせ先:スター商事 TEL:03(3805)2651
雪中キャンプで注意すべきことは?
ヒーター類を使う際は十分に換気しよう
寒いからといって完全に風を遮断すると、一酸化炭素中毒になりやすい。空気の通り道を作り、COチェッカーを入れて暖を取ろう。
ガイロープはすべて張り、定期的に状況をチェック
雪が降る天候は風が強まりやすく、ガイロープを張らないと一瞬で倒壊する。長めのペグを用意し、深く打ち込んで念入りに固定しよう。
雪に強いおすすめソロテント&ファミリーテントはこれだ!
テントに詳しいB.O.W代表の牛田さんは、ポールの素材は本当に大事だと話す。
「特にソロテントは、ファミリーテントと比べてポールが細いです。MSRのサイクロンポールのような弾力性、耐久性のある素材を使っていることをチェックしてほしいですね」
私が解説します!
B.O.W代表
牛田浩一さん
アウトドア専門コーディネイター。冬はスノーボードを満喫。仕事やプライベートで雪中キャンプを多く経験。
ファミリーテント
ワンポール型とドーム型の2種類がメインで、フロアをはずしてシェルタータイプで過ごすモデルも増えている。
生地を刷新! 100%エコ素材の次世代モデル
テンティピ/サファイア Eco 9
¥398,200
ヘンプやオーガニックコットン、リサイクルPEなどを混紡した、環境配慮型のワンポールテント。耐久性に優れ、天井のベンチレーションで換気も十分。
問い合わせ先:ファロスインターナショナル https://www.pharus.net
自在に張り方を変えられる美しいドームシェルター
ogawa/アステロイド
¥176,000
高さ190㎝で広い居住空間を持つ。ルーフフライは日除けだけでなく雪から
テントを守る役目も。メッシュ生地が多く、年間とおして快適に過ごせる。
問い合わせ先:キャンパルジャパン TEL:0800-800-7120
冬場のキャンプに最適な機能がてんこ盛り
ヘルスポート/バランゲルドーム 4-6 アウターテント incl.ポール
¥209,000
北欧生まれのアウトドアブランドが手がけるドームテント。独自の換気システムと難燃加工生地で、薪ストを使っても安心。フロアは脱着可。
問い合わせ先:ブラブジャパン TEL:03(5282)3755
好きな場所に薪ストをセット
マウントスミ/ストーブテント ノナT/C
¥125,400
6か所の煙突出し口があり、室内のレイアウトに合わせて薪ストをセットできるのが新しい! 撥水力のあるT/C生地を使用している。
問い合わせ先:マウントスミ https://mt-sumi.com
ソロテント
ドーム型とトンネル型が中心。耐久性を考えて、3本のポールを使ったドームテントや交点の多いポール構造のテントがおすすめ。
素材と形状を見直して約400gも軽量に
MSR/ハバハバシールド2
¥88,000
1.47㎏の軽量ドームテント。丈夫なサイクロンポールには、連結部にハブ構造を採用しており、弾力性と設営のしやすさを両立している。
問い合わせ先:モチヅキ TEL:0256(32)0860
ポール径と生地を変更してより強靭に
ヒルバーグ/ソウロBL
¥209,000
10㎜ポールと厚みのあるフライシートに変更したドームテント。前室が広く、荷物置きや調理スペースとして便利。屋根があることで雪から守ってくれる。
問い合わせ先:エイ アンド エフ TEL:03(3209)7575
10か所の張り綱で強風時もしっかり固定
ノルテント/バーン1
¥108,900
3か所のベンチレーションで結露しにくいドームテント。両面シリコン処理した
シルナイロン生地で雪を落としやすい。
問い合わせ先:アブレイズ TEL:045(810)1815
タープなしでもくつろげる広い前室が魅力
ローベンス/ボイジャー 2EX
¥52,800
風速40mに耐えられる丈夫なトンネルテント。前室は寝室とほぼ同じ広さで、イン
ナーには小物を干せるリッジライン付き。
問い合わせ先:トレイルヘッド TEL:050-3801-0870
雪に強いテント選びの3か条
1 積雪や風に強い構造かを見る
2 雪に耐えられる素材かを確認する
3 安心して過ごせる機能があるか見る
※構成/小川迪裕 撮影/中村文隆(P.36) 協力/青野原オートキャンプ場組合
(BE-PAL 2025年2月号より)