日産・セレナは雪に強いミニバンでした!「e-POWER」+「e-4ORCE」の安心感は絶大なり
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    2025.02.28

    日産・セレナは雪に強いミニバンでした!「e-POWER」+「e-4ORCE」の安心感は絶大なり

    日産・セレナは雪に強いミニバンでした!「e-POWER」+「e-4ORCE」の安心感は絶大なり
    「技術の日産」と称されるように、日産自動車はこれまで数々の革新的な技術を生み出して自動車におけるエンジニアリングを牽引してきた。

    近年では「e-POWER」や「e-4ORCE」といった電動化・制御技術が注目を集めている。今回はそれらを盛り込んだクルマを試すべく、北海道へと向かった。

    北海道の雪道試乗でわかった電動四駆の確かな走り

    セレナってどんなクルマ?

    試乗会場には、セレナ、エクストレイル、ノート、アリアといった人気車種が並べられていた。その中でも特に注目したのが、2022年にフルモデルチェンジを果たしたセレナである。5ナンバーサイズの扱いやすいボディに、多彩なシートアレンジを備え、日常使いからアウトドアまで幅広く活躍するミニバンだ。

    「プロパイロット」と呼ばれる運転支援システムをはじめ、充実した装備を持ちながらもコストパフォーマンスに優れる点も魅力である。実際、セレナは2023年度下半期、2024年度上半期と続けて、国内ミニバン市場で販売台数トップを記録している。

    ミニバンクラスでも売り上げ好調なセレナ。試乗車は昨年の秋にラインアップに追加された、待望のe-4ORCEモデルだ。

    そんなセレナには2種類の動力源が用意されているのをご存じだろうか。ひとつは、従来から自動車の主流であるガソリンエンジン搭載車(近年は“ICE”と称されることが多い)。もうひとつは、ガソリンエンジンを発電専用として用い、その電力と駆動用バッテリーの電力を用いてモーターで走行する「e-POWER(イーパワー)」である。

    機能的なレイアウトのセレナのコクピット周り。センターモニター下のパネルにシフトセレクトボタンなどが配置される。

     日産自動車はリーフの発売以降、EVの展開に力を入れてきた一方で、外部充電のインフラに頼らずに電動モーターによる快適な走行を可能にするe-POWER車の普及にも注力している。現在、全ラインアップの約1/3e-POWERモデルを設定していることからも、その重点度合いがうかがえる。

    今回の試乗車の一台である「セレナe-4ORCE ハイウェイスターV」も、e-POWERを搭載したモデルだ。そして、もうひとつ注目すべきポイントが、車名にもある「e-4ORCE(イーフォース)」である。

    e-4ORCEとはどういうもの?

    e-4ORCEは、EVを含む電動車向けに開発された日産自動車の電動4WDシステムを指す。前後に配したモーターと4輪のブレーキを統合制御することで、滑りやすい路面でも適切な駆動力とトラクションを確保する仕組みだ。

    従来のe-POWERモデル(すべて前輪駆動車)にも後輪用モーターを追加した電動4WD仕様は存在していたが、それらは前後モーターやブレーキを個別に制御する仕組みだった。e-4ORCEは、それらをひとつのECU(電子制御コントロールユニット)で統合的に制御することで、より高度な安定性とトラクション性能を実現するのが大きな違いである。

    セレナのe-4ORCEモデルは361万4,600円から。

    もっとも、そうは言っても従来型の電動4WDシステムが性能的に劣るわけではなく、軽量な車両に適したものだという。実際、現行のノート/オーラやキックスのe-POWERモデルには、従来型の電動4WDシステムが採用されている。

    従来型の電動4WDシステムを搭載するノート(試乗車はノート・オーテック・クロスオーバー・フォー)。実はかなりコントロール性が高く、氷上の特設コースで試したノート・オーラ・ニスモも含めて雪道でも扱いやすく運転が楽しいと感じられた。ミニマルなキャンプにもうってつけの一台といえるだろう。

    安心感をもたらす縁の下の力持ち

     雪上試乗は、北海道苫小牧市近辺の一般道で行われた。最初に試乗したのはセレナのトップモデルに位置付けられる「セレナe-4ORCE ハイウェイスターV」(408万8,700~413万2,700円)である。タイヤは純正サイズのスタッドレス、ブリヂストン・ブリザックVRX3を装着する。

    雪上試乗といっても、特別な操作は不要だ。ドライブモードはe-4ORCEモデルにのみ追加される「スノー」に設定し、シフトスイッチの「D」を押してアクセルを踏むだけ。すると、発進時の挙動はドライ路面での走行と変わらない。試乗開始地点のホテル内道路はしっかりと除雪・圧雪されていたため、雪道としては比較的良好なコンディションだったが、セレナe-4ORCEは滑る素振りすら見せなかった。

    まったく危なげなく走行するセレナe-4ORCE。雪上のみならず、砂利道や雨天などでもその効果は高いはず。積極的に選びたい仕様である。

    それではと、あえて登り坂の途中で一旦停止し坂道発進を試みた。しかし、ここでもセレナe-4ORCEは難なくスタート。通常の4WD車であれば発進時に多少の姿勢変化が生じるが、セレナではトラクションコントロールのランプが点滅する程度で、挙動は極めて安定していた。これは、4輪の状況に応じて前後モーターの駆動力配分とブレーキ制御を最適化することで、トラクションと車体姿勢を安定化させているためだ。

    そのまま雪道を進み、途中でアスファルトが見えている路面や轍が掘れた区間に差し掛かっても、セレナe-4ORCEはスムーズに走行を続けた。こうした路面状況を問わない安定性の高さが、運転時の安心感に直結する。

    こちらはさらに頼もしいエクストレイルのe-4ORCE。セレナよりも車高が低く、最低地上高もしっかり確保されているため、アウトドアでの活躍度は満点だ。

    次に試乗した「アリア・ニスモ B9 e-4ORCE」(¥9,441,300)でも、同様の安心感が得られた。アリアはセレナよりも重量があるため、滑りやすい路面でもトラクションがしっかりと確保され、危なげなく走行できるのが美点。

    さらに、このモデルはピュアEVらしくアクセルペダル操作だけで減速力をコントロールできる「e-Pedal Step」を備えているため、e-4ORCE自体の巧みなスリップコントロールとともに、ペダルひとつで加減速を調整できるのがいい。滑りやすい路面ではのつく運転は極力さけて滑らかに操作したいもの。それがシームレスにできるのが、e-4ORCEを備えた電動車の良さである。

    アリア・ニスモB9 e-4ORCE は、EVらしい高いトラクション性能に加え、抜群の静粛性とも相まって雪道で快適に走行できた。

    e-4ORCEは、ウィンタースポーツを楽しむ人にとって頼れる機構であり、アウトドア好きにとっても、キャンプ場へ向かう砂利道などでもその恩恵を感じられるだろう。4WDは単にトラクションを確保するだけでなく、運転時の不安を取り除く役割も果たすということがe-4ORCEで実感できるのである。

    実際は車体価格が高くなることを理由に4WDを敬遠する人も少なくないかもしれないが、e-4ORCEは「転ばぬ先の杖」ならぬ、「滑らぬ前の安心」と言える存在。つまり、すべてのドライバーの移動におけるストレスを軽減してくれる心強い味方であり、積極的に選びたい仕様である。

    今冬は雪が多く、気温が上がり始める春先も油断大敵。電子制御技術を駆使した日産の最新モデルばら、ソト遊びの安心感は絶大だ。

    問い合わせ先

    日産自動車

    TEL:0120-315-232

     

    桐畑 恒治さん

    ライター&エディター

    1973年生まれ。琵琶湖のほとりで生まれ育ち、学生時代はスキー、スノーボード、サーフィン、釣りなど、ひと通りのアウトドアアクティビティを経験。自動車専門誌の編集記者となって以降はその活動も停滞気味だったが、フリーランス・ライターとなった現在は改めて外遊びを満喫したいと目論む今日この頃。まずは自分自身の相棒(愛車)選びも含めてクルマの魅力を探り、紹介していきたいと思います。

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