
今回は圧倒的な人気を誇るレインウェア「ストームクルーザー」の生みの親、モンベルに密着。
第10世代「ストームクルーザー」は同商品史上もっとも高い透湿性を実現
mont-bell
設立:1975年
拠点:大阪市西区
問い合わせ先:モンベル・カスタマー・サービス TEL:06(6538)5740

モンベル 企画部 下倉淳史さん。本社企画部で主にテクニカルウェアの開発を担当。最新素材と製造方法に精通し、これまでに数々の傑作を手がけてきたモンベルのホープだ。
1976年に発明された防水透湿素材「ゴアテックス・ファブリクス」は登場と同時に世界中に旋風を巻き起こした。その魔法の素材を使った日本初のレインウェアが「モンベル・ストームクルーザー」である。
それまでもショップレベルでは作られてはいたが、量産レベルでは初めての製品で初代の発売は1982年。その後ストームクルーザーは素材や仕様の進化とともに改良を続け、現在では第9世代まで進化している。
そんな大定番がこの春、劇的な進化を遂げる。同社が独自開発した「スーパー・ドライテック」へと素材を変更するのだ。
「これは史上最高レベルの透湿性能を目指して開発した素材で、行動中の汗の蒸れを効率よく外に逃がし、ウエア内部を快適に保ってくれます。年々酷になっている日本の夏には欠かせない存在になると思いますね」と開発担当の下倉さんは語る。
そんなスーパー・ドライテックを採用した第10世代ストームクルーザーは、3レイヤーながら耐水圧5万㎜以上、透湿性4万g/㎡(JIS L-1099 B-1法)という高い性能を叩き出している。
「ストームクルーザーは、長い歴史をもつ我々の看板製品ですし、今後も日本のレインウェアのメインストリームであってほしいと思っています。なるべく多くの人に使っていただけるよう、最新の自社素材を採用しながらも、努力して手の届きやすい価格を実現しました」
世界中に旋風を巻き起こしたレインウェアの進化はすごかった!
1982年~
初代
量産品としては日本初となる「ゴアテックス」を採用したレインウェア。それまで登山用にはゴム引きやハイパロンコートの雨具しかなく、その優れた防水透湿性は衝撃的だった。第2世代で生地が70Dから30Dに変更となった。
フードは襟に収納が可能で「オールウェザークロージング」として雨天以外でも使われた。
ゴア社の規定で頑丈な70Dナイロンを採用していた。すべての縫い目にシーリングを施してある。
2019年~
第9世代(現行)
ゴアテックス素材の進化とともにストームクルーザーも細かなアップデートを重ねてきた。なかでも第6世代(2007年~)から採用しているYKKの止水ジッパーは軽量化に貢献。現在発売中のモデルは第9世代にあたり完成の域に達している。
立体デザインのフードは顔の周囲、奥行き、ヒサシの3点が調整でき、視野がとても広い。
2025年~
第10世代
ストームクルーザー
¥22,000
今回発売される第10世代は、これまでのデザインを踏襲しながらも、素材を自社開発の「スーパードライテック」に変更。ストームクルーザー史上最も高い透湿性を実現した。
今年で記念すべき創立50周年を迎えるモンベル本社ビル。日本を代表する総合アウトドアブランドである。
本社企画部の開発フロア。自社開発を始めとした最新マテリアルが集められていて、隣のパターンルームで裁断、縫製、試作ができる体制が整っている。

よしよし これで完ぺき♪
隣接のテストラボには耐水圧、耐摩耗、耐引き裂き強度試験などに必要な機械類がずらりと並び試作したらすぐにテストできる。このフットワークの良さが開発速度の速さに繋がっている。
表地は30Dリップストップナイロン。光沢がなく、適度なハリ感があるため、雨の日以外でも着回しやすい。
裏地はしなやかで着心地のよい高密度ニット。
スーパードライテックの顕微鏡写真。無孔質構造のメンブレンを採用。
「ファンブロー」シリーズにジャケットと半袖タイプが今季追加!
ファンブローショートスリーブパーカ
¥13,200
ファンブローパーカ
¥14,000
モンベルの真骨頂は「誰も作ったことのないモノ作り」にある。最近ではバッテリー駆動のファンを内蔵した「ファンブロー」シリーズがその代表作。今年は従来のベストに加え、半袖と長袖を追加。夏のアクティビティをテクノロジーでサポート!
ザックを背負えるようにファンをオフセットし、背中にメッシュパッドを内蔵。
※構成/ホーボージュン 撮影/奥田高文
(BE-PAL 2025年3月号より)