
今年もこの季節がやってきたことを実感し、まるで桜の満開を見上げるような気持ちになります。まずは、魚たちの楽しげな声が聞こえてきそうな、穏やかな海中の写真をご覧ください。
※記事の最後で動画も観られます。
ヒラメのハンティング
小魚の大群を狙ってブリ、ヒラマサなど大きな回遊魚も見られます。この時期によく海底で見かけるのが、ヒラメです。大きい個体は全長1m近くあり、海中で見ると少し怖いです。

海藻に身を潜めて小魚を狙うヒラメ(左下)。
ある日、海藻の上でジッと身を潜めるヒラメを観察してみました。海藻に上手に擬態していて、周りの小魚たちはヒラメに気づいていない様子です。ヒラメは近寄ってきた小魚がいると、今か!と胸びれを立てて、勢いよく捕食できるよう助走をつけるような動きをします。

近寄ってきたクロサギを見て狙おうとしている。
その時、勢いよく体を立て大きな口を開けて力強く捕食したのです。目の前で繰り広げられたヒラメの迫力ある捕食に驚かされました。
その後も小魚の大群は後を絶たない様子で、見かけた他のヒラメたちもお腹が大きく満腹そうな様子でした。

あくびのように口を開けて退屈した様子。
別の日、他のエリアで見かけたヒラメは退屈そうに「今日はご馳走がないのか」と言わんばかりに、大きなあくびをしながら泳ぎ去る姿を見かけました。

砂地で寄り添うペア。
上の写真は数年前の冬に撮影したもので、浅場の砂地で寄り添うヒラメのペアです。ヒラメの繁殖期は冬~春と聞きます。たくさんの食事を摂り、大事な瞬間に命を繋ぐことができると良いですね。
陸編
春の出会いと別れの季節が慌ただしく過ぎ去る中、窓越しに庭を眺めると紅梅が咲き始めていました。新たな季節が確実に訪れていることを実感しました。
ヒラメの捕食動画は以下からご覧いただけます。