2月1日、日没直後の西の空に、三日月と土星と宵の明星が並びます。スマホを向けて撮影にもトライしてみましょう!
白昼は土星食、夕方は西の空に輝く
2月1日は土星に注目です。昼間に月に隠される土星食があります。12時半ごろから南東の空、月齢2.6の細い月に土星が隠れていきます。ただ、昼間の空に細い月を見つけるのは至難の業。土星は肉眼ではまったく見えませんので、観察には望遠鏡が必要になります。
夕方になると、西の空に、細い月と土星が並んでいるのが見られます。東京では日没が17時過ぎです。夕焼けの残る空に浮かぶ月と土星、ぜひ見届けてください。冬の空気は澄んでいるので、細い月が一段と冴えて見えるでしょう。
月の上のほうには宵の明星=金星がキランと光っています。これが翌2日になると、月と金星の位置が逆転、月のほうが高くなります。一日で月がどれだけ動くのか、よくわかります。
金星はこの後、徐々に高度を上げていき、2月中は宵の明星が楽しめます。
スマホで月の地球照を撮ってみよう
絶好の撮影チャンスでもあります。最近はスマホのカメラも高性能になっており、スマホでの天体撮影を楽しむ人も増えています。天体撮影はカメラを三脚に据えるのが基本です。ただ、三脚がなくても大丈夫。背中を壁などにピタッと押しつけたり、ベランダや展望スペースなどの手すりに両肘を固定して撮影すれば、手ブレをある程度抑えられます。もちろん安全に十分配慮する必要があります。
気をつけたいのは、カメラの設定です。デバイスによりますが、多くのスマホは高い自動調整力をもち、いわゆる“映える”写真にするべく補完プログラムが入っています。そのため星や月など微妙な明るさの被写体に対して、視野のゆがみや色合いを自動調整してしまうことがあります。それにより、たとえば三日月を撮影したとき、月が不自然な形で写っているといったことが起こりえます。
特に、暗い被写体に対して自動で長時間露光を起動するカメラも多いです。長時間露光にすると被写体がブレてしまう(特に手持ちの場合は)ことが多いので、この設定も確認しておきましょう。もっとも、暗い天体を写すときは、あえて長時間露光にするという判断も必要です。ですので、何より手ブレ対策が大事になります。
撮影して面白いのは、肉眼では見えにくいものが見えることです。
三日月を撮影すると、肉眼で見るよりはっきりと地球照が写ります。地球照とは、月の欠けている部分が、地球の照り返しを受けて、うっすらと見える現象です。
夕方の西の空に浮かぶ月には、太陽に照らされた地球の照り返しが届きやすいのです。また、三日月は光っている部分がとても小さく、それほど明るくないので、うっすらした地球照がよく見えるのです。
地球照をはっきりと写すには、明るい部分が白飛びしてしまうのを承知の上で露光を長めにするのがコツです。通常のカメラアプリではタップした箇所にフォーカスや露出を合わせる機能があるので、忘れずに月をタップしましょう。また、月は見た目の印象よりも小さいので、ある程度ズームをかける必要があります。
三日月は毎月やって来ます。毎月、撮影にトライしていくと、だんだん撮影の腕も上がっていくでしょう。
構成/佐藤恵菜