
単品で見ると機能面、見た目の美しさも良いギア(時に価格が美しくない事も…)ですが、“組み合わせ”という視点で見てみると、実派バランスが悪い装備になっていることがあります。
絶対に譲れない機能性や見た目の美しさにプラスして"収納性"を考慮することで、荷物の総量を大幅に減らすことができます。
そこで今回は奇跡の収納術”シンデレラフィット”を、スタートしやすいクッカーとバーナー(今回はガス式のシングルバーナー)でやってみるためのポイント4つを紹介します。
CONTENTS
1:シングルバーナーの燃料(ガス)はどのタイプにするか?
シングルバーナーのガスの種類とサイズは大きく2種類あります。「OD缶か?CB缶か?」「ガスのサイズをどれにするか?」でこの後のギアの選び方や組み合わせが大きく変わります。
OD缶の場合
OD缶は、ノーマルサイズ(容量約230/250g)、2倍の長さのロングサイズ(容量約460/500g)、そしてスモールサイズ(容量約105/110g)の3種類ありますが、収納性を考えると中サイズ、小サイズのどちらかにするという考え方になります。
CB缶の場合
CB缶は、基本サイズがノーマルサイズ(容量約220/240/250g)とスモールサイズ(容量約120/125g)などがあり、今まではノーマルサイズしかなくてシンデレラフィトへの道はほぼ閉ざされていたのですが、スモールサイズの登場でCB缶でもこの道が大きく開きました。
どのタイプ、サイズのガスを使用するかを自分のクッカーやバーナーとの組み合わせで選んでいくことになります。
2:シングルバーナーの形状(大きさ)はどのタイプにするか?

シングルバーナーは、大きく分けてOD缶用、CB缶用があり、それぞれのタイプに本体・ガスが「一体型」のものと「分離型」のものがあります。使用用途や環境でどれがいいかを選ぶという選び方もありますが、ふつうのキャンプであれば基本的に好みでOKです。

コンパクトさ重視でいえば山岳の世界で磨き上げられてきた組み合わせ、OD缶使用の一体型がベストですし、大きめの鍋も使用したいとなると、OD缶、CB缶ともに分離型またはCB缶の一体型(五徳サイズが大きく重い鍋にも強いタイプ)が使いやすいです。
いろいろな使用用途で吟味しつつも、これからは収納性も頭に入れて選ぶのがオススメです。
単に収納性といっても、キャンプの場合はコンパクトならいいというわけではなく、シングルバーナーの形状がどのクッカーにフィットするのか?が重要になってきます。
3:クッカーの形状はどのタイプ、容量はどのくらいにするか?

使用するガス、シングルバーナーのサイズ感が決まると、それらをシンデレラフィットさせるための「器」も決まってきます。基本的には、円柱型で深型のクッカーはOD缶と相性が良く、長方形や正方形型はCB缶との相性が良いです。

使用面で見てみると、円柱型で浅型のクッカーは底面が広くなるぶん、例えば袋ラーメンがそのまま入ったり炒め物などもしやすいなど、料理のしやすさという視点で見ると一番ですが、サイズが大きくなるのが難点です。
しっかりと料理がしたいのか?湯沸かし+α程度でいいのか?などででクッカーのベストな形状は変わってきます。
「シンデレラフィット」と「クッカーの使用用途」面両方から考えてセレクトすることで収納性重視で使用面には我慢が必要といったアンバランスな事態を避けることができます。

…といろいろ記載しましたが、基本を抑えたうえで様々な組み合わせを試し面白い組み合わせの法則も見つかりますので、この辺が楽しみどころでもあります!
4:相性がいい組み合わせは?

結論からいうと、円筒深型クッカーにはOD缶使用の一体型シングルバーナーを。長方形や四角形は小さなタイプのCB缶とシングルバーナーの相性がよいです。
とはいえ、組み合わせ方は十人十色、選ぶギアによって個性が光るところなので、ここが楽しい作業になります。ポイントはブランドや人気度にとらわれずできるだけ自由に組み合わせてみること。やり方は地道で、ただただいろいろな組み合わせを自分なりにテストしていくだけです。
新しい道具を購入する際は、いま持っている道具の収納サイズを測ってから、それがうまく収まる相性のよい道具を探すようにするとよいと思います。
クッカーを先に選び、シングルバーナーと燃料を選んだり、自分のギアの数や、これから何を買うつもりなのかも考えながら自由に進めていきましょう。
僕もいろいろな組み合わせ方を試みて、試行錯誤の結果「スッキリ感」が高まったものがありますので、少しシェアしてみますね。
・円筒深型+一体型+OD缶
山岳装備では定番の組み合わせで、OD缶とクッカーがピッタリなので、小型のシングルバーナーセットアップするとシンデレラフィットを誰でも楽しめる組み合わせ。初心者の方にもオススメ。

ガス缶のサイズを小さくすることでより小型のクッカーに変更することもできます。

・角形クッカー+一体型+CB缶小
CB缶の小サイズ、特にSOTOのCB缶はキャップも小型化されているためこの組み合わせが実現したといっても過言ではありません。シングルバーナー含めソロキャンプでは使いやすい組み合わせ。
バーナーは分離型でも一体型でもコンパクトなタイプを選べば、比較的フィットするのでセットアップしやすいです。

・長方形クッカー+一体型+OD缶小
長方形のクッカーも、サイズによってはOD缶とシングルバーナーを組み合わせることができる。長方形のクッカーが好きな方には最高の組み合わせ。
角が丸い長方形のクッカーは意外にも小型のOD缶と相性が良く、組み合わせるバーナーのサイズ次第ではピッタリと収まる。
登山時のベストチョイス「OD缶+一体型バーナー」を円筒型ではないクッカーでもセットアップできるので、料理がしやすい長方形型に変えることでキャンプ用に簡単に変更できるのも楽しい組み合わせ。

・円筒浅型(大きめ)+一体型+CB缶小

クッカーに対して隙間なくピッタリ収まっていると気持ちが良いですが、余裕を持ってセットアップできるのもキャンプではあり。
ガスのサイズは限られるがCB缶、OD缶どちらのタイプでも問題なく、バーナーも比較的サイズを気にせず収納することができます。さらに、隙間の部分にはコーヒーやフード、調味料やカトラリーなどを詰めることでより一連の動作に無駄がなくなるので満足度が高まる場合もあります。
むしろ、このやりかたがキャンプにおける無駄のないシンデレラフィットかもしれません。
いかがだったでしょうか?”シンデレラフィット”の快感を覚えたらきっと抜け出せない楽しい旅が始まると思います。コンパクトキャンプへの道に繋がるこの終わらぬ旅を一緒に楽しみませんか?