日焼け止めの進化がスゴい!これから気にすべきポイントは、より肌の奥深くまで届く「ロングUVA防御」
まだまだ寒い日もあるため油断しがちですが、紫外線はしっかり降り注いでいます。そろそろ日焼け止めの出番ですね。紫外線を選ぶときの指標になるのが、SPFやPAですが、それだけではなく、より肌の奥まで侵入してしまうロングUVAに着目し、開発された日焼け止めが登場しました。
ロングUVAって何?
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画像提供:「富士フイルム」 ロングUVAの中でも特に波長が長い「Deep紫外線」が肌の奥まで侵入するイメージ。
地上に届く紫外線といえば、UVAとUVBが広く知られています。日焼け止めを選ぶときに基準にすることが多いSPFは、肌表面が赤くなる日焼けの原因になるUVBをどれくらい防ぐ効果があるかを示しています。数値が高いほど、UVBを防ぐ効果が高くなります。
また、PAは、UVAを防ぐ効果を表し、PAに+をつけて表記され、4段階で表記されます。UVAは、肌の真皮層にまで届き、シワやたるみの原因になることから、SPFよりもPA++++を意識して日焼け止めを選ぶ人もいます。
ただ、このUVA、波長にかなりの幅があるのです。そして、長い波長の場合、多くの日焼け止めでは防ぎ切れていないことがわかりました。そこで、ロングUVAの中でもより波長の長いものに「Deep紫外線」と名づけ研究開発を行なったのが「アスタリフト」です。
着目したきっかけは紫外線の量。なんと紫外線全体の48%が「Deep紫外線」だといいます。そこで、アスタリフトでは、「富士フイルム」が長年培ってきた、写真の色あせを防ぐ紫外線防御技術を日焼け止めに活用する研究開発が行なわれました。確かに、すでに持ち合わせている技術のため、応用すれば紫外線カットが実現できそうですね。
「写真分野では独自の紫外線防御剤を使用し、すべての紫外線をカットしています。ただ、化粧品分野では、一般的に使用されている紫外線防御剤が35種類と限られています。」(富士フイルム バイオサイエンス&エンジニアリング研究所副所長 田代朋子さん)
化粧品で使用可能なものに制限があるため、写真技術をそのまま応用とはいかなかったようです。今回は、紫外線防御剤の組み合わせと、それを安定配合するという独自技術によって効率的に「Deep紫外線」まで防ぐことに成功したといいます。
「写真分野で培ってきた知見や技術、そして、異業種だったからこその常識にとらわれない新しい視点がこの技術開発につながりました。」(田代さん)
「Deep紫外線」だけでなく、UVA、UVBともに、しっかり紫外線をカットしていることも実証されています。
進化したアスタリフト D-UVシールド トーンアップ
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アスタリフト D-UVシールド トーンアップ カラー:ローズ/ナチュラルホワイト SPA50+ PA++++ 30g 4,290円(消費税込み) ※2025年2月28日発売。
「Deep紫外線」に着目して、進化した「アスタリフト D-UVシールド トーンアップ」は、UV化粧下地と表記されていることから、もしかしたら敬遠していた人もいるかもしれませんが、効果が期待できる日焼け止めとして、釣りなどアウトドアスポーツを楽しむ人にも人気です。
今回、UVAとひと言で表現しても、波長が違うことで肌への影響が違うことを中心に紹介しましたが、実は、アウトドアでの使用におすすめのポイントが他にもあります。それは、笑ってもしゃべっても破れないUV膜です。
しゃべることで表情筋が動き、肌が動くことで塗った日焼け止めクリームに割れ目ができます。せっかくのUV膜が破れることで、紫外線が肌に入り込みます。こまめな塗りなおしをするなら心配は少ないですが、夢中になっているとうっかり塗りなおし忘れというのは、よくあることです。
筆者は、アクティビティーに夢中になり、うっかりということは多々あり、後悔することもしばしば。そんな心配が要らないよう、オイルベースで肌の動きに合わせて伸び縮みし、UV膜が破れない独自処方が施されています。
シリコンのプレートに、D-UVシールド トーンアップを塗ってシリコンを伸ばして戻したところ、新技術を搭載したUV膜は、破れずにそのままでした。顔だけでなく、体にも使えるため、これはうっかり日焼けがかなり防げるのではないかと期待します。
UV化粧下地と表記されているように、肌にしっかり密着し、なめらかな着け心地です。べたつかず、トーンアップはしますが、色がつくという感じではありません。塗った後はさらっとしているのも嬉しいところ。
紫外線に反応して美容成分を肌に与える「UVアクションカプセル」や「スターフルーツエキス」などが配合され、紫外線を浴びた肌をしっかり保湿し、うるおいが続きます。敏感肌処方で、洗顔料でオフできるのも注目ポイント。
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紫外線を色で知らせてくれるUVセンサーキャップ。紫外線が届くと紫色になります。
また、引き続き目に見えない紫外線を知らせてくれるUVセンサーキャップが採用されています。
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屋内では、UVセンサーキャップが白に戻りました。
紫外線を感知すると、キャップの色が白から紫に変わります。従来品にも搭載されていましたが、より色が見やすいデザインになり、少ない紫外線量でも色が変化して紫外線を知らせてくれます。
アスタリフト(富士フイルム)
https://ls-jp.fujifilm.com/astaliftbrand/
ラ ロッシュ ポゼのトーンアップUVシリーズのローズ+がリニューアル
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ラ ロッシュ ポゼ UVイデア XL プロテクショントーンアップ ローズ+ SPF50+ PA++++ 30mL 3,960円(消費税込み) ※2025年2月13日発売。
敏感肌用スキンケアUVとして人気の「ラ ロッシュ ポゼ」からも、ロングUVAに着目し、人気のプロテクショントーンアップが、皮膚科学に基づいてさらに進化しました。「ラ ロッシュ ポゼ」は、1975年に敏感肌のためのブランドとしてフランスで誕生し、ダーマコスメとして、さまざまな肌悩みに寄り添うコスメを開発しているブランドです。
ダーマコスメとは、DERMATOLOGY(皮膚科学)とCOSMETICS(化粧品)を合わせた造語です。UVケアアイテムは、敏感肌の人にとって刺激が強いものもあり選ぶのがむずかしいアイテムでもあるのですが、「ラ ロッシュ ポゼ」のUVアイテムは、そんな人にも人気のシリーズです。そんなUVプロテクションのローズがロングUVAに着目してリニューアルしました。
日焼け止め乳液・化粧下地と表記され、スキンケア効果として肌表面にうるおいバリアを形成し、肌なめらかで整ったツヤ感をキープしてくれます。8種類に増えたUVフィルターでUVA・ロングUVAへの防御力をアップしています。
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紫外線の肌への影響について話すラ ロッシュ ポゼ ブランドアンバサダーの皮膚科医 友利 新さん。
肌の真皮にまで影響を及ぼすロング紫外線は、紫外線の75%もあります。ということは、ロングUVAへの対策が必要になりますね。しかも、この長い波長のロングUVAは、1年中降り注いでいるそうです。
「対策には、ロングUVA対応の表示がある日焼け止めがおすすめです。」(皮膚科医 友利 新さん)
筆者は、UVAの波長の長さを気にして日焼け止めを選んできませんでしたが、今後は、表示をしっかり確かめようと思いました。また、冬は、紫外線量が減ることからUVケアを怠りがちかもしれませんが、ロングUVAが地上に届いているとなると、屋外にいる時間が長い場合は、冬場も日焼け止めを使ったほうがよさそうです。
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手の甲に伸ばしてみました。
化粧下地で、ローズという名前から、色が気になる人もいるかもしれません。手の甲につけてみると確かにわずかにピンクですが、そのすぐ右側に伸ばしてみましたが、光沢がでて、トーンアップした印象で、色は気にならないと思います。顔なら、ちょっと疲れてくすんでいる日など、健康的に見えて、旧製品から筆者は愛用しています。軽いテクスチャーで、つけていることを忘れそうです。
ラ ロッシュ ポゼ
https://www.laroche-posay.jp/
肌表面が日焼けするUVBは、見た目の変化がわかりやすいですが、肌の真皮まで入り込むロングUVAは、時間をかけて光老化につながると思うと、知って、早くからケアしておきたくなりました。日焼け止めも、SPFだけの表記から、PA表記が行なわれるようになったように、ロングUVAに対応した表記も、今後登場するかも知れませんね。