近年、東京オーロサロンではカーライフの多様化によりチューニングカーやドレスアップカーはもちろん、キャンピングカーや車中泊カーをテーマにカスタムされた車両が多く展示されています。そこで、今回は会場に展示された数多くのクルマの中でもSUVやキャンピングカー、車中泊カーなどの注目車両を紹介していこうと思います。
アジア最大級!カスタムカーの祭典が今年も開催
外遊びのクルマがズラリと集結した三菱自動車
「カッコよく遊び尽くせ」をブーステーマに掲げた三菱自動車。黒い壁に覆われたブースには三菱のカッコよさが伝わる8台の車両が展示されました。AXCR(アジアクロスカントリーラリー)に出場したトライトンをはじめ、サポートカーであるデリカD:5とデリカミニの3台は走破性や走安性へのこだわりをレースを通じて展示。
また、ブラックのボディが特徴のデリカD:5とアウトランダーPHEV、トライトンの3台はクールな印象。DJトライトンは荷台に開閉ルーフ付きのシェル搭載。ここに2台のターンテーブルを設置しDJブースとし、ストリートパフォーマンスイベント「Red Bull Street Jam(レッドブル・ストリート・ジャム)を開催し大盛況。
さらにガレージ風の一角には、タレントのヒロミさんがカスタムしたトライトンに加え、トライトンカスタムコンテストで最優秀車両となった、フレックスドリームによる、FTポーターエンデューロを展示。
カスタムの方向性は違いますが、8台それぞれがテーマ通り「カッコよく遊び尽くせ」という世界を表現していました。
特別仕様車「BLACK Edition」をベースに、フロントグリル、ポジションランプガーニッシュ、フォグランプベゼル、ドアミラーカバー、アウタードアハンドル、前後スキッドプレートをブラックマイカで統一。ルーフテントやブッシュバーでさらに精悍なスタイル。
普通免許で運転できる小型トラック「エルフミオ」のコンセプトモデルとキャンピングカーを展示したいすゞ
昨年7月末に発売された普通自動車免許でも運転できる小型トラックであるエルフミオ。「エルフミオ・クロスコンセプト」はベースフレームとルーフキャリア、ユーティリティサイドパネルやバスケットなどを荷台に架装し、外遊びでの楽しさを提案。
エクステリアもラプター塗装を施したフェンダーパネルにサイドアンダープロテクター、バンパーにグリルなどを装着し、トラックの印象を払拭するワイルドな出で立ちで注目を集めていました。
そんなエルフミオをベースにテーパーサスなどキャンピングカーのベース車両として開発されたのが「トラヴィオ」。トラヴィオをベースにNTB(日本特殊ボディ)が架装をしたキャブコンバージョン「エクスペディションストライカー」も同ブースに展示。
一般的なFRPではなくアルミパネルを用いたシェルは軽量かつ耐久性もあり、7人乗車・6人就寝を実現。今後、このトラヴィオをベースにしたキャンピングカーも増えていきそうです。
災害時の支援・サポート車両として活躍する日産の「DISASTER SUPPORT SPEC.」
2024年の東京オートサロンに出展されたキャラバンベースの「Disaster Support Mobile-Hub」は、防災・災害時の支援車両として大きな話題を集めました。こちらはあまりにもコンセプトモデルとしての要素が強く、現実性にはやや欠ける部分もありましたが、今回の「DISASTER SUPPORT SPEC.」はより現実性を高めたモデルとして発表。
被災地ではホテルなどが利用できないため車内で就寝が行え、通信や電気といったインフラを装備することで車内にて情報収集や連絡・会議などができるよう装備を整えられた仕様。もちろん普段使いもできるので、企業や自治体などで所有しておくというのも防災の観点からみて大きな安心感に繋がると感じました。
釣り好きに刺さるコンセプトモデル、スズキ「フロンクス SEA BASS NIGHT GAME」
昨年10月に発売されたコンパクトクーペSUV「フロンクス」。そんなフロンクスをベースに「都会の夜釣り」をコンセプトにして製作されたのが「フロンクス SEA BASS NIGHT GAME」で、マットブラックのボディに蛍光イエローを差し色に用いアウトドアとアーバンさを両立。
ワイドフェンダーやバンパーガードも備わり、ノーマルよりもクールかつワイルドな仕上がり。ちなみにシーバスはスズキの通称とネーミングにも遊び心が感じられます。
カスタムメーカーにも注目モデルが盛りだくさん
ハイエースを中心にベッドキットや足まわりパーツといったハイパフォーマンスパーツを数多くリリースするユーアイビークル。今回初展示となった「アトレーフィッシングスタイル」は「気軽に釣りが楽しめる」がコンセプトで、1人がゆったりと寝られるベッドスペースを確保しつつ、ロッドホルダーや防虫ネット、リヤクオーターウインドウに装着するウインドウストレージなど人気アイテムを装備。
エンジンルームカバーや3Dマットなども装備され、見た目と機能も大幅に向上した釣り仕様に仕上がっていました。
個性的なカスタムで注目を集めるBug-truck(カーファクトリーターボー)はハイゼットのパネルバンをベースにした車中泊カーを展示。こちらはハイゼットジャンボフェイスにウッド内装でオリジナリティたっぷり。FFヒーターや薪ストーブなども搭載でき、冬場の車中泊も快適に過ごせるようになっていました。
エアロパーツやドレスアップパーツの人気ブランド「DAMD(ダムド)」。今年は「WR-V REVERB」や「TAFT LUCKY」など、ボディキットでベース車の印象を大幅にチェンジ。
昨年3月に発売されたホンダ・WR-Vのイメージが激変するボディキット「WR-V REVERB」は、現代的かつクラシカルなテイストが感じられる1台。また、ダイハツ・タフトのライトまわりのみを換装することで、ちょっと懐かしいヤングタイマーな印象な「TAFT LUCKY」も来場者の熱い視線を集めていました。
MV(マウンテン・ヴィレッジ)シリーズを展開するロッキー2では、ホンダのフリード・クロススターとステップワゴン・エアをベースにした2モデルを展示。「フリード・クロススターMV」は前倒ししたセカンドシートと荷室のベッドマットでリビングの展開が可能。ベッドは幅1270×長さ1800mmを確保し2人就寝が可能。フロア下は収納スペースになっていて、電装システムも搭載できるようになっています。
「ステップワゴン・エアMV」はベッドサイズが幅1250×長さ2100mmと広々。フラットなフロアの床下にも収納庫が備わり、フリード・クロス同様に電装システムを搭載できます。注目はDC12Vルーフクーラーで夏場も快適に過ごせる仕様。
足まわりのスペシャリストであるカヤバは、キャンピングカー業界への参入を発表。フィアット・デュカトをベースにした「VILLATOR(ヴィラトール)」が初披露され、同時に受注も開始されました。サスペンションメーカーとして乗り心地には特にこだわりを持って開発されたことに加え、コンセプトである「別荘を持ち運ぶ=ポータブルヴィラ」を実現するべく、インテリアのデザインも同社によるこだわりが詰まっていました。
インテリアはデュカトベースのキャンピングカーでは定番のフロントシートとセカンドシートで展開するリビングスペースのほか、リヤにも二の字ソファの寝室兼リビングを配置。また、リヤゲートを開けてフロアボードを引き出せば後方にオープンデッキが作れるのもこのモデルならでは。価格は税別1950万円〜。
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駆け足で紹介してきましたが、今年もオートサロンには魅力的なモデルが多数展示されていました。自分のカーライフやスタイルに合ったカスタマイズやパーツの取り付けなどを施せば、快適性がアップしたり見た目がよくなったりと愛着もいまよりも湧いたりします。
メーカーからいろいろな楽しさの提案を見ることができる自動車のカスタムショー。イベントはほかにも、インテックス大阪で開催される「大阪オートメッセ2025」が2月7~9日、ポートメッセなごやでは「名古屋オートフェスティバル2025」が3月15~16日で開催されるので、最新のカスタムカルチャーを体験してみてはいかがでしょうか。