冬は、暑さに弱く寒さに強い犬にとっては元気いっぱいのシーズン。「うちの子は雪遊びが大好き!」という飼い主さんも多いのではないでしょうか。我が家の愛犬で災害救助犬のコアも雪遊びが大好きで、車で雪山に向かう途中に車窓から雪が見えてくると、早く外に出て遊びたくてうずうず、ぴーぴーと鼻を鳴らしています。
本シリーズのVol.13『犬と雪遊びするのも楽しい!スノーハイキングのすすめ』では、スノーシュー時の装備や、雪遊び後のケアについても触れましたが、今回は雪国に出かけた時も、地元に雪が降った時にも、犬との雪遊びの時にあると便利な、犬のためのグッズを紹介します。
積もった雪に埋もれないおもちゃで遊ぼう
みなさんの愛犬は雪を見ると気分が上がって遊びたくなりませんか? でも、雪が深く積もっている時にいつも使っているおもちゃ、例えばお気に入りの野球のボールを投げてモッテコイ遊びをしたりすると、ボールが雪に埋もれてしまい、なくしてしまいがちです。
コアは救助犬で嗅覚を使うことに長けているので、雪の下深くに埋もれたボールでも探し出すのですが、それでも探すのには時間がかかることがあります。
そのため、雪遊びの時はなくしてしまわないように、カラフルで大きめ、浮力のあるおもちゃで遊びます。コアのお気に入りは PULLER やライカーボール、RUFFWEAR のパシフィックループトイです。

投げたり、転がしたり、引っ張りっこしたりできる PULLER 。5種類のサイズがあるので、愛犬の大きさに合わせて選んであげてください。コアのPULLERはウクライナチャリティプラー 限定カラーで、通常のPULLER はパープルです。

ハンドルがついていて、引っ張りっこ遊びにも最適な RUFFWEAR パシフィックループトイ。水遊びにも適しています。

雪遊び用おもちゃコレクションです。雪遊びにはカラフルで浮力のあるものを。
雪遊びでも安心便利なハーネスとリード
雪遊びの時は、深い雪にはまってしまったり、木のまわりの雪の空洞に気づかずに落ちてしまったりなど、思わぬことがあるので、首輪よりハーネスがおすすめです。
ハーネスはいつも使っているものでも 良いのですが、RUFFWEAR のウェブマスターハーネスなら、犬が雪で動きづらい時などに背中の ハンドルでサポートしてあげることができます。体重 40キロの大きなコアでもサポートできるくらい、しっかりした作りのハーネスで安心です。

RUFFWEAR のウェブマスターハーネスは背中の大きなハンドルを持ってサポートできます。
雪遊びのシーンでは、どうしてもリードに雪が付着して凍りついたり、付着した雪が溶けてビショビショになってしまったりします。また、ひと昔前の防水リードは硬くて持ちづらかったり重かったりしましたが、 最近のBIOTHANE素材の防水リードは軽くて柔らかで使いやすくて、おすすめです。

コアの使っている防水リード。右は、現在は廃盤となっているRUFFWEAR の防水リード。左 2 点 は災害救助犬ハンドラーの大先輩ショップ『アシュティ・アンド・カンパニーの』の製品で、幅や長さ、持ち手、ナスカンのタイプなどオーダーメイド で作ってくれます。しなやかで柔らかく軽くておすすめです。
犬と雪遊びに行くと、ロングリードやおもちゃなどに雪が付着して、帰りはビショビショの荷物がいっぱいになります。私は、濡れものを気にせずぽんぽん入れられるように、サイドがメッシュになっているTOPO DESIGNSのリバーバッグを使っています。
大きなPULLERもらくらく入るサイズで、背中のポケットには非常食や救急セットを入れています。愛犬用に、温かいヤギミルクを入れたサーモスのボトルも毎回持っていきます。このバッグ、夏は水遊びにも使えて便利ですよ。

TOPO DESIGNSのリバーバッグ。大きな PULLER もらくらく入るサイズです。TOPO DESIGNS オンラインストア(リニューアルオープン準備中)。
晴れた日に雪原で遊ぶなら雪眼炎防止にゴーグルを
長時間、晴れた雪の上にいて、目がチカチカしたり、眩しくて沁みるような感覚になったことはありませんか?
わたしが子供の頃は「雪目になっちゃった」なんて言いましたが、これは雪眼炎と呼ばれる、雪に反射した紫外線を長時間受けることにより起こる眼の炎症のこと。 人間だけではなく、犬も雪眼炎になり、角膜炎や白内障などの原因にもなります。
雪の紫外線反射率は80~95%、高い時にはコンクリートの14〜16 倍ともいわれます。お散歩やちょこっと遊ぶくらいだったり、木陰のある森の中をスノーシューするくらいなら大丈夫ですが、スキーや雪上キャンプ等で強い日差しの雪原で長時間遊ぶならゴーグルを装着して雪眼炎を予防してあげましょう。
ゴーグルはいきなり旅先で使ったりせず、事前に自宅などで練習して、犬がよく馴れてから装着することを奨めます。

雪遊び後に愛犬が眼を気にしていたり、シバシバさせていたりしたら、雪眼炎の可能性があるので、すぐに動物病院で診察を受けてください。
雪玉防止やスキーのエッジでの怪我防止にレッグカバー
最近は愛犬とリフトやゴンドラに乗ってスキーを楽しめるスキー場もあります。 私も一緒にスキーをしたりしますが、時々耳にするのが、「スキーやスノーボードのエッジがあたり、 愛犬が足を怪我してしまった」という事故。
コアの実家から救助犬活動時の怪我防止にとプレゼントされたmoelani パーフェクトドッグレッグカバーがスキーのエッジから足を守るのにも良いのではないかと、雪遊びの時に着用してみたら、 雪玉の防止にもなりました。肉球は覆わないので、犬も足裏感覚はそのままで動きやすいようです。

moelani パーフェクトドッグレッグカバーを着けたコア。スキーのエッジから足を守ります

足にびっしりついてしまう雪玉防止にもなりました。 サイズ選びの難しいレッグカバーは試着サービスもおこなっています。
犬の防寒対策に犬用コートやブーツも
楽しい雪遊びですが、夢中で遊んでいると体温が下がり体調を崩してしまうこともあります。寒さへの耐性は犬種や年齢によってかなり違ってくるので、愛犬に合わせた防寒対策をしてあげましょう。
例えば、我が家の先代犬Rookie (シェパードmix)はロサンゼルス育ちで短毛、雪遊びは大好きでしたが寒がりでした。在米時にグランドサークルを旅していて、初めて雪遊びした後に尻尾が上がらなくなってしまい、動物病院に連れて行くと、コールドテール症候群と診断されました。
数日で元に戻りましたが、コールドテール症候群は冷えが原因の症状ではないかと言われています。それからは雪遊びの時はコートを着用するようになりました。
犬用コートはいろいろなメーカーが販売しています。足を上げなくても着用できるものや、ハーネスの上からも着用できるものなど、愛犬のニーズに合った、ぴったりサイズのものを選んであげましょう。
また雪遊びをしていると、しだいに足が冷たくなるようで、私の上に乗ってこようとするので、長時間、雪上にいる時はブーツもはかせていました。
犬用のブーツは脱げたりズレたりしやすく、選ぶのがとても難しいので、できれば試着してから購入すると良いと思います。ブーツを履かせる場合は、いきなり雪遊びで履かせるのではなく、事前に自宅やいつもの散歩道でよく馴らしておくと良いと思います。

グランドサークルで生まれて初めての雪遊びをした Rookie。この後、宿泊先で尻尾が上がらなくなっていることに気づきました。

寒さに弱い Rookie は雪遊びの時はコートとブーツを着用。コートは Hurtta 、ブーツは RUFFWEAR のものです(いずれも現在はモデルチェンジしています)。
一方、ホワイトスイスシェパードのコアは長くて密集したふわふわした被毛を持ち、雪の中にもぐって眠ってしまうくらい寒さに強いです。足が冷たくなることもないのでブーツも履かせていません。
シニアになったら心がけたい寒さ対策
犬種だけではなく、年齢による変化にも気をつけてあげたいものです。よく一緒に雪遊びをする雪国暮らしの柴犬のメル先輩は一昨年までは吹雪の中もへっちゃらでしたが、ハイシニアになってからは、あまり冷えるとお腹を壊すようになったので、気温の低い日はコートを着用するようになりました。
若い頃はどんなに深い新雪でも元気にラッセルしていたメル先輩ですが、寒さに弱くなるとともに、体力も落ちています。シニアになったら、若い頃はこのくらい大丈夫だったと無理をさせず、愛犬の様子をよく観察して、疲れてたり冷えてしまう前に雪遊びを切り上げましょう。

寒さに強いコアは汚れ除けにコートではなくレインコートを着用(Hurtta モンスーンコート)。高齢になり暖かなコートを着用するようになったメル先輩(Hurtta エクストリームウォーマー)
残り少ない雪の季節を楽しみましょう
近年の温暖化でウインターシーズンはあっという間に過ぎてしまいます。スノーシューハイクやスキーなどはちょっと大変という飼い主さんと犬のペアでも、雪上ドッグランなど、気軽に雪遊びできる場所もあります。
いつもと違うフィールドに飼い主も犬もわくわく。雪のたくさんあるうちに、いっぱい雪遊びを楽しんじゃいましょう!