
それまでの概念を大きく覆した「ツルギジャケット」の魅力を解説
Teton Bros.
設立:2007年 拠点:東京都中央区
問い合わせ先:Teton Bros. https://www.teton-bros.com/

ティートンブロス 代表 鈴木紀行さん。サッカー漬けの学生時代を送ったのち単身米国へ渡り、スキーやアウトドアの腕を磨く。帰国後関連商品の輸入販売を経てTeton Bros.を創立。
2013年の発売以来、それまで業界の通例だった「プルオーバージャケットは売れない」という概念を大きく覆したのが、ティートンブロスの「ツルギジャケット」だ。
フロントに斜めジッパーを配置した大胆なデザインはビジュアルでも話題を呼んだが、開発の目的はアイスクライマー向け。
大きく開放できるジッパーによって太い動脈が体表近くにある脇下を効果的に冷却でき、またフロントジッパーがないことで体の動きも高まるなど、機能を求めた結果がこのデザインだった。考え抜かれた最小限のパーツや合理的なカッティングも高い評価を受け、日本ブランドとして初となる世界的な賞を受賞。国内外の一般登山者にも一躍名が知れた。
「明確な使用目的と、足すも引くもないシンプルなデザイン。実用性のみを求めた結果生まれた製品だと自負しています!」
現モデルは東レと共同開発した独自素材「タズマ」を使用。完全防水ながら通気性を併せもち、鈴木さんらが楽しむ運動強度の高いアクティビティー対応の一着として絶賛されている。
世界のアウトドアシーンが認めた唯一無二の実践主義ジャケット
2013年~
初代
日本ブランドとして初めて米国ポーラテック社が主催する世界的な賞「Polartec Apex Award」を受賞する快挙を達成し、国内外で注目を浴びた。
ツルギジャケット
¥53,900
冬季クライミングからバックカントリーまで冬のアクティビティーで人気を博す。全7色展開。外見の特徴がすべて機能をもつ、同社コンセプトを形にした名作だ。
元NATO山岳部隊やアイスクライマーらとの出会いがツルギジャケット誕生のきっかけに。国内のほか、中国などの未踏峰でテストを行なった。
胸元の斜めジッパーは効率のいい換気や身体の動かしやすさ、軽量化などメリットが多数。ジャケットのアイコンにもなっている。
米国ではスキーシーンのど真ん中にいた鈴木さん。自身が雪山で着たいと思うウェアのアイデアが止まらない。
2024年はついに海外で2店舗を出店!
ブランド創立から17年。昨年、アウトドアの聖地として知られる米国コロラド州ボルダーと、韓国ソウルで念願だった海外ストアをオープン! 多彩な日本の自然環境の中で開発されたプロダクトがいよいよ海外でも使われることに。
※構成/福瀧智子 撮影/中村文隆
(BE-PAL 2025年3月号より)